Sun Java System Portal Server Mobile Access 7.1 管理ガイド

Mobile Access ソフトウェア

この節では、Mobile Access ソフトウェアの次の機能を理解し、これらの機能により Portal Server ソフトウェアの機能を拡張する方法について説明します。

ポータルデスクトップ

ポータルサイトでは、標準ポータルデスクトップ、モバイルポータルデスクトップ、音声ポータルデスクトップの 3 種類のデスクトップが提供されます。これらのポータルデスクトップは、Mobile Access ソフトウェアのコンポーネントの 1 つであるワイヤレスデスクトップディスパッチャによって制御されます。Portal Server デスクトップサーブレットによって、ワイヤレスデスクトップディスパッチャに要求が転送されます。

ワイヤレスデスクトップディスパッチャでは、表示プロファイルの設定データを使用して、ユーザー要求のルーティング先として適切なポータルデスクトップ (標準、モバイル、または音声) が決定されます。

ユーザーのポータルサイトへのアクセス方法にかかわらず、ポータルデスクトップはユーザーのポータルサイトのデフォルトインタフェースになります。ポータルサイトのユーザーがモバイル機器を使用してポータルサイトにアクセスすると、モバイルポータルデスクトップが表示されます。電話を使用してポータルサイトにアクセスした場合は、音声ポータルデスクトップが応答します。

デフォルトでは、次のチャネルをモバイルポータルデスクトップ上でデフォルトで利用および表示できます。

モバイルポータルデスクトップの詳細については、第 4 章「モバイルポータルデスクトップの管理」を参照してください。

クライアントタイプ

Mobile Access ソフトウェアは、市販されているほとんどすべてのモバイル機器をサポートしています。各モバイル機器 (クライアント) は、クライアントプロファイルを使用して識別されます。各クライアントには、モバイル機器のブラウザで使用されるデバイスマークアップ言語に基づいて、クライアントタイプと呼ばれる一意の識別子が割り当てられます。

モバイル機器で使用されるマークアップ言語には、次のようなものがあります。

Mobile Access ソフトウェアでは、Nokia 6310i クライアントに対する WML サポートおよび Handspring Treo 180 クライアントに対する cHTML サポートが保証されています。ただし、ユーザーは、これらのマークアップ言語のいずれかを使用するモバイル機器でポータルコンテンツにアクセスできます。

クライアントプロファイルの管理には、Access Manager の管理コンソールの一部である「クライアントマネージャー」が使用されます。モバイルクライアントタイプおよび機器の検出の詳細については、第 2 章「モバイル機器の管理」を参照してください。

認証

Mobile Access ソフトウェアでは、Portal Server ソフトウェアによって提供される認証モジュールのサポートに加え、ユーザーに次のことを許可することも可能です。

これらの認証モジュールの使用については、第 3 章「モバイル認証の設定」を参照してください。

音声アクセス

Mobile Access ソフトウェアは、 VoiceXMLアプリケーションのフレームワークを提供します。音声機能にアクセスするには、音声認識、テキスト読み上げ、および VoiceXML ブラウザに対応するように音声サーバーを設定する必要があります。

音声アクセスの詳細については、第 6 章「音声アクセスの設定」を参照してください。

チャネル、コンテナ、プロバイダ

Mobile Access ソフトウェアでは、プロバイダ、チャネル、およびコンテナを使用して、コンテンツをモバイルポータルデスクトップに表示します。

このトピックには、次の情報が含まれます。

チャネル

チャネルによって、コンテンツがモバイルポータルデスクトップに表示されます。チャネルは、プロバイダオブジェクト、設定、およびチャネルをサポートするために必要なデータファイル (テンプレートなど) から構成されています。

コンテナチャネル

コンテナ (コンテナチャネル) は、ほかのチャネルのコンテンツを集めることにより、コンテンツをモバイルポータルデスクトップに表示するチャネルです。Mobile Access ソフトウェアを使用すると、Portal Server ソフトウェアに含まれているコンテナチャネルに次のデフォルトコンテナチャネルが追加されます。

プロバイダ

プロバイダは、モバイルポータルデスクトップ上でユーザーにチャネルコンテンツを提供するための基盤の実装です。プロバイダは、汎用リソースのインタフェースを適合させます。

プロバイダのコンテンツソースには、次のものが含まれます。

プロバイダは、モバイル機器のタイプごとに適切な形式でコンテンツを配信する Java クラスファイルです。モバイルポータルデスクトップが作成されると、関連するチャネルのコンテンツについて各プロバイダにクエリーが実行されます。

デフォルトのプロバイダには次のものが含まれます。

次の新しいプロバイダがデフォルトコンテナに追加されます。

モバイルポータルデスクトップを設定するためのチャネル、コンテナ、およびプロバイダの使用については、第 4 章「モバイルポータルデスクトップの管理」を参照してください。

レンダリング

モバイル機器を使用すると、ポータルサイトユーザーは HTML ブラウザを使用してアクセスするときと同じコンテンツにアクセスできます。これを可能にする処理は、レンダリングと呼ばれる変換処理です。レンダリングにより、コンテンツを一度だけ作成して、さまざまなモバイル機器に適切に表示することができます。

モバイルレンダリングコンポーネントは、機器を検出し、モバイル機器に表示するために出力をフォーマットします。このコンポーネントは、次の 4 つのサブコンポーネントから構成されています。

Mobile Access ソフトウェアは、ネイティブとレンダリングの両方のチャネルおよびコンテナをサポートしています。ネイティブチャネルは、JSP テクノロジと、Nokia WML クライアントに固有のテンプレートに基づいています。HTML、VoiceXML、および WML をサポートするクライアントは、ネイティブポータルデスクトップのテンプレートを使用します。

レンダリングチャネルでも JSP テクノロジが使用されます。レンダリングチャネルにより、ユーザーはポータルデスクトップを表示して、特定のモバイル機器に固有のレンダリングコンテンツを表示することができます。この機能は、Mobile Access ソフトウェアのレンダリング処理を通過した AML (Abstract Markup Language) テンプレートを使用することにより、可能になります。cHTML、iHTML、JHTML、XHTML、および HDML をサポートするクライアントには、レンダリングされたポータルデスクトップの AML テンプレートが必要です。

モバイルアプリケーション

Mobile Access ソフトウェアには、ユーザーがモバイルポータルデスクトップでアクセスできる 4 つのデフォルトアプリケーションが用意されています。デフォルトアプリケーションは、次のとおりです。

これらのアプリケーションは、モバイルポータルデスクトップがユーザーインタフェースの役目をして、バックエンドサーバーで実行されます。アプリケーションへのリンクが確立されると、Portal Server ソフトウェアの管理外で実行されます。ユーザーは、アプリケーションの使用を終了したら、モバイルポータルデスクトップに戻って他のプロバイダを使用できます。