nisbackup を使用する場合、nisbackup はサーバー固有のコマンドであることに注意してください。-a オプションを使用するかどうかに関係なく、nisbackup は、このコマンドを実行中のサーバーがマスターサーバーであるディレクトリだけをバックアップします。他にマスターサーバーを持つ NIS+ ディレクトリオブジェクトは、バックアップされません。
たとえば、submaster1 は、sales.doc.com. ディレクトリオブジェクトのマスターサーバーで、さらに west.sales.doc.com. ディレクトリオブジェクトの複製サーバーでもあるとします。この場合、submaster1 上で nisbackup を実行すると、sales.doc.com. ディレクトリオブジェクトだけがバックアップされます。
このサーバー固有の原則には次のものがあります。
「全 NIS+ 名前空間」
複数のドメインのすべての名前空間に、NIS+ バックアップを実行する場合で、ルートマスターサーバーが全サブドメインのマスターサーバーでもある場合は、ルートマスター上で nisbackup に -a オプションを指定して実行します。ただし、スーパーユーザーのマスターサーバーが、すべてのサブドメインのマスターサーバーでない場合は、すべての名前空間のバックアップを完全に実施するために、nisbackup を他のマスターサーバー上でも実行する必要があります。
「サブドメイン」
1 つまたは複数のサブドメインの NIS+ バックアップを実行する場合、サブドメインのマスターサーバー上で nisbackup を実行する必要があります。ルートマスターなどの 1 つのマシンが、1 つまたは複数のサブドメインのマスターでもある場合、そのマシン上で nisbackup に -a オプションを指定して実行します。
「FNS ctx_dir」
FNS を実行している場合は、nisbackup を ctx_dir のマスターサーバー上で実行し、ctx_dir をバックアップするように指定するか、または -a オプションを使用すると、ctx_dir ディレクトリだけがバックアップされます。通常は、ctx_dir と NIS+ ディレクトリオブジェクトが別々のマスターサーバーから提供されていますが、この場合は、すべてのディレクトリをバックアップするには、nisbackup を両方のマシン上で実行する必要があります。