Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.0 管理ガイド

Directory Proxy Server のコマンド行ツール

Directory Proxy Server の操作に使用するコマンド行ツールは、dpadm および dpconf と呼ばれています。これらのコマンドの使用方法については、dpadm(1M) および dpconf(1M) のマニュアルページを参照してください。

この節では、dpadm コマンドと dpconf コマンドの場所について説明します。また、環境変数、これらのコマンドの比較、これらのコマンドを使用する際の参照情報の入手先についても記載します。

Directory Proxy Server コマンドの場所

Directory Proxy Server のコマンド行ツールは、デフォルトでは次の場所にあります。


install-path/dps6/bin

インストールパスはオペレーティングシステムによって異なります。すべてのオペレーティングシステムのインストールパスのリストは、「デフォルトのパスとコマンドの場所」にあります。

dpconf に対する環境変数の設定

dpconf コマンドには、環境変数によってプリセットできるオプションが必要です。コマンドを使用する際にオプションが指定されていない場合や、環境変数が設定されていない場合は、デフォルト設定が使用されます。環境変数は次のオプションに対して設定できます。

-D userDN

ユーザーバインド DN。環境変数: LDAP_ADMIN_USER. デフォルト: cn=Proxy Manager

-w password-file

ユーザーバインド DN に対するパスワードファイル。環境変数: LDAP_ADMIN_PWF. デフォルト: パスワードに対するプロンプト。

-h host

ホスト名または IP アドレス。環境変数: DIR_PROXY_HOST . デフォルト: localhost.

-p LDAP-port

LDAP ポート番号。環境変数: DIR_PROXY_PORT. デフォルト: サーバーインスタンスが root として実行中の場合は 389、サーバーインスタンスが通常のユーザーとして実行中の場合は 1389

詳細は、dpconf(1M) のマニュアルページを参照してください。

dpadmdpconf の比較

次の表に、dpadm コマンドと dpconf コマンドの比較を示します。

表 16–1 dpadm コマンドと dpconf コマンドの比較

 

dpadm コマンド

dpconf コマンド

目的 

Directory Proxy Server のローカルインスタンスのプロセスやファイルを管理すること 

Directory Proxy Server のローカルやリモートのインスタンスを設定すること 

ユーザー 

オペレーティング システムのユーザー 

LDAP ユーザー 

ローカルまたはリモート 

コマンドはインスタンスに対してローカルでなければなりません。つまり、コマンドは、サーバーが実行中のホストで実行する必要があります。

コマンドはインスタンスに対してローカルにすることができますが、ネットワーク上のどの場所からも実行できます。

コマンドの使用例 

Directory Proxy Server のインスタンスを作成します。 

Directory Proxy Server のインスタンスを起動および停止します。 

証明書データベースを管理します。 

Directory Proxy Server のインスタンスの設定を変更します。 

データビューを作成します。 

データソースプールの負荷分散を設定します。 

サーバーの状態 

サーバーは稼動中でも停止していてもかまいません。 

サーバーは動作している必要があります。

コマンドがサーバーインスタンスを識別する方法 

インスタンスパスを指定することで識別します。インスタンスパスは相対でも絶対でもかまいません。 

ホスト名か IP アドレスと、ポート番号を指定することで識別します。 

コマンドは、LDAP ポート (-p) または LDAPS セキュアポート (-P) を使用します。コマンド行にポート番号が指定されていない場合は、PROXY_PORT 環境変数が使用されます。環境変数が設定されていない場合は、デフォルトポートが使用されます。

dpconf による複数の値を持つプロパティーの設定

Directory Proxy Server のプロパティーによっては、複数の値をとることがあります。このような値を指定する構文は次のようになります。


$ dpconf set-container-prop -h host -p port container-name \
 property:value1 property:value2

たとえば、my-view という LDAP データビューに複数の書き込み可能属性を設定するには、次のコマンドを使用します。


$ dpconf set-ldap-data-view-prop -h host1 -p 1389 my-view \
 writable-attr:uid writable-attr:cn writable-attr:userPassword

すでに値が含まれている複数の値を持つプロパティーの値を追加または変更する場合は、「すべて」の値を再設定する必要があります。たとえば、前述のシナリオで、sn を書き込み可能属性として追加する場合は、他のすべての書き込み可能属性をコマンドに指定する必要があります。


$ dpconf set-ldap-data-view-prop -h host1 -p 1389 my-view \
 writable-attr:uid writable-attr:cn writable-attr:userPassword writable-attr:sn

値を削除する場合も、同じルールが当てはまります。そのため、前述の例の書き込み可能属性のリストから userPassword を削除するには、次のコマンドを使用します。


$ dpconf set-ldap-data-view-prop -h host1 -p 1389 my-view \
 writable-attr:uid writable-attr:cn writable-attr:sn

dpadmdpconf に関するヘルプ情報を得るには

dpadm コマンドと dpconf コマンドの使用方法については、dpadm(1M) および dpconf(1M) のマニュアルページを参照してください。