Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 高可用性 (HA) 管理ガイド

ロードバランサプラグインをインストールしたあとの Apache の設定

Apache Web Server は、ロードバランサプラグインと連動するために正しいセキュリティーファイルを保持している必要があります。ロードバランサは、これらのセキュリティーデータベースファイルを必要とする NSS (Network Security Service) ライブラリに依存しています。これらのセキュリティーデータベースファイルを Application Server から取得する必要があるため、Application Server のインストールは、Web Server によってアクセス可能な場所で実行される必要があります。

ProcedureApache セキュリティーファイルをロードバランサで動作するように設定する

  1. Apache-install-dir の下に sec_db_files という名前のディレクトリを作成します。

  2. セキュリティーデータベースファイルを、Application Server から作成したディレクトリにコピーします。

    domain-dir/config/*.db を、Apache-install-dir/sec_db_files にコピーします。

  3. プラットフォームに応じて、追加の設定を実行します。

    • Solaris プラットフォームの Java Enterprise System インストールの場合:

      Apache-install-dir/bin/apachectl スクリプト内の LD_LIBRARY_PATH に、パス /usr/lib/mps/secv1 を追加します。このパスは、/usr/lib/mps の前に追加する必要があります。

    • Linux プラットフォームの Java Enterprise System インストールの場合:

      Apache-install-dir/bin/apachectl スクリプト内の LD_LIBRARY_PATH に、パス /opt/sun/private/lib を追加します。このパスは、/usr/lib の前に追加する必要があります。

    • Microsoft Windows の場合:

      1. Path 環境変数に新しいパスを追加します。

        「スタート」⇒「設定」⇒「コントロール パネル」⇒「システム」⇒「詳細設定」⇒「環境変数」⇒「システム環境変数」の順にクリックします。

        Path 環境変数に Application Serverinstall-dir/bin を追加します。

      2. 環境変数 NSPR_NATIVE_THREADS_ONLY を 1 に設定します。

        「環境変数」ウィンドウで、「システム環境変数」の下の「新規」をクリックします。「変数名」に「NSPR_NATIVE_THREADS_ONLY」を、「変数値」に「1」を入力します。

      3. マシンを再起動します。

ProcedureApache 2 のセキュリティー証明書を作成する

次の手順は、Apache で HTTPS 要求をサポートするために必要となるものです。

Apache でのセキュリティー証明書の設定については、http://http.apache.org/docs/2.2/ssl/ssl_faq.html および http://www.modssl.org/docs/2.8/ssl_faq.html の手順を参照してください。次の手順は、これらの Web サイトから抜粋したものです。

  1. 適切な OpenSSL ディレクトリに移動します。

    • Solaris 10 を使用している場合は、プリインストールされている OpenSSL を使用して証明書を作成します。cd /usr/sfw/bin

    • Solaris 9 または Linux を使用している場合は、OpenSSL をインストールしたディレクトリに移動します。「SSL 対応の Apache をインストールする」の手順に従って、OpenSSL の configure および make をあらかじめ実行するようにしてください。

      環境変数 OPENSSL_CONF= OpenSSL-installation-directory/apps/openssl.cnf を設定します。

  2. 次のコマンドを実行して、サーバー証明書とキーを作成します。

    openssl req -new -x509 -keyout newreq.pem -out newreq.pem -days 365

    共通名を求められたら、Apache を実行する予定のホスト名を入力します。その他のすべてのプロンプトに対しては、環境ごとの特定の要件を満たす値を入力してください。

    このコマンドによって newreq.pem が作成されます。

  3. openssl コマンドを実行した場所から、新しく作成した newreq.pem を開きます。

  4. BEGIN CERTIFICATE で始まる行から END CERTIFICATE で終わる行までをコピーして、Apache-install-dir/conf/ssl.crt/server.crt に貼り付けます。次に例を示します。


    -----BEGIN CERTIFICATE-----
    ....
    ...
    -----END CERTIFICATE-----
  5. BEGIN RSA PRIVATE KEY で始まる行から END RSA PRIVATE KEY で終わる行までをコピーして、Apache-install-dir/conf/ssl.key/server.key に貼り付けます。次に例を示します。


    -----BEGIN RSA PRIVATE KEY-----
    ...
    ...
    ...
    -----END RSA PRIVATE KEY-----
  6. Apache-install-dir/conf/ssl.conf 内の変数 SSLCertificateKeyFile および SSLCertificateFile に正しい値が設定されていることを確認します。

  7. ServerName が www.example.com ではないことを確認します。ServerName を Apache を実行する実際のホスト名にして、サーバー証明書とキーを作成するときに入力した Common Name と一致させます。