名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | ファイル | 属性 | 関連項目 | 注意事項 | 使用上の留意点
rmformat ユーティリティは、再書き込み可能な取り外し可能媒体の、フォーマット、ラベル作成、パーティション作成を行なったり、取り外し可能媒体に関するその他のさまざま処理を行います。この「再書き込み可能な取り外し可能媒体」とは、フロッピーディスク、IOMEGA ZIP/Jaz、PCMCIA メモリーカードを指します。rmformat ユーティリティは、検証、表面解析、不良セクターの修復 (ドライブまたはドライバが不良ブロック管理をサポートしている場合) を行うためにも使用できます。
rmformat には、パスワード付きまたはパスワードなしの読み取り/書き込み保護を媒体に設定するための機能があります。IOMEGA ZIP/JAZ 製品など特定の再書き込み可能な媒体に対して、パスワードによる保護を有効にしたり無効にしたりすることができます。
フロッピーディスクや PCMCIA デバイスをフォーマットした後、rmformat は fdformat の動作との互換性を保つために、媒体全体を 1 つのスライスとしたラベルを書き込みます。ZIP/JAZ デバイスの場合、デフォルトではドライバがディスク全体を占める 1 つのスライスをエクスポートします。rmformat は、明示的に要求されない限り ZIP/JAZ 媒体にラベルを書き込みません。パーティション情報は、rmformat のオプションを使用して変更することができます。
以下のオプションを指定できます。
媒体に SUNOS ラベルを作成します。SUNOS ボリュームラベル名は 8 文字以内にする必要があります。DOS ボリュームラベルを書き込むには、mkfs_pcfs(1M) を使用してください。
指定されたブロックを修正して修復します。このオプションは、rmformat がサポートするすべてのデバイスに適用できるわけではありません。不良ブロック管理が、ドライブによって行われるデバイスと、ドライバによって実装されているデバイスとがあるためです。 不良ブロック管理がサポートされているのがドライブまたはドライバのどちらであっても、不良ブロックは可能なかぎり修正されるように機能します。不良ブロックを修正できなかった場合は、修復に失敗したことを示すメッセージが表示されます。メッセージには、該当するブロック番号が 10 進数、8 進数、16 進数で示されます。
通常のフロッピーディスクおよび PCMCIA メモリーカードは、不良ブロック管理をサポートしていません。
720 K バイト (3.5 インチ) 倍密度フロッピーディスクをフォーマットします。倍密度タイプのドライブでは、このオプションの動作がデフォルトです。高密度タイプまたは拡張密度タイプのドライブで倍密度フロッピーディスクをフォーマットするには、このオプションを使用する必要があります。
処理が終了した時に媒体を取り出します。ドライブが自動で取り出しを行う機能をサポートしていない場合、このオプションは利用できません。
媒体をフォーマットします。
quick オプションは、検証をしないでフォーマットを開始するか、または媒体の特定のトラックだけを検証してフォーマットを開始します。
long オプションは、完全フォーマットを開始します。ドライブ自体によって媒体全体の検証を行うデバイスもあります。
force オプションは、フォーマットを開始する前にユーザーによる確認を行わずに long オプションによるフォーマットを行います。パスワードによる保護機構を持っているドライブの場合、フォーマット中にパスワードを消去します。これは、パスワードを利用できなくなっている場合に便利です。パスワードによる保護機構を持っていない媒体に対してこのオプションを使用した場合は、long オプションによるフォーマットを行います。
フロッピーディスクなど従来の媒体では、上記のどのオプションを指定しても、デフォルトでフロッピーディスクドライブが動作するモード (拡張密度モード、高密度モード、倍密度モード) に応じて、long オプションによるフォーマットを行います。PCMCIA デバイスでは、上記のどのオプションを指定しても long オプションによるフォーマットを行います。
1.44 M バイト (3.5 インチ) 高密度フロッピーディスクをフォーマットします。高密度タイプのドライブでは、このオプションの動作がデフォルトです。拡張密度タイプのドライブで高密度フロッピーディスクをフォーマットするには、このオプションを使用する必要があります。
媒体の保護状態 (書き込み保護、読み取り保護、パスワードによる保護が設定されているかどうか) を出力します。
