TCP/IP とデータ通信

初期 /etc/inet/hosts ファイル

Solaris インストールプログラムを実行すると、プログラムは初期 /etc/inet/hosts ファイルを作成します。このファイルには、ローカルホストにとって必要最小限のエントリが入っています。それは、ループバックアドレス、IP アドレス、ホスト名です。

たとえば、図 4-1 に示したマシン ahaggar については、Solaris インストールプログラムは次のような /etc/inet/hosts ファイルを作成します。


例 4-1 マシン ahaggar 用の/etc/inet/hosts ファイル


127.0.0.1     localhost         loghost    #loopback address
192.9.200.3   ahaggar                      #host name

ループバックアドレス

例 4-1 では、IP アドレス 127.0.0.1 はループバックアドレスです。ループバックアドレスはローカルマシンが使用する予約済みネットワークインタフェースで、これによりプロセス間通信が可能になり、ローカルマシンは自分自身にパケットを送ることができます。ifconfig コマンド」で説明するように、ループバックアドレスは、構成とテストのために ifconfig コマンドにより使用されます。TCP/IP ネットワーク上のすべてのマシンは、IP アドレス 127.0.0.1 を、ローカルホスト用に用いなければなりません。

ホスト名

IP アドレス 192.9.200.3 と名前 ahaggar は、ローカルマシンのアドレスとホスト名です。これらは、マシンの一次ネットワークインタフェースに割り当てられます。

複数のネットワークインタフェース

マシンには複数のネットワークインタフェースを持つものがあり、これらはルータまたはマルチホームホストとなります。マシンに接続される増設ネットワークインタフェースごとに、専用の IP アドレスとそれに割り当てる名前が必要です。ルータまたはマルチホームホストを構成するときは、この情報を手作業でルータの /etc/inet/hosts ファイルに追加する必要があります。(ルータとマルチホームホストの設定についての詳細は、第 5 章「ルータの構成」を参照してください)。

例 4-2 は、図 4-1 に示したマシン timbuktu 用の /etc/inet/hosts ファイルです。


例 4-2 マシン timbuktu 用の /etc/inet/hosts ファイル


 127.0.0.1          localhost      loghost
 192.9.200.70       timbuktu       #This is the local host name
 192.9.201.10       timbuktu-201   #Interface to network 192.9.201

timbuktu は、この 2 つのインタフェースを使ってネットワーク 192.9.200 と 192.9.201 を、ルータとして接続します。