HTTP サービスの監視統計を有効にするには、管理コンソール、asadmin のいずれかを使用します。管理コンソールの場合、監視レベル (「低」または「高」) は HTTP サービスの監視に何の効果も持ちません。
asadmin の場合、利用可能な監視パラメータを一覧表示するには、次のコマンドを使用します。
list --user admin --port 4848 -m server-instance-name.http-service.*
ここで、server-instance-name はサーバーインスタンスの名前です。
値を取得するには、次のコマンドを使用します。
get --user admin --port 4848 -m server.http-service.parameter-name.*
ここで、parameter-name は監視するパラメータの名前です。
統計の収集はデフォルトで有効になっています。これを無効にするには、次のプロパティーを domain.xml に追加し、サーバーを再起動します。
<property name="statsProfilingEnabled" value="false" />
統計の収集を無効にするとパフォーマンスが向上します。
管理コンソールでも監視統計を表示できます。この情報は次のカテゴリに分けられます。
管理コンソールが提供するパフォーマンス関連の HTTP 統計は、次のとおりです。
直前の 1 分間の平均負荷
仮想サーバーオーバーフローが有効かどうか
HTTP サーバーのバージョン
HTTP サーバーの ID
バイトの受信速度
スレッドの最大数
HTTP サーバーの起動時刻
仮想サーバーの最大数
プロファイリングが有効かどうか
HTTP サービスの秒単位の稼働時間
直前の 15 分間の平均負荷
直前の 5 分間の平均負荷
バイトの送信速度
DNS キャッシュでは、IP アドレスと DNS 名がキャッシュされます。サーバーの DNS キャッシュはデフォルトで無効になっています。Web ベースの管理インタフェースの「監視」の下にある「プロセス ID すべての DNS 統計」ページでは、次の統計が表示されます。
DNS キャッシュが無効になっていると、この節の残りの部分は表示されません。
デフォルトで、DNS キャッシュは無効になっています。管理コンソールで DNS キャッシュを有効にするには、DNS の値を「サーバーにアクセスするクライアントに対して DNS 検索を実行する」に設定します。
キャッシュエントリの現在の数と最大数。単一のキャッシュエントリは、単一の IP アドレスまたは単一の DNS 名の検索を表します。キャッシュのサイズは、Web サイトに同時にアクセスするクライアントの最大数を格納できるだけの大きさにしてください。キャッシュサイズの設定値が大きすぎるとメモリーが無駄に消費され、パフォーマンスが劣化します。
DNS キャッシュの最大サイズを設定するには、「パフォーマンスチューニング」ページの「DNS キャッシュのサイズ」フィールドの値を入力または変更します。
ヒット率は、キャッシュヒット数をキャッシュ検索数で割ったものです。
この設定はチューニング不可能です。
サーバー上で DNS 検索を無効にすると、ホスト名の制限が正常に機能しなくなるほか、ログファイル内でホスト名の代わりに IP アドレスが表示されます。
DNS エントリをキャッシュに書き込むかどうかを指定することもできます。DNS キャッシュが有効になっていると、サーバーは、ホスト名の情報を受信したあと、その情報を格納することができます。その後、サーバー上でそのクライアントの情報が必要になった場合、その情報はキャッシュ内に存在しているため、再度クエリーを実行しなくてもその情報を利用できます。DNS キャッシュのサイズと DNS キャッシュエントリの有効期間を指定します。DNS キャッシュには 32 件から 32768 件までのエントリを格納できます。デフォルト値は 1024 です。キャッシュエントリが期限切れになるまでの時間の値は、1 秒から 1 年までの範囲で秒単位で指定できます。デフォルト値は 1200 秒 (20 分) です。
DNS 検索はリソース集約型であるため、サーバープロセス内では使用しないでください。DNS 検索を含める必要がある場合には、検索を非同期にしてください。
非同期 DNS が無効になっていると、この節の残りの部分は表示されません。
サーバー起動後に実行された名前検索 (DNS 名から IP アドレス) の数。この設定はチューニング不可能です。
サーバー起動後に実行されたアドレス検索 (IP アドレスから DNS 名) の数。この設定はチューニング不可能です。
現在実行中の検索の数。
キューに入れられた接続の合計数: キューに入れられた接続の合計数とは、これまで接続がキューに入れられた回数の合計値のことです。これには、新しく受け付けられた接続と、キープアライブシステムからの接続が含まれます。
平均キュー遅延: 平均キュー遅延とは、接続が接続キュー内で費やす時間の平均値のことです。これは、ある要求の接続がサーバーによって受け付けられてから、要求処理スレッド (セッションとも呼ばれる) がその要求の処理を開始するまでの遅延を表します。
ファイルキャッシュには静的コンテンツが格納されるため、サーバーは静的コンテンツに対する要求をすばやく処理できます。file-cache セクションは、ファイルキャッシュの使用状況に関する統計を提供します。
ファイルキャッシュのチューニング方法の詳細については、「HTTP ファイルキャッシュ」を参照してください。
キャッシュファイルコンテンツのヒット数
キャッシュエントリの数
キャッシュファイル情報のヒット数
キャッシュに使用されるヒープスペース
キャッシュファイル情報のミス数
キャッシュ検索のミス数
キャッシュファイルコンテンツのミス数
キャッシュエントリの最大有効期間: この最大有効期間には、有効なキャッシュエントリの最大有効期間が表示されます。
キャッシュエントリの最大数
オープンエントリの最大数
ファイルキャッシュが有効かどうか: キャッシュが無効になっていると、その他の統計は表示されません。キャッシュはデフォルトで有効になっています。
キャッシュに使用される最大メモリーマップ
キャッシュに使用されるメモリーマップ
キャッシュ検索のヒット数
オープンキャッシュエントリ数: キャッシュエントリの現在の数と最大数がどちらも表示されます。単一のキャッシュエントリは単一の URI を表します。これはチューニング可能な設定です。
キャッシュに使用される最大ヒープスペース
管理コンソールが提供するパフォーマンス関連のキープアライブ統計は、次のとおりです。
クライアント接続タイムアウトに達したために終了した接続の数
キープアライブでの最大許容接続数
ヒット数
キープアライブモードの接続の数
持続的接続が多すぎたためにキープアライブスレッドに渡されなかった接続の数
アイドル接続が閉じられるまでの秒単位の時間
最大キープアライブ数を超過したために閉じられた接続の数
管理コンソールが提供するスレッドプール統計は、次のとおりです。
Idle/Peak/Limit: Idle は、現在アイドル状態になっているスレッドの数を示します。Peak は、プール内のピーク数を示します。Limit は、スレッドプールで許可されるネイティブスレッドの最大数を示しており、NativePoolMaxThreads の設定によって決定されます。
Work Queue Length /Peak /Limit: これらの数値は、プール内のネイティブスレッドを使用するために待機しているサーバー要求のキューに関するものです。
Work Queue Length は、ネイティブスレッドを待機している要求の現在の数です。
Peak は、ネイティブスレッドを使用するために同時にキューに入っていた要求の、サーバー起動後の最大数です。この値は、ネイティブスレッドを必要とする要求の最大並行性とみなすことができます。
Limit は、ネイティブスレッドを待機するためにキュー内に一度に入れることのできる要求の最大数であり、NativePoolQueueSize の設定によって決定されます。