Sun Java System Web Server 7.0 リリースノート (Windows 版)

第 1 章 Sun Java System Web Server 7.0 リリースノート

このリリースノートには、Sun JavaTM System Web Server 7.0 リリースの重要な情報が記載されています。このノートでは、新機能や拡張機能、インストール時の注意点、既知の問題、およびその他の最新の問題について扱っています。Sun Java System Web Server 7.0 (Web Server 7.0) の使用を開始する前に、本書をよくお読みください。

このリリースノートは、次の節で構成されています。

Web Server 7.0 の新機能

Web Server 7.0 は、管理インフラストラクチャーが格段に強化された新しいメジャーリリースです。さらに、SolarisTM、SPARC®、および AMD64 プラットフォーム上では、Web Server を 64 ビットアプリケーションとして実行するように設定できるようになりました。

Web Server 7.0 は、包括的なコマンド行インタフェースのサポート、統合された設定、ECC (Elliptic Curve Cryptography) のサポートによって強化されたセキュリティー、およびクラスタリングのサポートを提供します。また、これには堅牢な組み込み移行ツールも付属していて、Web Server 6.0 や Web Server 6.1 から Sun Java System Web Server 7.0 にアプリケーションと設定を移行する際に役立ちます。

Sun Java System Web Server 7.0 には数多くの新しい機能が実装されています。

JMX ベースの管理インフラストラクチャー

Web Server 7.0 の管理インフラストラクチャーは、最新の分散 JMX (Java Management Extensions) テクノロジに基づいています。JMX は、デバイス、アプリケーション、およびサービス駆動型ネットワークの管理と監視のための分散ソリューション、Web ベースソリューション、モジュール化ソリューション、および動的ソリューションを構築するツールを提供します。JMX は、クラスタ化した Web Server 配備間の管理と監視に有効です。

再設計された管理サーバーインタフェース

管理サーバーとは、管理アプリケーションの配備先となる、特別に設定された Web Server インスタンスのことです。管理サーバーは、サーバーファームの各ノード上で 1 つずつ実行されます。これらのサーバーのうちの 1 つがマスターサーバー (管理サーバー) となるように設定され、残りがスレーブサーバーとなるように設定されます。各スレーブサーバーは「管理ノード」と呼ばれます。

HTML 駆動型の管理サーバーは、共通のタスクはアクセスしやすくなり、複雑なタスクは実行しやすくなるように再設計されています。

管理サーバーの新機能は次のとおりです。

コマンド行インタフェースのサポート

Web Server 7.0 のコマンド行インタフェースではサーバーの設定と管理がサポートされているため、管理作業が容易になっています。

管理 CLI の主な機能は次のとおりです。

N1 グリッドコンテナ (サービスプロビジョニングサポート)

Web Server 7.0 は、N1TM Grid Service Provisioning Server 5.2 (N1GSP) に統合されています。N1GSP は、カスタムスクリプトを不要にするアプリケーションプロビジョニングツールです。Web Server と N1GSP との統合により、データセンター環境やサーバーファームで複数の Web Server をインストールするためのカスタムスクリプトを、管理者が記述する必要はなくなります。

統合された設定ファイル

Web Server 7.0 の設定ファイルは、管理を単純化するために再配置および統合化されています。

以前のバージョンの Web Server では、userdb 内の設定ファイルがすべてのインスタンスによって共有されていましたが、それらのファイル内に格納された情報がインスタンス固有のものであることがしばしばでした。Web Server 7.0 では、userdb ディレクトリの設定ファイルが削除されています。それらのファイルの機能は、config ディレクトリの server.xml ファイル内に組み込まれました。alias および httpacl ディレクトリの設定ファイルは、config ディレクトリに移動されています。これらの変更により、インスタンス固有の config ディレクトリ内にインスタンス固有の設定情報が集約されました。

Java Servlet 2.4 および JavaServer Pages (JSP) 2.0 のサポート

Web Server 7.0 には、Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EETM) に準拠する、Java Servlet 2.4 および JavaServer PagesTM (JSPTM) 2.0 仕様の実装が含まれています。Web Server 7.0 の Web コンテナにより、Java テクノロジ標準に準拠する Web アプリケーションの設計と配備に必要な柔軟性と信頼性が提供されます。

サーブレットは、Web ベースのアプリケーションを構築するための、コンポーネントベースでプラットフォームに依存しない手段となります。CGI プログラムとは異なり、パフォーマンスを制限することはありません。JSP テクノロジはサーブレットテクノロジを拡張したものであり、動的コンテンツを含む HTML および XML ページのオーサリングをサポートします。