読み取り/書き込み保護に対するパスワードを有効または無効にします。セキュリティを保つためにユーザーからのパスワード入力が必要なので、このオプションによる処理は対話式で行われます。
パスワードによる読み取り/書き込み保護をサポートしている IOMEGA 製品で、最長 32 バイトまでのパスワードを使用できます。このオプションは、IOMEGA 製品に対してのみ利用できます。IOMEGA 製品では、パスワードなしの読み取り/書き込み保護は設定できません。ソフトウェアの読み取り/書き込み保護機能を持っていないデバイスでは、この機能は利用できないことを示す警告メッセージが表示されます。
ユーザーが、SUNOS ラベル中のパーティション情報を配置することができるようにします。
ユーザーは、各スライスの情報 (バイトオフセット、必要なサイズ、タグ、フラグ) を記述したファイルを入力として指定する必要があります。各スライスの情報を記述する書式は次のとおりです。
slices: n = offset, size [, flags, tags] |
n はスライス番号です。offset はスライス n の開始位置で、バイトオフセットです。size はスライス n のサイズです。offset および size に指定する値は、512 バイトの倍数にする必要があります。これらの数値は、10 進数、16 進数、または 8 進数で指定することができます。浮動小数点数は使用できません。スライスの最大数についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。
size または offset を K バイト、M バイト、G バイト単位で指定するには、それぞれ数値の後に KB、MB、GB を付けてください。これらの単位を表す接尾辞なしの数値は、バイトオフセットとみなされます。
指定できるフラグは、次のとおりです : wm (読み取り/書き込み、マウント可能)、 wu (読み取り/書き込み、マウント不可)、 rm (読み取り専用、マウント可能)、 ru (読み取り専用、マウント不可)。
指定できるタグは、次のとおりです : unassigned、 boot、 root、 swap、 usr、 backup、 stand、 var、 home、 alternates
値を特定する必要がない場合は、タグとフラグの指定を省略することができます。ただし、省略する場合はタグとフラグの両方を省略し、指定する場合はタグとフラグの両方を指定する必要があります。特定のスライスに対するタグとフラグの値が指定されない場合、それぞれのデフォルト値が使用されます。フラグのデフォルト値は wm、タグのデフォルト値は unassigned です。
また、タグの名前は完全名または短縮名で指定できます。短縮名は完全名から最初の 2 文字以上を引用したものです。rmformat は、タグおよびフラグの短縮名を扱う時には大文字・小文字を区別しません。
スライスの指定は、次のように区切って記述します。
例:
slices: 0 = 0, 30MB, "wm", "home" : 1 = 30MB, 51MB : 2 = 0, 100MB, "wm", "backup" : 6 = 81MB, 19MB |
rmformat は、重複パーティションまたは媒体の容量を超える不正な要求を検出するために、必要性検査を行います。1 つのスライス n について提供するスライス情報は 1 つだけにする必要があります。同じスライス n について複数のスライス情報がある場合は、エラーメッセージが表示されます。スライス 2 は、ディスク全体を含むバックアップです。# は、入力ファイル中にコメント行を記述するために使用します。 rmformat は、行頭に # がある行は、その行の末尾までのすべての文字を無視します。
容量がごく小さい媒体にいくつかのパーティションを作成することはできますが、そのようなデバイスに対してこのオプションを使用する場合には注意が必要です。
すべてのタイプのファイルシステムに対して umount を実行し、フォーマットを行います (mount(1M) を参照)。つまり、マウントされていたスライスをすべてマウント解除し、指定したデバイスに対して long オプションによるフォーマットを実行します。
フォーマット後に媒体の各ブロックを検証します。書き込みの検証は、破壊的な機構 (書き込んだら消去するという機構) で行われます。検証を開始する前に、ユーザーは検証を始めることを確定するように求められます。このオプションを使用すると、不良ブロックとして検出されたブロックの番号のリストが出力されます。
読み取りの検証は、ブロックを検証して、エラーが発生する傾向にあるブロックのリストが出力されます。
