TCP/IP とデータ通信

動的ポイントツーポイントリンクを持つダイヤルインサーバ

図 7-2 に示したネットワークのエンドポイントマシンは、動的ポイントツーポイントリンクを持つダイヤルインサーバとして働きます。これをダイヤルインサーバと呼ぶのは、リモートマシンがこのマシンにダイヤルインすることによってネットワークに入ることができるからです。サーバは、あるマシンからダイヤルインの要求を受け取ると、必要時提供の方式でそのマシンに PPP リンクを割り当てます。

ダイヤルインサーバは、動的ポイントツーポイントリンクまたはマルチポイントリンクを介してリモートホストと通信します。マルチポイントリンクについては、「マルチポイント通信リンク」で説明します。動的ポイントツーポイントには、ポイントツーポイント通信と同じ利点があります。つまり、リンク上で RIP を実行でき、ブロードキャストが使用可能になります。最も重要なのは、物理ネットワーク上の複数のマシンが、ダイヤルインサーバとして働くことができるという点です。これはバックアップサーバを構成できることを意味し、したがってサーバの重複が可能となり、管理が容易になります。図 7-2 の各マシンはネットワークエンドポイントとは直接通信できますが、互いに直接通信することはできません。ダイヤルインサーバエンドポイントを仲介として、相互に情報を受け渡しする必要があります。