直接マップは自動マウントポイントです。つまり、直接マップによって、クライアント上のマウントポイントとサーバ上のディレクトリが直接対応付けられます。直接マップには完全なパス名があり、明示的に関係を示します。 以下に一般的な /etc/auto_direct マップを示します。
/usr/local -ro ¥ /bin ivy:/export/local/sun4 ¥ /share ivy:/export/local/share ¥ /src ivy:/export/local/src /usr/man -ro oak:/usr/man ¥ rose:/usr/man ¥ willow:/usr/man /usr/games -ro peach:/usr/games /usr/spool/news -ro pine:/usr/spool/news ¥ willow:/var/spool/news |
key [ mount-options ] location
key は直接マップでのマウントポイントのパス名です。
mount-options は、このマウントに適用したいオプションです。これらのオプションは、マップのデフォルトと異なる場合だけ必要です。各ファイルシステムの種類ごとのオプションについては、そのファイルシステムのマニュアルページで「mount」を参照してください (たとえば cachefs に固有のマウント操作については、マニュアルページの mount_cachefs(1M) を参照してください)。
location にはファイルシステムの位置を、NFS ファイルシステムならば server:pathname、High Sierra ファイルシステム (HSFS) ならば :devicename という形式で指定します。
pathname には自動マウントしたマウントポイントを含めず、ファイルシステムへの実際の絶対パスである必要があります。たとえば、ホームディレクトリの位置は、server:/home/username ではなく、server:/export/home/username として表示する必要があります。
マスタマップと同様、# で始まる行はコメントです。その行のテキストの最後まですべて無視されます。長い行を短い行に分割するには、行の最後にバックスラッシュを入力します。
すべてのマップの中で、直接マップのエントリが、/etc/vfstab (vfstab にはマウントされるすべてのファイルシステムのリストが含まれる) で対応するエントリと一番単純な形式において最もよく似ています。/etc/vfstab に現れるエントリは次のようになります。
dancer:/usr/local - /usr/local/tmp nfs - yes ro |
直接マップでは次のようになります。
/usr/local/tmp -ro dancer:/usr/local |
オートマウンタマップの間では、オプションの連結はされません。あるオートマウンタマップでオプションが追加されると、それまでに見つかったマップに指定されているオプションはすべて無視され、新しいオプションだけが使われます。たとえば、auto_master マップに指定されているオプションは、他のマップの中の対応するエントリによって上書きされます。
この種類のマップについては、ほかにも重要な機能があります。「autofs がクライアント用の最も近い読み取り専用ファイルを選択する方法 (複数ロケーション)」 を参照してください。
表 5-1 にある /- というマウントポイントは、auto_direct の中のエントリを具体的なマウントポイントに関連付けないように autofs に指示します。間接マップの場合は、auto_master ファイルに定義されたマウントポイントを使います。直接マップの場合は、ここに示されたマップの中で指定されたマウントポイントを使います (直接マップのキーとマウントポイントはフルパス名であることに注意してください)。
NIS または NIS+ の auto_master ファイルには、直接マップのエントリは 1 つしか存在できません。マウントポイントは 1 つの名前空間の中で一意でなければならないためです。auto_master がローカルファイルならば、重複しないかぎり直接マップのエントリがいくつあってもかまいません。