本書は、米国 SunSoftTM,Inc. NFSTM 分散ファイルシステムを正しく運用するために必要な管理作業について説明します。このファイルシステム共有製品を使用することにより、ファイルとディレクトリをネットワーク上の多数のコンピュータ間で共有することができます。
またこのマニュアルでは、autofs (以前はオートマウンタと呼んでいました) を設定することにより、NFS ファイルシステムを自動的にマウントしたり、アンマウントする方法についても説明します。
このマニュアルは、背景知識の説明と作業ごとの手順説明で構成されています。
このマニュアルは、NFS システムの設定や管理を担当するシステム管理者を対象としています。このマニュアルの大半は経験を積んだシステム管理者を対象に書かれていますが、SolarisTM プラットフォームをはじめて扱うシステム管理者や、そのほかのユーザに役立つ情報も収録しています。
第 1 章「Solaris NFS の環境」 では、Solaris NFS の環境と autofs の概要を説明します。
第 2 章「NFS サーバの設定」 では、NFS サーバの設定方法を説明します。読者はネームサービスとして NIS または NIS+ を使用しているものと仮定します。
第 3 章「NFS リファレンス」 では、NFS サービスのセキュリティ機能と、NFS セキュリティの設定と保守に関する基本手順について説明します。
第 4 章「autofs の管理」 では、NFS サービスを使用しているマシンで発生する問題について説明します。具体的には、NFS で発生する問題の追跡方法を説明します。また、基本的なことを説明する節と参照用の節があります。
第 5 章「autofs について」 では、autofs の設定と使用方法について説明します。基本的な説明、参照情報、および障害追跡の節があります。
付録 A 「NFS の調整機能」 では、NFS サービスの調整に使用する、いくつかのパラメータについて説明します。変更方法についても説明します。
このマニュアルで参照している関連マニュアルのリストを示します。
SunDocsTM プログラムでは、米国 Sun Microsystems, Inc. の 250 冊以上のマニュアルを扱っています。このプログラムを利用して、マニュアルのセットまたは個々のマニュアルをご注文いただけます。
マニュアルのリストと注文方法については、米国 SunExpressTM, Inc. のインターネットホームページ http://www.sun.com/sunexpress にあるカタログセクションを参照してください。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P-1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、およびディレクトリ名を示します。または、画面上のコンピュータ出力を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力とは区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章や節を示します。また、ボタンやメニューなど、強調する単語を囲む場合にも使用します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 |
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の場合、filename は省略してもよいことを示します。
ただし AnswerBook2 では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: 「Shift」キーを押す)。ただし、キーボードによっては「Enter」キーが「Return」キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、「Ctrl-D」は「Control」キーを押したまま「D」キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が適宜、併記されています。