sdtcm_convert を使用すると、カレンダのデータ形式の変換、カレンダの整理、またはデータ保全性の検査を実行できます。このツールは、バージョン 3 (OpenWindows) のカレンダ・データ形式とバージョン 4 (拡張カレンダ・データ形式) との間の変換に使用できます。
Solaris 2.6 へアップグレードすると、sdtcm_convert は自動的に起動されます。
sdtcm_convert は、スーパーユーザまたはカレンダの所有者が実行する必要があります。スーパーユーザは、sdtcm_convert を任意のカレンダで実行できます。通常のユーザは、そのユーザが所有するカレンダでしか sdtcm_convert を実行できません。sdtcm_convert は、ローカル・ホスト上にあるカレンダでしか使用できないので注意してください。
バージョン 3 のデータ形式は、固定されていて制限があります。カレンダ API のサポートする新しい機能を利用するには、バージョン 3 のカレンダをバージョン 4 のデータ形式に変換する必要があります。
OpenWindows のカレンダ・マネージャは、バージョン 4 のデータ形式をサポートしていません。OpenWindows のカレンダ・マネージャに切り替える必要があるときに、バージョン 4 のカレンダがある場合は、バージョン 3 データ形式にカレンダを変換してから、サーバを切り替えてください。ただし、バージョン 3 データ形式でサポートされていないデータ (たとえば、アクセス・リストを除くすべてのカレンダ属性、作成日や最新更新日などのエントリ属性など) が失われますので注意してください。
sdtcm_convert には、次のオプションがあります。
-v オプションは、出力データのバージョンを指定するために使用します。
有効な値は 3 (OpenWindows カレンダ・データ形式) と 4 (拡張データ形式) です。このオプションを指定しないと、出力データのバージョンは、指定のカレンダのバージョンと同じになり、データは変換されません。
カレンダのデータ・バージョンは、ヘルプ・メニューからアクセスできるカレンダの [カレンダについて] ダイアログ・ボックスに表示されます。
-s オプションは、カレンダを整理する日付を指定するために使用します。
指定の日付より前に始まるアポイントを削除します。開始日、または指定の日付以降の 1 回のアポイントは含まれます。繰り返しのアポイントは、シーケンス内の最初のアポイントが指定の日付以降に起こり、指定の日付より前に終了するシーケンスは削除するという方法で切り捨てられます。このオプションを指定しないと、アポイントは削除されません。
-c オプションは、文字セット属性の値を指定するために使用します。
値は有効な Sun 固有のロケール名でなければなりません (たとえば、C または de)。ロケール名に相当する CDE プラットフォームに依存しない名前は、カレンダに保存されます。このオプションを指定しないと、プロセスに対応する現在のロケールの CDE プラットフォームに依存しない名前が使用されます。このオプションは、バージョン 3 のデータをバージョン 4 のデータに変換するときに使用されます。それ以外の場合は、無視されます。
-d オプションは、calorig.calendar ファイルに保存される元のカレンダ・ファイルを保存するディレクトリを指定するために使用します。
このオプションを指定しないと、バックアップ・ファイルは、/var/spool/calendar ディレクトリに入れられます。
使用法の詳細と使用例については、sdtcm_convert(1) のマニュアル・ページを参照してください。
カレンダ user1 をバージョン 4 のデータ形式に変換して、カレンダを整理します。
% sdtcm_convert -v 4 -s 1/1/94 user1
カレンダ user1 の保全性を検査します。
% sdtcm_convert user1
オプションを指定しないと、sdtcm_convert は、カレンダ・ファイルのデータの保全性を検査します。