Service Registry 3.1 開発ガイド

はじめに

Service Registry 3.1 開発ガイド』では、JavaTM API for XML Registries (JAXR) を使って Service Registry (Registry) に対してクエリーを実行したり、コンテンツを発行する方法について説明します。

Service Registry は ebXML Registry です。これは、標準および拡張可能なメタデータによって記述されたすべてのタイプの電子コンテンツを管理する、連携されたレジストリおよびリポジトリです。Service Oriented Architecture (SOA) およびその他のコンテンツとメタデータの連携した、安全な情報管理が提供されます。ebXML Registry 3.0 および UDDI 3.0 レジストリプロトコルがサポートされています。

対象読者

開発ガイドは、レジストリの検索やレジストリへのコンテンツの発行を行う JAXR クライアントの開発を予定しているアプリケーションプログラマを対象にしています。

このマニュアルは、次の事項に習熟している方を対象に記述されています。

お読みになる前に

次の仕様の基本 Concept に習熟していることが必要です。

コードを開発しながら、Service Registry ソフトウェアを備えた Web コンソールを使用して、コードが正しく機能することを確認できます。『Service Registry 3.1 ユーザーズガイド (2006Q4)』を参照し、Web コンソールに慣れてください。

Service Registry は Sun Java Enterprise System (“Java ES”) のコンポーネントの一部であり、ネットワーク環境やインターネット環境を通して配布されるエンタープライズアプリケーションをサポートするソフトウェアインフラストラクチャーです。http://docs.sun.com/coll/1286.2 にある Java ES マニュアルをよく読んでください。

内容の紹介

このマニュアルの内容は次のとおりです。

第 1 章「JAXR の概要」では、JAXR の概要について説明します。

第 2 章「JAXR クライアントの設定」では、Service Registry に対してクエリーや更新を実行できる JAXR クライアントを実装するための最初の手順について説明します。

第 3 章「レジストリの検索」では、レジストリに対してクエリーを実行するために JAXR が提供しているインタフェースおよびメソッドについて説明します。

第 4 章「Service Registry へのオブジェクトの発行」では、レジストリにオブジェクトを発行する方法について説明します。

第 5 章「Service Registry 内のオブジェクトの管理」では、オブジェクトの削除や状態変更など、レジストリ内のオブジェクトへの操作方法を説明します。

第 6 章「UDDI インタフェース用クライアントプログラムの開発」では、UDDI クエリーを使用してレジストリを検索できるようにする Java クライアントプログラムの開発方法について説明します。

第 7 章「トラブルシューティング 」では、Service Registry とともに JAXR を使用したときに発生する可能性のある問題に対する解決方法について説明します。

付録 A 「標準的な定数」では、オブジェクトを一意の識別子で検索する場合に使用できる定数を一覧表示します。

Service Registry マニュアルセット

Service Registry のマニュアルセットは http://docs.sun.com/app/docs/coll/1314.2 で参照できます。Service Registry の詳細については、次の表に示すマニュアルを参照してください。

表 P–1 Service Registry マニュアル

マニュアルタイトル 

内容 

『Service Registry 3.1 リリースノート (UNIX 版)』

既知の問題など、Service Registry に関する最新の情報が記載されています。 

『Service Registry 3.1 管理ガイド』

インストール後に Service Registry を設定する方法と、レジストリに付属している管理ツールの使用方法が記載されています。その他の管理タスクを実行する方法についても説明されています。 

『Service Registry 3.1 ユーザーズガイド (2006Q4)』

Service Registry Web コンソールを使用して Service Registry を検索し、データを発行する方法が記載されています。 

『Service Registry 3.1 開発ガイド』

Java API for XML Registries (JAXR) を使用して Service Registry を検索し、データを発行する方法が記載されています。 

関連マニュアル

Service Registry をインストールすると、Sun Java System Application Server に配備されます。Application Server の管理については、『Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 管理ガイド』を参照してください。

Java ES マニュアルセットでは、配備計画とシステムインストールについて説明しています。システムドキュメントの URL は http://docs.sun.com/coll/1286.2 です。Java ES の概要については、次の表に示すマニュアルをこの順序で参照してください。

表 P–2 Java Enterprise System のマニュアル

マニュアルタイトル 

内容 

『Sun Java Enterprise System 5 リリースノート (UNIX 版)』

『Sun Java Enterprise System 5 リリースノート (Windows 版)』

既知の問題など、Java ES に関する最新の情報が記載されています。また、リリースノートコレクション (http://docs.sun.com/coll/1315.2) には、各コンポーネントの独自のリリースノートも一覧表示されています。

『Sun Java Enterprise System 5 技術の概要』

Java ES の技術および Concept の基礎が紹介されています。コンポーネント、アーキテクチャー、プロセス、および機能について説明しています。 

『Sun Java Enterprise System Deployment Planning Guide 』

Java ES に基づく企業向け配備ソリューションの計画と設計の概要が記載されています。配備の計画と設計に関する基本的な Concept と原則、ソリューションのライフサイクル、および Java ES に基づくソリューションを計画する際に使用する、高度な例と方針が示されています。 

