この節で示す 2 つの表には、NIS コマンドと、それに相当する NIS+ コマンドを示してあります。これらのコマンドは、2 つのカテゴリに分けられます。表 4-3 では、ネームサービスクライアントからネームサービスサーバへのコマンドを示しています。 表 4-4 では、ネームサービスサーバからネームサービスサーバへのコマンドを示しています。
表 4-3では、ネームクライアントからネームサーバへのコマンドを示しています。これらのコマンドを、ネームサービスのクライアントマシン上で入力してネームサービスサーバの情報を要求します。表の 1 列目のコマンドは、Solaris 1.x の NIS サーバに接続されている、 Solaris 1.x または 2.x の NIS クライアントで実行されます。表の 2 列目のコマンドは、 NIS 互換モードで実行されている Solaris 2.x の NIS+ サーバに接続されている、 Solaris 1ox または 2.x の NIS クライアント上で実行されます。表の 3 列目のコマンドは、 Solaris 2.x NIS+ サーバに接続されている、Solaris 2.x NIS+ クライアント上でのみ実行されます。1 つの行に示されたコマンドは、ほぼ同じ機能を持ちます。「なし」は、対応するコマンドがないことを示しています。
表 4-3 NIS クライアントコマンドと対応する NIS+ コマンド
SunOS 4.x NIS サーバ |
NIS 互換モードの NIS+ サーバ |
NIS+ サーバ |
---|---|---|
ypwhich -m |
ypwhich -m |
niscat -o org_dir |
ypcat |
ypcat |
niscat |
ypwhich |
ypwhich |
なし |
ypmatch |
ypmatch |
nismatch/nisgrep |
yppasswd |
passwd |
passwd |
ypbind |
ypbind |
なし |
yppoll |
なし |
なし |
ypset |
ypset |
N/A |
なし |
ypinit -c |
nisclient -c |
以下の点に注意してください。
Solaris 2.5 リリースでは、passwd コマンドは NIS または NIS+ の状態に関係なく使用できます。以前 nispasswd および yppasswd コマンドによって実行していた機能は、このリリースでは passwd コマンドに含まれました。
ypinit -c コマンドは、Solaris 2.x NIS クライアント上でのみ使用できます。
ypcat コマンドは、netgroup テーブルに対する照会ではサポートされません。NIS クライアントの要求は、応答が返される前に時間切れになります。これは、このテーブルの形式が、netgroup
NIS マップの形式と大幅に異なるためです。
表 4-4 では、ネームサーバからネームサーバへのコマンドを示しています。 NIS サーバコマンドは、Solaris 2.x リリースに含まれていないため、NIS+ サーバにも NIS 互換モードの NIS+ サーバにも使用できません。また、NIS サーバは、NIS+ サーバに変更を依頼することができません。この逆もできません。このテーブルの 3 番目の列には、最初の列の NIS サーバコマンドに対応する NIS+ サーバコマンドが示されています。NIS 互換モードはクライアントコマンドだけを参照するため、NIS 互換モードのサーバには同じ機能を提供するコマンドはありません。
表 4-4 NIS サーバコマンドと対応する NIS+ コマンド
SunOS 4.x NIS サーバ |
NIS 互換モードの NIS+ サーバ |
NIS+ サーバ |
---|---|---|
ypxfr |
なし |
なし |
makedbm |
なし |
nisaddent |
ypinit -m ypinit -s |
なし |
nisserver |
ypserv |
rpc.nisd -Y |
rpc.nisd |
ypserv -d |
rpc.nisd -Y -B |
DNS 転送は不要、/etc/nsswitch.conf を使用すること |
ypxfrd |
なし |
なし |
rpc.ypupdated |
なし |
なし |
rpc.yppasswd |
rpc.nispasswdd |
rpc.nispasswdd |
yppush |
なし |
nisping |
ypmake |
なし |
nissetup, nisaddent |
ypxfr |
なし |
なし |