NFS の管理

share オプション

-o フラグに指定できるオプションの一部を示します。

rw|ro

pathname に指定したファイルシステムを、読み出しと書き込みの両方が可能な状態で共有するか、読み出し専用で共有するかを指定します。

rw=accesslist

ファイルシステムは、リスト上のクライアントに対してだけ読み書き可能で共有されます。それ以外の要求は拒否されます。accesslist に定義されるクライアントのリストは、Solaris 2.6 で拡張されています。詳細については、share コマンドを使ってアクセスリストを設定する」 を参照してください。このオプションは -ro オプションよりも優先されます。

NFSファイルシステムで指定できるオプションは、以下のとおりです。

aclok

このオプションを指定すると、NFS バージョン 2 プロトコルをサポートしている NFS サーバが NFS バージョン 2 クライアントのアクセス制御を行うように設定できます。このオプションを指定しないと、すべてのクライアントは最低限のアクセスしかできません。指定すると、最大限のアクセスができるようになります。たとえば -aclok オプションを指定して共有したファイルシステムでは、1 人のユーザが読み取り権を持っていれば全員が読み取りを許可されます。このオプションを指定しないと、アクセス権を持つべきクライアントからのアクセスが拒否される可能性があります。アクセス権の与えすぎと制限しすぎのどちらを選ぶかは、現在のセキュリティシステムによって決定します。アクセス制御リスト (ACL) について詳細は、『Solaris のシステム管理』を参照してください。


注 -

ACL を活用するためには、クライアントでもサーバでも NFS バージョン 3 と NFS_ACL プロトコルをサポートしているソフトウェアを実行します。NFS バージョン 3 プロトコルしかサポートしていないソフトウェアの場合、クライアントは正しいアクセス権を取得できますが、ACL を操作することはできません。NFS_ACL プロトコルをサポートしていれば、正しいアクセス権を取得した上で ACL の操作も可能です。この両方をサポートしているのは、Solaris 2.5 以降です。


anon=uid

uid は、認証されていないユーザのユーザ ID を選択するために使用します。uid-1 に設定すると、認証されていないユーザからのアクセスは拒否されます。anon=0 とするとルートアクセス権を与えることができますが、これは認証されていないユーザにルートアクセス権を与えることになるため、代わりに root オプションを使ってください。

index=filename

-index=filename オプションを使うと、ユーザが NFS URL にアクセスするとディレクトリのリストが表示されるのではなく、HTML (HyperText Markup Language) ファイルが強制的に読み込まれます。これは、HTTP URL がアクセスしているディレクトリに index.html ファイルが見つかるとブラウザのような動作をするというものです。このオプションを設定することは、httpd に対して DirectoryIndex オプションを指定するのと同じ意味があります。たとえば、dfstab ファイルのエントリが次のとおりであるとします。


share -F nfs -o ro,public,index=index.html /export/web

このとき、以下の URL によって表示される情報はすべて同じです。


nfs://<server>/<dir>
nfs://<server>/<dir>/index.html
nfs://<server>//export/web/<dir>
nfs://<server>//export/web/<dir>/index.html
http://<server>/<dir>
http://<server>/<dir>/index.html
nosuid

このオプションを使うと、setuid モードまたは setgid モードを有効にしようとしても無視されます。NFS クライアントは、setuidsetgid のビットがオンの状態ではファイルを作成できません。

public

-public オプションは、WebNFS ブラウズのために追加されました。このオプションで共有できるのは、1 台のサーバにつき 1 つのファイルシステムだけです。

root=accesslist

サーバが、リスト上のホストに対してルートアクセス権を与えます。デフォルトでは、サーバはどのリモートホストにもルートアクセス権は与えません。選択されているセキュリティモードが -sec=sys 以外だと、accesslist に指定できるホストはクライアントだけです。accesslist に定義されたクライアントのリストは、Solaris 2.6 で拡張されました。詳細については、share コマンドを使ってアクセスリストを設定する」 を参照してください。


注意 - 注意 -

他のホストにルートアクセス権を与えるには、広い範囲でセキュリティが保証されていることが前提です。root= option は十分慎重に使用してください。


sec=mode[:mode]

mode は、ファイルシステムへのアクセス権を取得するために必要なセキュリティモードです。デフォルトのセキュリティモードは、UNIX の認証です。モードは複数指定できますが、コマンド行に指定するときは 1 行につき 1 つのセキュリティモードだけにしてください。-mode の各オプションは、次に -mode が出現するまでその後の -rw-ro-rw=-ro=-root=-window= オプションに適用されます。-sec=none とすると、すべてのユーザがユーザ nobody にマップされます。

window=value

value は、NFS サーバで資格が有効な時間の上限です。デフォルトは 30000 秒 (8.3 時間) です。