単純インタフェースを使用するサーバプログラムは、大変理解しやすいものです。これは単に、呼び出される手続きを登録するため rpc_reg() を呼び出し、次に、RPC ライブラリの遠隔手続きディスパッチャである svc_run() を呼び出して、入ってくる要求を待ちます。
rpc_reg() には次の引数があります。
rpc_reg ( u_long prognum /* サーバプログラム番号r */ u_long versnum /* サーババージョン番号 */ u_long procnum /* サーバ手続き番号 */ char *procname /* 遠隔関数の名前 */ xdrproc_t inproc /* 引数を符号化するフィルタ */ xdrproc_t outproc /* 結果を復号化するフィルタ */ char *nettype /* トランスポートの選択 */ );
svc_run() は RPC 呼び出しメッセージに応えてサービス手続きを起動します。rpc_reg() のディスパッチャは遠隔手続きが登録されたときに指定された XDR フィルタを使用して、遠隔手続きの引数の復号化と、結果の符号化を行います。サーバプログラムについての注意点をいくつか挙げます。
ほとんどの RPC アプリケーションが、関数名の後に _1 を付ける命名規則に従っています。手続き名に _n 番号を付けることにより、サービスのバージョン番号 n を表します。
引数と結果はアドレスで渡されます。遠隔で呼び出される関数はすべてこうなります。関数の結果として NULL を渡すと、クライアントには応答が送信されません。送信する応答がないと仮定されます。
結果は固定のデータ領域に存在します。これは、その値が実際の手続きが終了したあとにアクセスされるからです。RPC 応答メッセージを作成する RPC ライブラリ関数は結果にアクセスして、その値をクライアントに戻します。
引数は 1 つだけ使用できます。データに複数の要素がある場合、構造体の中に入れると、1 つの引数として渡すことができます。
手続きは、指定するタイプのトランスポートごとに登録されます。タイプのパラメタが (char *)NULL
の場合、手続きは NETPATH により指定されるすべてのトランスポートに登録されます。