これらのテクノロジについては、http://java.sun.com/j2ee/1.4/docs/tutorial/doc/index.html にあるリソースを参照してください。

JavaServer Pages Standard Tag Library (JSTL) 1.1 および JavaServer Faces 1.1 のサポート

JavaServerTM Pages Standard Tag Library (JSTL) 1.1 のカスタムタグを使用して、多くの Web アプリケーションに共通するコア機能をカプセル化することができます。JSTL は、繰り返し処理と条件処理、XML ドキュメント操作用タグ、国際化タグ、SQL タグ、よく使用する機能などの構造タスクをサポートします。

Web Server 7.0 は JavaServer Faces テクノロジをサポートします。JavaServer Faces を使えば、JavaServer アプリケーションのユーザーインタフェースを簡単に構築できます。

これらのテクノロジについては、次のリソースを参照してください。

http://java.sun.com/j2ee/1.4/docs/tutorial/doc/index.html

JNDI のサポート

Java Naming and Directory InterfaceTM (JNDI) は、さまざまな企業のネーミング/ディレクトリサービスへのシームレスな接続を提供します。

Java Database Connectivity および接続プールのサポート

Web Server は、すぐに使えるシームレスな JDBCTM (Java DataBase Connectivity) 機能を備え、業界標準の JDBC ドライバからカスタマイズされた JDBC ドライバまで幅広くサポートしています。

Web Server 7.0 は、JDBC 接続プール、つまり特定のデータベースに対する再利用可能な接続のグループをサポートします。要求のたびに新しい物理接続を作成するには時間がかかるので、パフォーマンス向上のためサーバーは利用可能な接続のプールを保持しています。アプリケーションが接続を要求すると、プールから 1 つの接続が取得されます。アプリケーションが接続を閉じると、接続はプールに返されます。

JDBC 接続プールの作成については、『Sun Java System Web Server 7.0 管理ガイド』を参照してください。

Java SE 5.0 および 6.0 のサポート

Web Server 7.0 は、32 ビット版の Java 2 Platform, Standard Edition (Java SE) 5.0 および Java SE 6.0 をサポートします。64 ビット版の Web Server では、64 ビット版の Java Development Kit (JDKTM) ソフトウェアのサポートが利用可能です。64 ビット版の Web Server は現在、Solaris オペレーティングシステム上でのみサポートされています。

Web Server 7.0 のデフォルトのインストールオプションでは、Web Server とともにパッケージに同梱の JDK version 1.5.0_09 ソフトウェアがインストールされます。Web Server のインストール時またはインストール後のいずれかに、ほかの任意の準拠 JDK バージョンを選択できます。

JDK version 1.6.0 を使用するには、次の場所からソフトウェアをダウンロードします。

http://java.sun.com/javase/ja/6/download.html

統合された Java Web Services Developer Pack 2.0 テクノロジ

Web Server 7.0 には、Java Web Services Developer Pack 2.0 (JWSDP 2.0) XML テクノロジが含まれています。JWSDP で開発された Web サービスは、wadm コマンドを使用することで Web アプリケーションとして Web Server 7.0 上に配備できます。

Web Server 7.0 は、XML 暗号、XML デジタル署名などのセキュリティー機能をサポートするほか、メッセージセキュリティープロバイダもサポートします。

JWSDP 2.0 の詳細については、http://java.sun.com/webservices/jwsdp/index.jsp を参照してください。

JWSDP 2.0 のサンプルは、http://java.sun.com/webservices/downloads/2.0_preview_webservicespack.html にあります。これらのサンプルは Web Server 7.0 に配備可能です。

セッションレプリケーションのサポート

Web Server 7.0 は、クラスタベースのセッションレプリケーションおよびフェイルオーバーをサポートします。セッションフェイルオーバーの目的は、Web アプリケーションに高可用性を付与することです。Web アプリケーションの高可用性は、HTTP セッションを、1 つのインスタンスから同じサーバークラスタの別のサーバーインスタンスにレプリケートすることによって実現します。つまり、HTTP セッションごとにリモートインスタンス上にバックアップコピーが作成されることになります。サーバーに障害が発生してクラスタ内の 1 つのインスタンスが使用できなくなっても、クラスタでセッションを維持できます。

