glm(7D)

名前 | 形式 | 機能説明 | 使用例 | ファイル | 属性 | 関連項目 | 診断 | 注意事項

名前

glm- GLM SCSI ホストバスアダプタドライバ

形式

scsi@unit-address 

機能説明

glm ホストバスアダプタドライバは、Symbios 53c875 SCSI チップに対応した SCSA 準拠のネクサスドライバです。

glm ドライバは、SCSA インタフェースが提供する標準機能に対応しています。ドライバは、タグ付きおよびタグなしの待ち行列化、Fast/Wide SCSI、自動要求検知に対応しています。ただし、リンクされたコマンドには対応していません。

ドライバの設定

glm ドライバは、広域的な SCSI 設定に優先する属性を glm.conf に定義することによって設定することができます。glm で使用・変更することができる属性は、scsi-options、target<n>-scsi-options、scsi-reset-delay、scsi-watchdog-tick、scsi-tag-age-limit、scsi-initiator-id です。

target<n>-scsi-options は target<n> の scsi-options 属性に優先します。<n> には、10 進数の 0 〜 15 の値を指定することができます。使用することができる scsi オプションは、SCSI_OPTIONS_DR、SCSI_OPTIONS_SYNC、SCSI_OPTIONS_TAG、SCSI_OPTIONS_FAST、SCSI_OPTIONS_WIDE、SCSI_OPTIONS_FAST20 です。

周期的な時間間隔である scsi-watchdog-tick が経過する度に、glm ドライバは、現在実行中および切り離されたすべてのコマンドを調べ、時間切れかどうかを確認します。

scsi-tag-age-limit は、glm ドライバがすべてのタグ ID を一巡して調べた後に、現在使用されている特定のタグ ID の割り当てを試みる回数です。同一のタグ ID が scsi-tag-age-limit の回数だけ使用されると、すべての未処理のコマンドが完了するか、時間切れになるまで、このターゲットにコマンドは発行されません。

詳細については、scsi_hba_attach(9F) を参照してください。

使用例

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例 1 glm 設定ファイルの使用




ファイル /kernel/drv/glm.conf を作成して、以下の行を追加してください。

scsi-options=0x78;

これは、すべての glm インスタンスに対して、タグ付き待ち行列化、 Fast SCSI、Fast/Ultra SCSI、Wide モードを無効にします。

以下の例は、1 つの特定の glm のオプションを無効にします。 詳細については、driver.conf(4) と pci(4) を参照してください。

name="glm" parent="/pci@1f,4000"
	unit-address="3"
	target1-scsi-options=0x58
	scsi-options=0x178 scsi-initiator-id=6;

OBP のデフォルトのイニシエータ ID は 7 ですが、接続時に 6 に変更されます。OBP のイニシエータ ID を変更してください。

上記の例では、ターゲット 1 の scsi-options を 0x58 に設定し、 この SCSI バス上にある他のすべてのターゲットは 0x178 に設定しています。

親の物理パス名は、/devices ツリーを使用するか、論理デバイス名のリンクをたどることによって判定することができます。

# ls -l /dev/rdsk/c0t0d0s0
lrwxrwxrwx  1 root   root      45 May 16 10:08 /dev/rdsk/c0t0d0s0 ->
	. . / . . devices/pci@1f,4000/scsi@3/sd@0,0:a,raw

この場合、上記の例と同じように、親は /pci@1f,4000 で、 unit-address は、scsi@3 ノードに結合されている番号です。

scsi-options をターゲットごとに設定するには、以下のように入力します。

target1-scsi-options=0x78;
device-type-scsi-options-list =
	"SEAGATE ST32550W", "seagate-scsi-options" ;
seagate-scsi-options = 0x58;
scsi-options=0x3f8;

この例は、ターゲット 1 の scsi-options を 0x78 に設定し、 ある特定の種類のディスクの scsi-options を 0x58 に設定し、このSCSI バス上にある他のすべてのターゲットの scsi-options を0x3f8 に設定します。