出力されるブロック番号のリストは、修復を行う時に -c オプションを使って利用することができます。
以下のオペランドを指定できます。
devname には、絶対パス名または現在のディレクトリからの相対パス名でデバイスのパス名を指定するか、ボリューム管理システムによってエクスポートされるニックネームを指定します。詳細は、vold(1M) を参照してください。
フロッピーディスクのデバイスとしては、 /dev/rdiskette0 (ボリューム管理なしのシステム) または floppy0 (ボリューム管理ありのシステム) を使用することができます。第 1 ドライブを使用するには /dev/rdiskette1 (ボリューム管理なしのシステム) を、第 2 ドライブを使用するには floppy1 (ボリューム管理なしのシステム) を指定します。
ボリューム管理が動作していないシステムでは、/dev/rdsk/c?t?d?s? のような絶対パス名で、または現在のディレクトリからの相対パス名で、デバイスを指定することができます。
フロッピーディスクドライブ 0 に入っている媒体に対するブロック型デバイスアクセスを提供するディレクトリ。
フロッピーディスクドライブ 0 に入っている媒体に対する文字型デバイスアクセスを提供するディレクトリ。
別名を使用するボリューム管理によって制御されている異なる媒体に対して、文字型デバイスへのシンボリックリンクを提供するディレクトリ。
フロッピーディスクドライブ 0 に入っている媒体に対する文字型デバイスへのシンボリックリンク。
Zip ドライブ 0 に入っている媒体に対する文字型デバイスへのシンボリックリンク。
Jaz ドライブ 0 に入っている媒体に対する文字型デバイスへのシンボリックリンク。
一次フロッピーディスクドライブ (通常はドライブ 0) に入っている媒体に対する文字型デバイスアクセスを提供するシンボリックリンク。
PCMCIA メモリーカードや取り外し可能な媒体のデバイスに対するブロック型デバイスアクセスを提供するディレクトリ。
PCMCIA メモリーカードや取り外し可能な媒体のデバイスに対する文字型デバイスアクセスを提供するディレクトリ。
ソケット S 中の PCMCIA メモリーカードに対する文字型デバイスへのシンボリックリンク。S は、PCMCIA ソケット番号を表しています。
PCMCIA メモリーカードやその他の取り外し可能な媒体のデバイスに対する文字型デバイスアクセスを提供するディレクトリ。
PCMCIA メモリーカードやその他の取り外し可能な媒体のデバイスに対するブロック型デバイスアクセスを提供するディレクトリ。
次の属性については attributes(5) のマニュアルページを参照してください。
属性タイプ | 属性値 |
使用条件 | SUNWcsu |
cpio(1), eject(1), tar(1), volcancel(1), volcheck(1), volmissing(1), volrmmount(1), fdformat(1), format(1M), mkfs_pcfs(1M), mount(1M), newfs(1M), prtvtoc(1M), rmmount(1M), vold(1M), rmmount.conf(4), vold.conf(4), attributes(5),
SPARC ベースのシステム上で (newfs(1M) を使用して) 作成された UFS ファイルシステムが含まれている再書き込み可能な媒体または PCMCIA メモリーカードと、x86 ベースのシステム上で作成された UFS ファイルシステムが含まれている再書き込み可能な媒体または PCMCIA メモリーカードとは、同じではありません。SPARC ベースのシステムと x86 ベースのシステムとの間で UFS フロッピーディスクやメモリーカードを交換しないでください。SPARC ベースのシステムと x86 ベースのシステムとの間で、フロッピーディスクまたはメモリーカード中のファイルを転送するには、cpio(1) または tar(1) を使用してください。相互に交換することが可能なファイルシステムについては、pcfs(7FS) および udfs(7FS) のマニュアルページを参照してください。
現在のところ、フロッピーディスクまたは PCMCIA メモリーカード上の不良セクターの場所を検出する機能は、サポートされていません。このため、rmformat を実行して bad sector というエラーが発生した場合、フロッピーディスクまたはメモリーカードを使用できません。
名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | ファイル | 属性 | 関連項目 | 注意事項 | 使用上の留意点