正規表現に基づく URI リダイレクトのサポート

Web Server 7.0 は、設定ファイルで正規表現 (「パターン」とも呼ばれる) と要求時間パラメータ補間をサポートするように拡張されています。加えて、ワイルドカードパターンマッチングのサポート対象が server.xml にまで拡大されました。URL リダイレクトは、Web Server 7.0 では SAF (Server Application Function) として実装されます。リダイレクト SAF により、特定のプレフィックスに一致する URI をリダイレクトすることができます (URI は、Web ブラウザが HTTP 要求内で送信する URL の一部分)。そのプレフィックスを from パラメータに指定し、リダイレクト先の URL を url または url-prefix パラメータのいずれかに指定します。Web Server 7.0 では from パラメータは省略可能です。from を省略すると、すべての URI がリダイレクトされます。

obj.conf ファイルでは、SAF パラメータが、新しい <If><ElseIf>、および <If> タグとともにサポートされます。これらのタグには指令が含まれます。これらのタグを使用すれば、指令を実行する条件を定義できます。これらのタグを使って、SAF パラメータを動的に生成することもできます。

Apache の mod_rewrite 機能とは異なり、<If> タグには次のような柔軟性があります。

正規表現および URL の書き換え機能の詳細については、『Sun Java System Web Server 7.0 管理ガイド』を参照してください。

広範なリアルタイム監視サポート

以前のバージョンの Web Server の監視機能に加え、Web Server 7.0 には次の拡張監視機能が追加されています。

統合された逆プロキシプラグインおよび FastCGI プラグインのサポート

逆プロキシプラグインと FastCGI プラグインが Web Server 7.0 に統合されました。これらのプラグインは、内部モジュールとして実行できます。Web Server 6.1 では、これらのプラグインを個別にダウンロードし、インストールする必要がありました。

Web Server 7.0 は、逆プロキシプラグインを設定するための GUI および CLI をサポートします。

強化されたセキュリティー

Web Server 7.0 は、データの暗号化と検証、要求の認証、およびサーバープロセスの保護を可能にするさまざまなテクノロジをサポートしています。セキュリティー機能の主な強化点は、次のとおりです。

ECC (Elliptic Curve Cryptography) のサポート

Sun Java System Web Server はこれまで常に、RSA キーをサポートしてきました。Web Server 7.0 では、RSA キーを引き続きサポートすることに加え、ECC (Elliptic Curve Cryptography) を新たにサポートします。

ECC は、モバイルまたはワイヤレス環境向けの次世代の公開鍵暗号方式です。ECC は、非対称暗号を実行するためにキーの生成、暗号化、および復号化を行う、一連のアルゴリズムに基づいています。

ECC の重要な機能は次のとおりです。

Web Server での ECC の使用方法の詳細については、『Sun Java System Web Server 7.0 管理ガイド』を参照してください。

NetBeans 5.0 および 5.5 のサポート

Web Server 7.0 が提供するプラグインを使えば、NetBeansTM 統合開発環境 (IDE) と統合して Web アプリケーションの配備やデバッグを行えるようになります。NetBeans は、標準コンポーネントを使って Java Platform Enterprise Edition (Java EE) ベースの Web アプリケーションを作成するための、完全な開発環境です。

このプラグインは、Web アプリケーションの配備のほかに、次のアクティビティーもサポートします。

NetBeans については、http://www.netbeans.org/kb/index.html を参照してください。

Web Server での NetBeans の使用方法の詳細については、http://webserver.netbeans.org を参照してください。

Sun Java Studio Enterprise のサポート

Web Server 7.0 は、Sun Java Studio Enterprise 8.1 をサポートします。Sun Java Studio テクノロジは、Java テクノロジ開発者のために Sun が提供する、強力で拡張可能な統合開発環境 (IDE) です。Sun Java Studio 8.1 は NetBeans ソフトウェアをベースにしており、Sun Java プラットフォームと統合されています。

Web Server 用のプラグインは、次の方法で取得できます。


注 –

Web Server 7.0 用の Sun Java Studio 8.1 プラグインは、ローカルの Web Server でのみ動作します。つまり、IDE と Web Server は、同一マシン上にインストールされている必要があります。


Sun Java Studio 8.1 の Web アプリケーション機能の使用については、http://developers.sun.com/prodtech/javatools/jsenterprise/learning/tutorials/#jse8 にあるチュートリアルを参照してください。

