名前 | 形式 | 機能説明 | 属性 | 関連項目 | 注意事項 | 使用上の留意点
/platform/'uname -m'/kernel/misc/cpr
cpr は、システム全体を保存停止したり復元再開したりするための読み込み可能なモジュールです。電力の節約や移動の目的で一時的に電源を切断するために、システムの保存停止が必要になる場合があります。ハードウェアの再構成や交換を行う場合は、cpr モジュールを使用せずに通常の停止を行なってください。復元再開操作が成功するには、ハードウェア構成が同じままであることが重要です。システムが保存停止されるときに、システム全体の状態は、復元再開が実行されるまで不揮発性の記憶装置に保存されます。
保存停止 - 復元再開機能の構成には、dtpower(1M) または power.conf(4) を使用します。
保存停止と復元再開の処理速度は、システムの処理速度、メモリーの容量、負荷によって、15 秒から数分の範囲になります。
復元再開操作の間、すべてのプロセスに SIGTHAW
信号が送られます。これによって、保存停止 - 復元再開操作に応答して、各プロセスが特別な処理を行えるようになります。通常は、保存停止 - 復元再開のためにアプリケーションが特別な処理を行う必要はありませんが、特殊なプロセスの中には、SIGTHAW
を使用して保存停止の前の状態を復元するものもあります。たとえば、X は SIGTHAW
に応答して画面をリフレッシュすることがあります。
場合によっては、cpr モジュールが保存停止操作を実行できないことがあります。たとえばシステムに、出荷時の標準構成以外の追加装置がある場合、これらの追加装置のデバイスドライバが保存停止 - 復元再開操作をサポートしていない可能性があります。この場合は、保存停止が失敗し、エラーメッセージが出力されます。保存停止が成功するようにするには、装置を取り除くか、またはそのデバイスドライバを読み込み解除する必要があります。装置の製造元に連絡し、保存停止 - 復元再開をサポートするバージョンのデバイスドライバを取得してください。
保存停止は、装置またはプロセスが、リアルタイム処理のような、余裕のない、または時間に関係する処理を行っている場合も失敗します。この場合は、システムは現在の実行状態のままとなります。失敗を通知するメッセージがコンソールに表示され、状態は呼び出し側に返されます。いったんシステムが正常に保存停止されると、ハードウェアの再構成など外部からの影響がないかぎり、復元再開操作は必ず成功します。
一部のネットワークベースのアプリケーションは、保存停止・復元再開処理の際に失敗する場合があります。この問題は、主に背後のネットワークプロトコルと関係するアプリケーションに依存します。一般的に、再試行して自動的に接続を確立するアプリケーションは、復元再開の際に何事もなかったかのように動作を継続します。再試行して自動的に接続を確立しないアプリケーションは、多くの場合失敗します。
以下の属性については、attributes(5) を参照してください。
属性タイプ | 属性値 |
---|---|
使用条件 | SUNWcpr |
インタフェースの安定性 | 不安定 |
dtpower(1M), pmconfig(1M), uadmin(1M), uadmin(2), power.conf(4), attributes(5)
『電源管理システムユーザーマニュアル』
テープ、フロッピーディスクのような特定の装置操作は、取り外し可能な媒体であるために復元再開できません。これらの動作は、保存停止のときに検出して、保存停止が完全に正常終了する前に停止する必要があります。
保存停止 - 復元再開は、現時点では、限られたハードウェアプラットフォームでのみサポートされています。 システムの電源管理をサポートするプラットフォームの一覧については、『電源管理システムユーザーマニュアル』を参照してください。マシンが保存停止 - 復元再開をサポートするかどうかをプログラム的に判別するには、uname(2) を参照してください。