ベンダーオプションは、DHCP クライアントソフトウェアのベンダーが定義する DHCP オプションです。クライアントは、構成を求める要求を送る際にベンダーのクライアントクラスを組み込みます。dhcptab データベース内にこのクライアントクラスと一致するクライアントクラスがある場合には、そのクラスに対して指定されているオプションとその他の構成オプションがクライアントに送信されます。Solaris 2 DHCP サーバを構成して、任意の DHCP クライアントベンダーのオプションをサポートすることができます。
追加のベンダーオプションまたはサイトオプションを作成するには、以下を定義する必要があります。
ベンダークラス。これは、ベンダーによってクライアントを識別するのに使用する名前です。クラス名は ASCII 文字列です。サイトオプションを定義する場合は指定しません。
値の型。これは、当該オプションに格納されるデータの型を指定します。サポートされているデータ型は以下のとおりです。
ASCII テキスト
オクテット。2 進データの ASCII 表現
IP。インターネットアドレスのドット区切り 10 進表現
数値。8 ビット、16 ビット、32 ビット、または 64 ビットの数
オプションコード。これは、新規オプションに割り当てる DHCP オプション番号です。ベンダーコードは 1 と 254 の間、サイトコードは 128 と 254 の間が可能です。
粒度。これは、当該オプションの単一インスタンスを構成する、当該値型であるオブジェクトの数を指定します。たとえば、静的送信経路シンボルは送信経路のリストですが、各送信経路は 2 つの IP アドレスから構成されるので、値の型は IP と定義し、粒度は 2 と定義します。
長さ。これは、当該オプションにおける最小許容粒度を指定します。たとえば、サブネットマスクは 1 つの IP アドレスだけでもかまわないので、サブネットマスクのオプションの長さは 1 となります。0 という値は、項目の数が可変である (最大 16) ことが許容されることを表します。
サイトオプションはサイトに固有であるため、必要な任意のオプションを作成できますが、ベンダーオプションの場合は、特定のクライアントベンダーに対して必要なオプションだけ作成できます。オプションは定義済みのものもありますが、作成する必要があるものもあります。作成する場合には、特定のベンダーに適用するベンダーオプションのリストをサーバ上に作成することが必要な場合があります。リストの例はクライアントのベンダーが提供します。