Sun Java Studio 8 の詳細は、http://www.sun.com/software/sundev/jde/ を参照してください。

ローカリゼーションサポート

Sun Java System Web Server 7.0 ベータは、次の言語に対応しています。

サポートされるプラットフォーム

次の表は、プラットフォームのサポートについてまとめたものです。


注 –

Windows では、x64 プラットフォームで 32 ビット版の Web Server 7.0 しかサポートされません。


表 1–1 Web Server 7.0 がサポートするプラットフォーム

ベンダー 

アーキテクチャー 

オペレーティングシステム 

必要最小限のメモリー 

推奨メモリー 

推奨ディスク容量 

Microsoft 

Intel x86/AMD 

Windows 2000 Advanced Server SP4 

Windows XP SP2 

Windows 2003 Enterprise Server SP1 (32 ビット) 

128M バイト 

512M バイト 

550M バイト 

サポートするブラウザ

Windows プラットフォーム上でサポートされるブラウザは次のとおりです。

インストール

以前のバージョンの Web Server が含まれているディレクトリに Web Server 7.0 をインストールすることはできません。ただし、Web Server 7.0 を新しいディレクトリにインストールしたあとで既存のインストールを移行することはできます。

製品マニュアル

Web Server 7.0 のマニュアルは、PDF および HTML 形式のオンラインファイルとして利用できます。次の表は、各マニュアルで説明されているタスクと概念を示しています。

Web Server 7.0 ベータには、完全な製品マニュアルのサブセットが含まれています。完全なマニュアルは、製品が正式に公開されるまで利用できません。

表 1–2 Web Server 7.0 マニュアルのロードマップ

説明 

参照先 

ソフトウェアおよびマニュアルについての最新情報 

『リリースノート』

以下のインストールおよび移行作業の実行 

  • Sun Java System Web Server とその多様なコンポーネントのインストール、サポートするプラットフォーム、および環境

  • 以前のバージョンの Sun Java System Web Server からの移行

『Installation and Migration Guide』

以下の管理作業の実行 

  • 管理コンソールおよび CLI の使用

  • サーバー環境の設定

  • サーバーインスタンスの使用

  • サーバーアクティビティーの監視およびログ

  • サーバー保護のための証明書の使用

  • サーバー保護のためのアクセス制御の設定

  • Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE プラットフォーム) のセキュリティー機能の使用

  • アプリケーションの配備

  • 仮想サーバーの管理

  • パフォーマンスニーズに合わせた、サーバー作業負荷の定義およびシステムのチューニングとサイズ決定

  • サーバードキュメントのコンテンツと属性の検索、およびテキスト検索インタフェースの作成

  • コンテンツ圧縮のためのサーバー設定

  • WebDAV を使用した Web 発行およびコンテンツオーサリングのためのサーバー設定

  • 正規表現を使用したリダイレクションの設定

管理ガイド

以下を実行するためのプログラミングテクノロジおよび API の使用 

  • Sun Java System Web Server の拡張および変更

  • クライアント要求に対するコンテンツの動的生成

  • サーバーのコンテンツの変更

Developer's Guide

カスタム NSAPI (Netscape Server Application Programmer's Interface) プラグインの作成 

NSAPI Developer's Guide

Sun Java System Web Server におけるサーブレットおよび JavaServer Pages (JSP) テクノロジの実装 

Developer's Guide to Web Applications

設定ファイルの編集 

『Administrator’s Configuration File Reference』

パフォーマンス最適化のための Sun Java System Web Server の調整 

『パフォーマンスのチューニング、サイジング、およびスケーリング』

Web Server 7.0 での問題の解決 

Troubleshooting Guide

配備のシナリオと例 

Deployment Guide

既知の問題

この節では、Web Server 7.0 のベータリリース時点における重要な既知の問題および制限事項を一覧表示します。

インストール

次の表は、インストールにおける既知の問題を一覧したものです。

表 1–3 インストールにおける既知の問題

バグ ID 

説明 

6492159 

Java ES 5 Web Server のインスタンスが 2 つ作成される

Java ES インストーラは、プロパティーファイルの WS_DOCROOT 値を更新します。そのため、コンフィギュレータでは Web Server のインスタンスを 2 つ作成します。 

回避方法: ありません。

6408072 

「プログラム」フォルダ内のオブジェクトにアイコンが必要である。

「Sun Java System Web Server 7.0」フォルダ内のオブジェクトは、デフォルトの Windows プログラムアイコンで作成され、Sun のプログラムであることを示す独自のアイコンを備えていません。 

回避方法: ありません。

6311607 

管理パスワードが 8 文字以上の場合にインストーラが CLI モードでクラッシュする。

管理ユーザーパスワードが 8 文字以上である場合、管理ポート、Web サーバーポート、または管理ユーザー ID への入力の中に 1 つでも無効なものがあると、インストーラがクラッシュします。 

回避方法:

