Sun GlassFish Communications Server 2.0 管理ガイド

サーバーインスタンス

サーバーインスタンスは、単一のノードの Communications Server 上で稼動する単一の Java EE 互換 Java 仮想マシン (JVM) です。ドメインの各サーバーインスタンスは一意の名前を持ちます。クラスタ化されたサーバーインスタンスはクラスタのメンバーであり、親クラスタからすべてのアプリケーション、リソース、および設定を受け取るため、クラスタのすべてのインスタンスは均一になります。クラスタ化されていないサーバーインスタンスはクラスタに属さないため、アプリケーション、リソース、および設定で独立したセットを使用します。次の図は、アプリケーションサーバーインスタンスの詳細を示しています。アプリケーションサーバーインスタンスは、Communications Server のクラスタリング、ロードバランス、セッションの持続性といった各機能の基本を構成するものです。

図 1–1 Communications Server インスタンス

図は、サーバーインスタンスの機能と、サーバーインスタンスがさまざまなクライアント、データベース、およびその他のサーバーやシステムと通信する様子を示している。

Sun GlassFish Communications Server は、インストール時に server という名前のアプリケーションサーバーインスタンスを作成します。多くのユーザーは、1 つのアプリケーションサーバーインスタンスがあれば、要件は満たされるでしょう。ただし、環境によっては、1 つ以上の追加のアプリケーションサーバーインスタンスを作成する場合があります。たとえば、開発環境で、異なるアプリケーションサーバーインスタンスがあれば、異なる Communications Server 設定でテストしたり、異なるアプリケーション配備を比較およびテストしたりすることができます。アプリケーションサーバーインスタンスは簡単に追加または削除できるため、これらを使用して、一時的にサンドボックス領域を作成して試用することができます。

さらに、各アプリケーションサーバーインスタンスに対して、仮想サーバーを作成することもできます。単一のインストールされているアプリケーションサーバーインスタンス内で、企業または個人のドメイン名、IP アドレス、いくつかの管理機能を提供できます。ユーザーにとっては、ハードウェアを持つことも、サーバーの基本的な保守を行うこともなく、自分の Web サーバーを所有しているのとほぼ同じです。このような仮想サーバーは、複数のアプリケーションサーバーインスタンスにまたがりません。仮想サーバーの詳細は、第 13 章HTTP サービスの設定を参照してください。

運用上において、複数のアプリケーションサーバーインスタンスの代わりに仮想サーバーをさまざまな用途に応じて使用できます。ただし、仮想サーバーがニーズを満たさない場合、複数のアプリケーションサーバーインスタンスを使用することも可能です。アプリケーションサーバーインスタンスを停止すると、そのアプリケーションサーバーインスタンスは新しい接続を受け付けなくなり、未完了の接続がすべて完了するまで待機します。マシンがクラッシュしたり、オフラインになったりすると、サーバーは終了し、処理中の要求が失われる可能性があります。

Communications Server のポート

次の表に、 Communications Server のポートリスナーを示します。

表 1–2 ポートを使用する Communications Server リスナー

リスナー  

デフォルトのポート番号  

説明  

管理サーバー 

4848 

 

ドメイン管理サーバーには、管理コンソールと asadmin ユーティリティーを使ってアクセスします。管理コンソールには、ブラウザの URL にポート番号を指定します。リモートから asadmin コマンドを実行する場合は、--port オプションを使用してポート番号を指定します。

HTTP 

8080 

サーバーはポート上で HTTP 要求を待機します。配備された Web アプリケーションとサービスにアクセスするために、クライアントはこのポートに接続します。 

HTTPS 

8181 

セキュリティー保護された通信用に設定された Web アプリケーションは、個別のポートで待機します。 

IIOP 

3700 

EJB コンポーネントであるエンタープライズ Beans のリモートクライアントは IIOP リスナー経由で Beans にアクセスします。 

IIOP_SSL 

3820  

セキュリティー保護された通信用に設定された IIOP リスナーは、ほかのポートを使用します。 

IIOP_MUTUALAUTH 

3920  

相互 (クライアントおよびサーバー) 認証用に設定された IIOP リスナーは、もう一方のポートを使用します。 

SIP 

5060 

サーバーはポート上で SIP 要求を待機します。 

SIPS 

5061 

セキュリティー保護された通信用に設定された SIP および融合アプリケーションは、個別のポートで待機します。 

JMX_ADMIN 

8686 

 

JMS 

7676