この節では、ファイルベースのネーミングと FNS の関係についての特定の情報を説明します。
FNS では、各マシンの /var/fn ディレクトリに格納された新規ファイルが使用されます。通常 /var/fn ディレクトリは各マシンに格納されていますが、NFS 経由で中央の /var/fn ディレクトリをマウントしたり、エクスポートしたりできます。
新規 FNS ファイルを以下に示します。
fns_host.ctx
ホスト属性とサブコンテキストのデータを格納する。これが最初に作成されると、/etc/hosts ファイルから情報が得られる
fns_user.ctx
ユーザー属性とサブコンテキストのデータを格納する。これが最初に作成されると、/etc/passwd ファイルから情報が得られる
fns_org.ctx
fns_host.attr
fns_user.attr
fns_org.attr
ユーザーのサブコンテキストと属性の情報は、各ユーザーが所有する別個の /var/fn ファイルに格納される。これにより、ユーザーは FNS コマンドを使用して、自分のデータを変更できる。これらのユーザー固有のファイルは、fns_user_username.ctx とネーミングされる。ここでの username は、個々のユーザーのログイン ID になる
ホスト、ユーザー、およびエンタープライズのサービスとファイルのコンテキスト情報は、それぞれ fns_host.ctx、fns_user.ctx、および fns_org.ctx のファイルに格納されます。プリンタのコンテキスト情報は、他のサービスのコンテキスト情報と同じファイルに格納されます。
サイトは、エンタープライズのサブコンテキストであり、サイトのコンテキスト情報は fns_org.ctx ファイルに格納されます。
これらの FNS マップは、直接編集しないでください。fncreate 、fndestroy、fnbind、fnunbind、fnrename、fnattr、fnlookup、および fnlist などの適切な FNS コマンドを実行して、これらのファイルで変更または作業を行います。スーパーユーザーとしてこれらのコマンドを実行すると、ホスト、サイト、および組織単位などの、コマンドが適用されるコンテキストが影響されます。ユーザーとしてこれらのコマンドを実行すると、自分のユーザーのサブコンテキストだけが影響されます。
fncopy コマンドは、エンタープライズレベルのネームサービスをファイルから NIS または NIS+ に変更するときに、FNS 関連の側面を処理します。このコマンドは、ファイルベースの FNS コンテキストを NIS または NIS+ ベースのコンテキストにコピーして変換します。
fncopy [-i oldsvc -o newsvc] [-f filename] oldctx newctx
たとえば、ファイル /etc/host_list に表示される内容を NIS+ ネームサービスの doc.com ドメインにコピーするには、次のように入力します。
fncopy -i files -o nisplus -f /etc/host_list //doc.com/host
Solaris リリース 2.5 では、FNS は、printers.conf.byname という名前のファイルを使用して、組織コンテキストでファイルへのプリンタのネーミングをサポートします。現在の Solaris では、組織コンテキストのプリンタサポートは、fns_org.ctx マップに保持されています。つまり、ここでの fncreate_printer コマンドでは fns_org.ctx マップが変更され、printers.conf.byname マップは変更されません。