この章では、Application Server における名前付きサーバー設定の追加、変更、および使用について説明します。この章には次の節が含まれています。
設定とは一連のサーバー設定情報で、HTTP リスナー、ORB/IIOP リスナー、JMS ブローカ、EJB コンテナ、セキュリティー、ロギング、および監視などの設定が含まれます。アプリケーションやリソースは、名前付き設定では定義されません。
設定は管理ドメインに配置されます。ドメイン内の複数のサーバーインスタンスが同じ設定を参照したり、別個の設定を使用したりできます。
クラスタでは、クラスタのインスタンスで均質の環境が確保されるように、クラスタ内のすべてのサーバーインスタンスがクラスタの設定を継承します。
設定には数多くの必須設定情報が含まれるため、既存の名前付き設定をコピーして新しい設定を作成します。設定情報を変更しないかぎり、新規に作成された設定はコピーした設定と同じです。
クラスタまたはインスタンスが設定を使用するには 3 つの方法があります。
スタンドアロン:スタンドアロンのサーバーインスタンスまたはクラスタは、ほかのサーバーインスタンスまたはクラスタと設定を共有しません。つまり、ほかのサーバーインスタンスまたはクラスタは名前付き設定を参照しません。スタンドアロンのインスタンスまたはクラスタは、既存の設定をコピーして名前を変更することにより作成します。
共有:共有サーバーインスタンスまたはクラスタは、ほかのサーバーインスタンスまたはクラスタと設定を共有します。つまり、複数のインスタンスまたはクラスタが同じ名前付き設定を参照します。共有サーバーインスタンスまたはクラスタは、既存の設定をコピーするのではなく参照することにより作成します。
クラスタ化:クラスタ化されたサーバーインスタンスはクラスタの設定を継承します。
関連項目
default-config 設定は、スタンドアロンサーバーインスタンスまたはスタンドアロンクラスタの設定を作成するテンプレートとして機能する特殊な設定です。またはクラスタとサーバーインスタンスは、default-config 設定を参照できません。この設定は、新しい設定を作成するためにコピーできるだけです。デフォルト設定を編集して、コピーした新しい設定が正しく初期設定されているかどうか確認します。
詳細については、次の Web サイトを参照してください。
新しいサーバーインスタンスまたは新しいクラスタを作成する場合は、次のどちらかを実行します。
既存の設定を参照します。新しい設定は追加されません。
既存の設定のコピーを作成します。サーバーインスタンスまたはクラスタを追加すると、新しい設定が追加されます。
デフォルトでは、default-config 設定からコピーした設定を使用して新しいクラスタまたはインスタンスが作成されます。別の設定からコピーするには、新規インスタンスまたはクラスタの作成時に設定を指定します。
サーバーインスタンスの場合、新しい設定には instance_name -config という名前が付けられます。クラスタの場合、新しい設定には cluster-name -config という名前が付けられます。
詳細については、次の Web サイトを参照してください。
クラスタ化された設定を作成すると、Application Server によってクラスタ設定ディレクトリがドメイン管理サーバーの domain-root/domain-dir/config/cluster-config に作成されます。このディレクトリは、クラスタ内ですべてのインスタンスの設定を同期するために使われます。
同じホストマシン上の複数のインスタンスが同じ設定を参照する場合、各インスタンスは固有のポート番号を待機する必要があります。たとえば、ポート 80 の HTTP リスナーを使用する名前付き設定を 2 つのサーバーインスタンスが参照する場合、ポートの競合により、どちらかのサーバーインスタンスが起動できなくなります。一意のポートが使用されるように、個々のサーバーインスタンスが待機するポート番号を定義するプロパティーを変更します。
ポート番号に次の原則を適用します。
個々のサーバーインスタンスのポート番号は、最初に設定から継承されます。
サーバーインスタンスの作成時にポートがすでに使用されている場合は、継承されたデフォルト値をインスタンスレベルでオーバーライドして、ポートの競合を防止します。
インスタンスが設定を共有しているものと仮定します。設定はポート番号 n を使用します。同じ設定を使用するマシンで新しいインスタンスを作成する場合、新しいインスタンスにはポート番号 n+1 が割り当てられます (使用可能な場合)。この番号が使用できない場合は、n+1 の次に使用可能なポートが選択されます。
設定のポート番号を変更する場合、そのポート番号を継承するサーバーインスタンスは変更されたポート番号を自動的に継承します。
インスタンスのポート番号を変更し、続いて設定のポート番号を変更する場合、インスタンスのポート番号は変更されません。
詳細については、次の Web サイトを参照してください。
ツリーコンポーネントで、「設定」ノードを選択します。
「設定」ページで、「新規」をクリックします。
「設定の作成」ページで、一意の設定の名前を入力します。
設定を選択して、コピーします。
default-config 設定は、スタンドアロンサーバーインスタンスまたはスタンドアロンクラスタを作成するときに使用するデフォルトの設定です。
copy-config
次の表で、設定用にあらかじめ定義されたプロパティーについて説明します。
あらかじめ定義されたプロパティーはポート番号です。有効なポートの値は 1 〜 65535 です。UNIX では、ポート 1 〜 1024 で待機するソケットを作成するには 、スーパーユーザー権限が必要です。複数のサーバーインスタンスがある場合、ポート番号は一意にする必要があります。
プロパティー名 |
説明 |
---|---|
http-listener-1 のポート番号。 |
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http-listener-2 のポート番号。 |
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IIOP リスナー SSL が待機する IIOP 接続用の ORB リスナーポート。 |
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orb-listener-1 が待機する IIOP 接続用の ORB リスナーポート。 |
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JMX コネクタが待機するポート番号。 |
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IIOP リスナー SSL_MUTUALAUTH が待機する IIOP 接続のORB リスナーポート。 |
ツリーコンポーネントで、「設定」ノードを展開します。
名前付き設定のノードを選択します。
「システムプロパティーの設定」ページで、動的再設定を有効にするかどうかを選択します。
有効な場合は、設定に対する変更は、サーバーを再起動することなくサーバーインスタンスに適用されます。
必要に応じて、プロパティーを追加、削除、または変更します。
設定に関連するすべてのインスタンスの現在のプロパティーの値を編集するには、「インスタンス値」をクリックします。
set
名前付き設定を参照する各インスタンスは、最初にその設定からポート番号を継承します。ポート番号はシステムで一意である必要があるため、継承されたポート番号をオーバーライドする必要があります。
ツリーコンポーネントで、「設定」ノードを展開します。
名前付き設定のノードを選択します。
管理コンソールに「システムプロパティーの設定」ページが表示されます。
編集するインスタンス変数の横にある「インスタンス値」をクリックします。
たとえば、HTTP-LISTENER-PORT インスタンス変数の横にある「インスタンス値」をクリックすると、その設定を参照するすべてのサーバーインスタンスの HTTP-LISTENER-PORT の値が表示されます。
必要に応じて値を変更して、「保存」をクリックします。
set
「システムプロパティーの設定」ページに、設定を使用するすべてのターゲットのリストが表示されます。クラスタ設定の場合、ターゲットはクラスタです。インスタンス設定の場合、ターゲットはインスタンスです。
ツリーコンポーネントで、「設定」ノードを選択します。
「設定」ページで、削除する名前付き設定のチェックボックスにチェックマークを付けます。
default-config 設定は削除できません。
「削除」をクリックします。
delete-config