Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 パフォーマンスチューニングガイド

HTTP サービスの監視

HTTP サービスの監視統計を有効にするには、管理コンソール、asadmin のいずれかを使用します。管理コンソールの場合、監視レベル (「低」または「高」) は HTTP サービスの監視に何の効果も持ちません。

asadmin の場合、利用可能な監視パラメータを一覧表示するには、次のコマンドを使用します。

list --user admin --port 4848
 -m server-instance-name.http-service.*

ここで、server-instance-name はサーバーインスタンスの名前です。

値を取得するには、次のコマンドを使用します。

get --user admin --port 4848 -m server.http-service.parameter-name.*

ここで、parameter-name は監視するパラメータの名前です。

統計の収集はデフォルトで有効になっています。これを無効にするには、次のプロパティーを domain.xml に追加し、サーバーを再起動します。

<property name="statsProfilingEnabled" value="false" />

統計の収集を無効にするとパフォーマンスが向上します。

管理コンソールでも監視統計を表示できます。この情報は次のカテゴリに分けられます。

一般的な HTTP 統計 (http-service)

管理コンソールが提供するパフォーマンス関連の HTTP 統計は、次のとおりです。

DNS キャッシュ情報 (dns)

DNS キャッシュでは、IP アドレスと DNS 名がキャッシュされます。サーバーの DNS キャッシュはデフォルトで無効になっています。Web ベースの管理インタフェースの「監視」の下にある「プロセス ID すべての DNS 統計」ページでは、次の統計が表示されます。

Enabled

DNS キャッシュが無効になっていると、この節の残りの部分は表示されません。

デフォルトで、DNS キャッシュは無効になっています。管理コンソールで DNS キャッシュを有効にするには、DNS の値を「サーバーにアクセスするクライアントに対して DNS 検索を実行する」に設定します。

CacheEntries (CurrentCacheEntries / MaxCacheEntries)

キャッシュエントリの現在の数と最大数。単一のキャッシュエントリは、単一の IP アドレスまたは単一の DNS 名の検索を表します。キャッシュのサイズは、Web サイトに同時にアクセスするクライアントの最大数を格納できるだけの大きさにしてください。キャッシュサイズの設定値が大きすぎるとメモリーが無駄に消費され、パフォーマンスが劣化します。

DNS キャッシュの最大サイズを設定するには、「パフォーマンスチューニング」ページの「DNS キャッシュのサイズ」フィールドの値を入力または変更します。

HitRatio

ヒット率は、キャッシュヒット数をキャッシュ検索数で割ったものです。

この設定はチューニング不可能です。


注 –

サーバー上で DNS 検索を無効にすると、ホスト名の制限が正常に機能しなくなるほか、ログファイル内でホスト名の代わりに IP アドレスが表示されます。


DNS エントリのキャッシュへの書き込み

DNS エントリをキャッシュに書き込むかどうかを指定することもできます。DNS キャッシュが有効になっていると、サーバーは、ホスト名の情報を受信したあと、その情報を格納することができます。その後、サーバー上でそのクライアントの情報が必要になった場合、その情報はキャッシュ内に存在しているため、再度クエリーを実行しなくてもその情報を利用できます。DNS キャッシュのサイズと DNS キャッシュエントリの有効期間を指定します。DNS キャッシュには 32 件から 32768 件までのエントリを格納できます。デフォルト値は 1024 です。キャッシュエントリが期限切れになるまでの時間の値は、1 秒から 1 年までの範囲で秒単位で指定できます。デフォルト値は 1200 秒 (20 分) です。

DNS 検索を非同期に制限する

DNS 検索はリソース集約型であるため、サーバープロセス内では使用しないでください。DNS 検索を含める必要がある場合には、検索を非同期にしてください。

Enabled

非同期 DNS が無効になっていると、この節の残りの部分は表示されません。

NameLookups

サーバー起動後に実行された名前検索 (DNS 名から IP アドレス) の数。この設定はチューニング不可能です。

AddrLookups

サーバー起動後に実行されたアドレス検索 (IP アドレスから DNS 名) の数。この設定はチューニング不可能です。

LookupsInProgress

現在実行中の検索の数。

接続キュー

ファイルキャッシュ情報 (file-cache)

ファイルキャッシュには静的コンテンツが格納されるため、サーバーは静的コンテンツに対する要求をすばやく処理できます。file-cache セクションは、ファイルキャッシュの使用状況に関する統計を提供します。

ファイルキャッシュのチューニング方法の詳細については、「HTTP ファイルキャッシュ」を参照してください。

キープアライブ (keep-alive)

管理コンソールが提供するパフォーマンス関連のキープアライブ統計は、次のとおりです。

スレッドプール (pwc-thread-pool)

管理コンソールが提供するスレッドプール統計は、次のとおりです。