Communications Server でメッセージセキュリティー設定の主要責任者として期待されるのは、「システム管理者」ロールと「アプリケーション配備担当者」ロールです。場合によっては、「アプリケーション開発者」もその責任の一端を担うことがありますが、通常は、システム管理者またはアプリケーション配備者のいずれかのロールが既存アプリケーションをセキュリティー保護し、開発者が関与することも、実装が変更されることもありません。次の各節では、各種ロールの責任を定義します。
システム管理者は次の責任を負います。
Communications Server 上のメッセージセキュリティープロバイダの設定。
ユーザーデータベースの管理。
キーストアおよびトラストストアファイルの管理。
暗号化を使用し、バージョン 1.5.0 より前のバージョンの Java SDK を実行している場合の JCE (Java Cryptography Extension) プロバイダの設定。
サンプルサーバーのインストール。ただし、これを行うのは、xms サンプルアプリケーションを使ってメッセージレイヤー Web サービスセキュリティーの使用方法を示す場合だけです。
システム管理者は、管理コンソールを使用してサーバーセキュリティーの設定を管理し、コマンド行ツールを使用して証明書データベースを管理します。開発者プロファイルとクラスタプロファイルでは、証明書と非公開鍵はキーストア内に格納され、keytool を使って管理されます。一方、エンタープライズプロファイルでは、証明書と非公開鍵は NSS データベース内に格納され、certutil を使って管理されます。このドキュメントは主にシステム管理者を対象にしています。メッセージセキュリティータスクの概要については、「メッセージセキュリティーのための Communications Server の設定」を参照してください。
アプリケーション配備担当者は次の責任を負います。
必要なすべてのアプリケーション固有メッセージ保護ポリシーをアプリケーションアセンブリ時に指定 (それらのポリシーが上流行程の役割 (開発者またはプログラマ) によって指定されていなかった場合)。
Sun 固有の配備記述子を変更し、アプリケーション固有メッセージ保護ポリシー情報 (message-security-binding 要素) を Web サービスエンドポイントとサービス参照に指定。
アプリケーション開発者はメッセージセキュリティーを有効にできますが、そのようにする責任はありません。メッセージセキュリティーの設定をシステム管理者が行う場合、すべての Web サービスがセキュリティー保護されます。コンテナにバインドされているプロバイダまたは保護ポリシーと異なるものをアプリケーションにバインドする必要がある場合、アプリケーション配備担当者がメッセージセキュリティーの設定を行います。
アプリケーション開発者またはプログラマは次の責任を負います。
アプリケーション固有メッセージ保護ポリシーがアプリケーションで必要かどうかの判断。必要な場合、その必要なポリシーがアプリケーションアセンブリで指定されているかどうかの確認。それにはアプリケーション配備担当者に連絡します。