ターゲット ID ごとに指定された scsi-options は、最も優先順位が高くなります。その次に優先順位が高いのは、デバイスの種類ごとに指定された scsi-options です。バスごとに指定される広域的な scsi-options (すべてのインスタンスに影響します) は、最も優先順位が低くなります。

指定された scsi-options が有効になるには、システムを再起動する必要があります。

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ドライバの機能

ターゲットドライバがドライバの機能を有効にするには、glm ドライバの機能を設定する必要があります。ターゲットドライバは、これらの機能の照会および変更ができます。照会および変更ができる機能には、 synchronous、 tagged-qing、 wide-xfer、 auto-rqsense、qfull-retries、qfull-retry-interval があります。 他のすべての機能は、照会のみ行うことができます。

デフォルトでは、tagged-qing、auto-rqsense、wide-xfer 機能は無効で、disconnect、synchronous、untagged-qing 機能は有効です。これらの機能には、2 進数の値 (0 または 1) のみを設定することができます。qfull-retries のデフォルト値は 10 で、qfull-retry-interval のデフォルト値は 100 です。qfull-retries 機能は、 u_char型 (0 〜 255) で、qfull-retry-interval は、u_short 型 (0 〜 65535) です。

ターゲットドライバは、tagged-qing および wide-xfer を明示的に有効にする必要があります。untagged-qing 機能は常に有効で、その値を変更することはできません。

scsi-options の値と機能が矛盾している場合は、scsi-options に設定されている値が常に優先されます。scsi_ifsetcap(9F) 呼び出しでは、whom != 0 のみを使用することができます。

詳細については、scsi_ifsetcap(9F) および scsi_ifgetcap(9F)を参照してください。

ファイル

/kernel/drv/glm

ELF ELF カーネルモジュール

/kernel/drv/glm.conf

省略可能な設定ファイル

属性

以下の属性については、attributes(5) を参照してください。

属性の種類	属性の値
Architecture	Symbios 53c875 SCSI 入出力プロセッサを持つPCI ベースのシステムに限定

関連項目

prtconf(1M), driver.conf(4), pci(4), attributes(5), scsi_abort(9F), scsi_hba_attach(9F), scsi_ifgetcap(9F), scsi_ifsetcap(9F), scsi_reset(9F), scsi_sync_pkt(9F), scsi_transport(9F), scsi_device(9S), scsi_extended_sense(9S), scsi_inquiry(9S), scsi_pkt(9S)

Writing Device Drivers

『ANSI Small Computer System Interface-2 (SCSI-2)』

『SYM53c875 PCI-SCSI I/O Processor With Fast-20』 (Symbios Logic 社刊)

診断

以下で説明するメッセージは、コンソールに表されると同時にログファイルに記録されます。

Device is using a hilevel intr

glm ドライバが使用することができない割り込みレベルで デバ イ ス が設定されています。PCI デバイスを調べてください。

map setup failed

ドライバがデバイスレジスタを割り当てることができません。 問題のあるハードウェアを調べてください。ドライバがデバイスに接続することができないために、SCSI デバイスにアクセスすることができません。

glm_script_alloc failed

ドライバが SCSI プロセッサの SCRIPTS を読み込むことができ ません。問題のあるハードウェアを調べてください。ドライバがデバイスに接続することができないために、SCSI デバイスにアクセスすることができません。

cannot map configuration space.

ドライバが設定レジスタを割り当てることができません。 問題のあるハードウェアを調べてください。ドライバがデバイスに接続することができないために、SCSI デバイスにアクセスすることができません。

attach failed

ドライバが接続することができません。通常、接続が失敗した理由を示す警告が出力されます。これらは、ハードウェア障害とみなすことができます。

SCSI bus DATA IN phase parity error

ドライバが、SCSI バスでパリティーエラーを検出しました。

SCSI bus MESSAGE IN phase parity error

ドライバが、SCSI バスでパリティーエラーを検出しました。

SCSI bus STATUS phase parity error

ドライバが、SCSI バスでパリティーエラーを検出しました。

Unexpected bus free

通知なしに、ターゲットがバスから切り離されれました。 問題のあるハードウェアを調べてください。

Disconnected command timeout for Target <id>.<lun>

ターゲット id/lun が切り離されている間に時間切れが起こりました。これは、通常、ターミナルのファームウェアの問題です。タグ付き待ち行列化を行うターゲットについて は、時間切れが検出された際に <n> コマンドが未処理になります。