『Sun Java Enterprise System 5 インストール計画ガイド』

Java ES 配備のハードウェア、オペレーティングシステム、およびネットワークに関する実装仕様の開発に役立ちます。コンポーネントの依存性など、インストールと設定の計画で考慮する必要のある問題について説明しています。 

『Sun Java Enterprise System 5 インストールガイド (UNIX 版)』

『Sun Java Enterprise System 5 インストールガイド (Windows 版)』

Java ES をインストールする手順が記載されています。インストール後にコンポーネントを設定し、正しく動作することを確認する方法も示されています。 

『Sun Java Enterprise System 5 インストールリファレンス (UNIX 版)』

構成パラメータに関する追加情報、構成計画で使用するワークシート、および Solaris オペレーティングシステムおよび Linux オペレーティング環境でのデフォルトディレクトリやポート番号などの参考資料が記載されています。 

『Sun Java Enterprise System 5 アップグレードガイド (UNIX 版)』

『Sun Java Enterprise System 5 Upgrade Guide for Microsoft Windows 』

以前にインストールしたバージョンから Java ES 5 にアップグレードする手順が記載されています。 

『Sun Java Enterprise System 5 監視ガイド (UNIX 版)』

各製品コンポーネントに Monitoring Framework を設定する手順、および Monitoring Console を使用してリアルタイムにデータを参照し、監視ルールを作成する手順が記載されています。 

『Sun Java Enterprise System 用語集』

Java ES マニュアルで使用される用語を定義します。

Java ES とそのコンポーネントに関するすべてのマニュアルの URL は、http://docs.sun.com/prod/entsys.5 です。

デフォルトのパスとファイル名

次の表は、このマニュアルで使用されているデフォルトのパス名とファイル名について説明したものです。

表 P–3 デフォルトのパスとファイル名

プレースホルダ 

説明 

デフォルト値 

ServiceRegistry-base

Service Registry のベースインストールディレクトリを表します。 

Solaris OS: /opt/SUNWsrvc-registry

Linux および HP-UX システム: /opt/sun/srvc-registry

RegistryDomain-base

Service Registry の Application Server ドメインおよび Service Registry データベースが置かれているディレクトリを表します。 

Solaris OS: /var/opt/SUNWsrvc-registry

Linux および HP-UX システム: /var/opt/sun/srvc-registry

Ant-base

Ant ツールの Java ES バージョンが格納されているディレクトリを表します。 

Solaris OS: /usr/sfw/bin

Linux および HP-UX システム: /opt/sun/share/bin

表記上の規則

このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。

表 P–4 表記上の規則

字体または記号 

意味 

例 

AaBbCc123

コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 

.login ファイルを編集します。

ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。

machine_name% you have mail.

AaBbCc123

ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 

machine_name% su

Password:

aabbcc123

変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 

ファイルを削除するには、rm filename と入力します。

『 』 

参照する書名を示します。 

『コードマネージャー・ユーザーズガイド』を参照してください。 

「 」 

参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 

第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 

この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 

枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 

 


sun% grep `^#define \

  XV_VERSION_STRING'

コード例は次のように表示されます。

[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。

| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。

キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。

ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-DControl キーを押したまま D キーを押すことを意味します。

コマンド例のシェルプロンプト

次の表に、デフォルトのシステムプロンプトとスーパーユーザープロンプトを示します。

表 P–5 シェルプロンプト

シェル 

プロンプト 

UNIX システムおよび Linux システムの C シェル 

machine_name%

UNIX システムおよび Linux システムの C シェルスーパーユーザー 

machine_name#

UNIX システムおよび Linux システムの Bourne シェルおよび Korn シェル 

$

UNIX システムおよび Linux システムの Bourne シェルおよび Korn シェルのスーパーユーザー 

#

Microsoft Windows のコマンド行 

C:\

記号の表記規則

次の表では、このマニュアルで使用されている記号について説明します。

表 P–6 記号の表記規則

記号 

説明 

例 

意味 

[ ]

省略可能な引数およびコマンドオプションが含まれます。 

ls [-l]

-l オプションの指定は必須ではありません。

{ | }

必須のコマンドオプションの選択肢のセットが含まれます。 

-d {y|n}

-d オプションには、y 引数または n 引数が必要です。

${ }

変数の参照を示します。 

${com.sun.javaRoot}

com.sun.javaRoot 変数の値を参照します。

同時に押す複数のキーストロークを示します。 

Control-A 

コントロールキーを押しながら A キーを押します。 

連続する複数のキーストロークを示します。 

Ctrl + A + N 

コントロールキーを押して離した後、以降のキーを押します。 

-> 

グラフィカルユーザーインタフェースのメニューの選択を表示します。 

「ファイル」->「新規」->「テンプレート」 

「ファイル」メニューから「新規」を選択します。「新規」サブメニューから「テンプレート」を選択します。 

マニュアル、サポート、およびトレーニング

Sun のサービス 

URL 

内容 

マニュアル 

http://jp.sun.com/documentation/

PDF 文書および HTML 文書をダウンロードできます。 

サポートおよびトレーニング 

http://jp.sun.com/supportraining/

技術サポート、パッチのダウンロード、および Sun のトレーニングコース情報を提供します。