利用分析において基準が確立されれば、その数値を検証、微調整して、スケーラビリティー、高可用性、信頼性、および良好なパフォーマンスを実現できます。
Portal Server を配備する場合の適切な 見積もりサイズを設定する作業は反復プロセスです。 入力値を変更すれば、幅のあるサイジング結果を生成できます。Portal Server 配備をカスタマイズすると、パフォーマンスに多大な影響が及ぶことがあります。
サイジングの見積もりが完了したら、次の点を考慮します。
以下の、工場出荷状態でポータルを配備する場合の LDAP トランザクション数を使用して、LDAP マスターとレプリカのサービス要求に与える影響を理解してください。これらの数字は、システムのカスタマイズを開始すると変更されます。これらの数字は開発者用サンプルとして取り出され、Access Manager の作業が含まれます。
認証なしの匿名ポータルへのアクセス - 6 BINDS、49 SRCH
ログインチャネルを使用したログイン - 1 BIND、2 SRCH
ポータルデスクトップからのチャネルの削除 - 14 SRCH、2 MOD
ポータルデスクトップの再ロード - 0 ops
Web コンテナにインストールされた Portal Server の主な使用法の 1 つ は、ポータルプロバイダを、アプリケーションサーバーで動作している Enterprise JavaBeansTM アーキテクチャー、または Java Database Connectivity (JDBC) および LDAP (LDAPSDK) などの J2EE テクノロジスタック構造体と統合することです。このような、ほかのアプリケーションとモジュールはリソースを消費するので、ポータルのサイジングに影響を及ぼします。最適な方法は、接続プールや、Web コンテナを通じて提供される JNDI ツールを使用することです。
ここまでで、ポータルを配備する場合の CPU の見積もり数が算出されるので、試験的な配備を行なってポータルのパフォーマンスを測定します。ロードバランス機能を使用して、ストレステストを実行して、次の要素を決定します。
スループット: 指定された時間内に処理されるデータ量です。
待ち時間: 1 つのコンポーネントが別のコンポーネントを待つときの時間です。
最大並行セッション数。
Portal Server にはポータルのサンプルが用意されています。使用するチャネルに類似のチャネルでサンプル使用し、システムに負荷をかけることができます。サンプルはポータルデスクトップにあります。
試験的な配備を使用して、最終的なサイジング見積もりを決定します。試験的な配備により、バックエンド統合をサイジングし、Portal Server の動作に関係する潜在的なボトルネックを回避します。
次のステップでは、導き出したサイズを微調整します。このセクションでは、スケーラビリティー、高可用性、信頼性、および優れたパフォーマンスを特長とするポータルサイトを配備できるように、適切な量の余裕値を組み込みます。
基準サイズは多くの見積もり値に基づいて導き出されるので、微調整してから使用してください。
基準サイズを微調整する場合は、次の指示に従います。
見積もられた基準サイズを基準点として使用します。
基準サイズからの変動量を予想します。
ほかの人の経験から学びます。
自分の判断力と知識を活用します。
配備におけるほかの要素について検討します。
Portal Server の配備に、いくつかの大陸におよぶ複数のデータセンターと一様なトラフィックが関係している場合は、1 つの大陸でトラフィックの大きな 2 つの単独データセンターを使用する場合よりも、最終サイズを大きくする必要があります。
変更計画
ポータルサイトは、運用を開始してからさまざまな変更が加えられることがよくあります。たとえば、次のような変更が加えられることがあります。
チャネル数の増加
ユーザーベースの増大
ポータルサイトの目的の変更
セキュリティーの必要事項の変更
電源障害
メンテナンス要求
これらの要素について考慮すれば、柔軟性に富んだ見積もりサイズを導き出すことができ、ポータルの想定内容が配備後に変更される場合のリスクを回避できます。
導き出される見積もりサイズにより、ポータルサイトの次の特長を確保することができます。
スケーラビリティー、高可用性、信頼性、および優れたパフォーマンス
望むサービスをすべて提供する余裕
変更に対応する柔軟性
試験的な配備を使用して、ポータルの配備方法がビジネス要件と技術要件を満たすことを検証します。