Disconnected tagged cmds (<n>) timeout for Target <id>.<lun>

ターゲットまたは、lun が切り離されている間に時間切れが発生しました。これは、通常、ターゲットのファームウェアの問題によるものです。タグ付きの待ち行列化のターゲットでは、<n> コマンドは時間切れが検出された時点でまだ処理が終了していませんでした。

Connected command timeout for Target <id>.<lun>

これは、通常、SCSI バスの問題です。ケーブルと終端を調べてください。

Target <id> reducing sync. transfer rate

データ転送の停滞または DATA-IN フェーズパリティーエラーが検出されました。ドライバは、データの転送レートを下げることによって、この問題の解決を試みます。

Target <id> reverting to async. mode

このターゲットの 2 つ目のデータ転送の停滞が検出されました。ドライバは、データの転送レートを下げることによって、この問題の解決を試みます。

Target <id> disabled wide SCSI mode

このターゲットの 2 つ目のデータフェーズの停滞が検出されました。ドライバは、Wide SCSI モードを無効にすることによって、この問題の解決を試みます。

auto request sense failed

自動要求パケットの開始が失敗しました。別の自動要求パケットがすでに転送されている可能性があります。

invalid reselection (<id>.<lun>)

再選択が失敗しました。ターゲットは、abort または resetを 受け付けましたが、再接続を試みます。問題のあるハードウェアを調べてください。

invalid intcode

SCRIPTS プロセッサが無効の SCRIPTS 割り込みを生成しました。問題のあるハードウェアを調べてください。

注意事項

glm ハードウェア (53C875) は、Fast/Wide SCSI モードに対応 しています。最大 SCSI 帯域幅は、40 MB/秒です。

glm ドライバは、ネゴシエートされた転送速度 (target<n>-sync-speed)、 Wide バスに対応しているかどうか (target<n>-wide)、特定のターゲットの scsi-options (target<n>-scsi-options)、タグ付き待ち行列化が有効であるかどうか (target<n>-TQ) をターゲットごとに示す属性をエクスポートします。sync-speed の属性値は、 KB/ 秒単位のデータ転送速度です。target<n>-TQ およびtarget<n>-wide 属性は、ターゲットに対して対応する機能が有効であれば 1 を、無効であれば 0 の値を取ります。glm の属性を表示する場合は、prtconf(1M) (表示オプション) を参照してください。

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scsi, instance #0
    Driver properties:
        name <target6-TQ> length <4>
            value <0x00000000>.
        name <target6-wide> length <4>
            value <0x00000000>.
        name <target6-sync-speed> length <4>
            value <0x00002710>.
        name <target1-TQ> length <4>
            value <0x00000001>.
        name <target1-wide> length <4>
            value <0x00000000>.
        name <target1-sync-speed> length <4>
            value <0x00002710>.
        name <target0-TQ> length <4>
            value <0x00000001>.
        name <target0-wide> length <4>
            value <0x00000001>.
        name <target0-sync-speed> length <4>
            value <0x00009c40>.
        name <scsi-options> length <4>
            value <0x000007f8>.
        name <scsi-watchdog-tick> length <4>
            value <0x0000000a>.
        name <scsi-tag-age-limit> length <4>
            value <0x00000002>.
        name <scsi-reset-delay> length <4>
            value <0x00000bb8>.
        name <latency-timer> length <4>
            value <0x00000088>.
        name <cache-line-size> length <4>
            value <0x00000010>.

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SunOS 5.8  最終更新日 1998年1月8日

名前 | 形式 | 機能説明 | 使用例 | ファイル | 属性 | 関連項目 | 診断 | 注意事項