ここでは、Application Server 8.2 に含まれている HADB 実装に関する重要な追加情報を示します。
データベース管理に使用するパスワードの変更を可能にするために、新しい管理コマンド hadbm setadminpassword が実装されました。このコマンドは、使用する管理エージェントを示すオプションと、古いパスワードおよび新しいパスワードを取ります。詳細は、hadbm setadminpassword のマニュアルページを参照してください。
既存の管理コマンド hadbm listpackages が変更されています。以前、このコマンドはオペランドを取らず、関連する管理ドメイン内のすべてのパッケージを表示していました。変更によって、オプションのパッケージ名オペランドが導入され、その名前を持つパッケージのみが表示されます。そのオペランドが指定されない場合は、すべてのパッケージが表示されます。詳細は、hadbm listpackages のマニュアルページを参照してください。
既存の管理コマンド hadbm createdomain が変更されています。hostlist オペランドが、管理エージェントのポート番号も指定できるように拡張されました。この方法により、hostlist オペランドのみを使用してドメインが完全に指定されます。下位互換性のために、以前の動作も引き続きサポートされています。詳細は、hadbm createdomain のマニュアルページを参照してください。
管理システムからのエラーメッセージの一部が変更されています。これらの変更は、エラーメッセージのわかりやすさ、一貫性、および正確性を向上させることを目的にしています。実際の変更は、このリリースノートには示されていません。
インストールとアンインストールの動作が若干変更されています。HADB のインストールまたはアンインストールでは、リンク /opt/SUNWhadb/4 が常に保持されるべきですが、必ずしもそのとおりにはなっていません。
コマンド行でパスワードをコマンドオプションとして入力する場合がありますが、この方法は推奨されません。これは、パスワードをコマンド行オプションとして受け入れるすべての hadbm コマンドに適用されます。hadbm コマンドでは、従来より、パスワードを次の方法で入力できるようになっています。
パスワードファイル
コマンド行オプション
対話型の入力
コマンド行オプションは安全でないと見なされるため、推奨されません。この方法でパスワードが入力されると、警告メッセージが表示されます。代わりに、パスワードファイルまたは対話型出力を使用します。これは、コマンド行のパスワードオプションを受け入れるすべての hadbm コマンドに適用されることに注意してください。
HADB は、JGroups Version 2.2 を使用するようにアップグレードされており、そのソースコードは HADB とともに配布されます。以前の HADB バージョンからのオンラインアップグレードをサポートするために、JGroups 2.1 および 2.2 の両方が HADB とともに提供されます。JGroups 2.1 の場合は、バイトコードのみが提供されます。
テーブルで UNIQUE 二次インデックスを作成することはできません。
式 (DISTINCT 列) は、これが選択された唯一の式でないかぎり、収集式では許可されません。
すべてのテーブルは主キーを指定して作成する必要があります。すなわち、主キーのないテーブルはサポートされていません。
FULL OUTER JOIN はサポートされていません。
テーブルサブクエリーである IN サブクエリーはサポートされていません。次に例を示します。
SELECT SNAME FROM S WHERE (S1#,S2#) IN (SELECT S1#,S2# FROM SP WHERE P#='P2') |
NOT NULL と PRIMARY KEY 以外の制約はサポートされていません。
リソースに新規所有者を割り当てることができます。ただし、この変更を行う場合、現在の所有者に付与されている特権は新しい所有者に付与されません。
2 つ以上の NOT EXISTS サブクエリーが入れ子にされていて、各サブクエリーがクエリーの外部レベルと直接関連していないクエリーはサポートされません。
列の特権はサポートされていません。
行の値コンストラクタは、VALUES 句でのみ許可されています。
行の値コンストラクタでは、サブクエリーは値式とは見なされません。
主キーを作成するとき、次のデータ型は使用できません。
REAL
FLOAT
DOUBLE PRECISION
DECIMAL
NUMERIC
Application Server には、以下のためのロードバランサ機能が組み込まれています。
HTTP、IIOP、および JMS クライアント
HTTP セッションのフェイルオーバーサポート
EJB クラスタリングおよびフェイルオーバーサポート
高可用性 EJB タイマー
分散トランザクションの回復
アプリケーションのローリングアップグレードのサポート
J2EE アプリケーションの一時的な状態を格納する高可用性データベース
可用性により、クラスタ内の Application Server インスタンスのフェイルオーバー保護が可能になります。ある Application Server インスタンスがダウンすると、そのサーバーに割り当てられていたセッションを別の Application Server インスタンスが引き継ぎます。セッション情報は、HADB に格納されます。HADB は、HTTP セッションの持続性、ステートフルセッション Bean、およびシングルサインオン資格をサポートします。