コマンド行インタフェース (CLI) を使って Web Server 7.0 をインストールする場合、管理パスワードを 8 文字未満 (< 8) に設定する必要があります。 

6287206 

ネットワーク上の共有フォルダから設定が起動されると、インストールが実行できない。

Windows プラットフォームでは、別のマシン上の共有ネットワークフォルダからインストーラ setup.exe を起動すると、製品をインストールできません。

回避方法: ありません。

6408072 

Windows の場合、「プログラム」フォルダ内のオブジェクトに対するアイコンが必要である。

Windows 上の「Sun Java System Web Server 7.0」フォルダ内のオブジェクトは、デフォルトの Windows プログラムアイコンで作成され、Sun のプログラムであることを示す独自のアイコンを備えていません。 

6492144 

Windows の場合、パスワード入力時に CLI インストーラが ctrl+c キーの入力を処理しない。

インストーラが ctrl+c キーの入力を受け付けないため、端末が使用不能になります。

4988156 

スタンドアロン製品を既存の JES インストール上にインストールすること、およびその逆がサポートされていない。

Web Server 7.0 のスタンドアロン製品の、既存の Java Enterprise System (JES) インストール上へのインストールはサポートされていません。Web Server を使用する JES ユーザーは、JES インストーラを使用してより新しいバージョンの Web Server にアップグレードする必要があります。 

回避方法: ありません。

移行

次の表は、移行における既知の問題を一覧したものです。

表 1–4 移行における既知の問題

バグ ID 

説明 

6498416 

Java ES 4 から Java ES 5 への移行後、Web Server インスタンスの作成に失敗する

Java ES 4 を Java ES 5 に移行したあと、移行後のサーバーで Web Server インスタンスを作成しようとすると、インスタンスの作成が失敗します。次のエラーメッセージが表示されます。 


windows.machine.com:ADMIN3210:Could not create the instance 
because the Windows service "https-jeswin123.india.sun.com' already exists.

詳細については、http://docs.sun.com/app/docs/doc/819-2625/6n4tcivk8 を参照してください。

6493944 

Windows で Web Server の移行が失敗する

回避方法: 移行の完了後、次の手順に従って Root certs ライブラリのパスを更新します。

  1. 使用できる root certs の一覧を表示します。

    "WebServer-base\bin\modutil" -list -nocertdb -dbdir "WebServer-base\admin-server\config-store\test\config"

  2. 既存の Root certs を削除します。

    "WebServer-base\bin\modutil" -dbdir "WebServer-base\admin-server\config-store\test\config" -delete "Root Certs" -force

  3. Root certs を正しいライブラリパスで更新します。

    "WebServer-base\bin\modutil" -dbdir "WebServer-base\admin-server\config-store\test\config" -add "Root Certs" -libfile "nssckbi.dll" -force

WebServer-baseC:\Program Files\Sun\JavaES5\WebServer7 で、設定名は test です。


注 –

この手順は、migrate コマンドの使用後、かつ migrated config コマンドの使用前に実行してください。



注 –

移行についての詳細は、『Sun Java System Web Server 7.0 Installation and Migration Guide』を参照してください。このマニュアルでは、version 4.1 から 7.0、および version 6 と互換バージョンから 7.0 への移行について説明されています。


コア

次の表に、サーバーのコアにおける既知の問題の一覧を示します。

表 1–5 コアにおける既知の問題

バグ ID 

説明 

6395374 

Windows 上の Web Server のホスト名が正しくない

管理

次の表は、管理における既知の問題を一覧したものです。

表 1–6 管理における既知の問題

バグ ID 

説明 

6513089 

Web Server インスタンスを再起動すると、server.xml ファイル内の値が失われる。

Web Server インスタンスを再起動すると、次のエラーメッセージが表示されます。 


a value was missing in the server.xml when restarting the web server instance.

回避方法: 次の手順に従います。

  1. 管理サーバーを起動します。

    WebServer-base\admin-server\bin\startserv

  2. WebServer-base\https-FQDN\config\server.xml ファイルを編集します。

  3. 次の行を検索します。


    <search-collection>
    <name/>
    <..?
    </search-collection>
  4. これらの行を次の内容で置き換えます。


    <search-collection>
    <name>search-collection-1</name>
    <..?
    </search-collection>
  5. これらの変更を管理サーバーに反映します。

    wadm pull-config --user=admin --config=FQDN FQDN

FQDN は、ホストシステムの完全修飾ドメイン名です。 

6492144 

Windows プラットフォームで、パスワード入力時に CLI インストーラが Control+C キーの入力を処理しない。

インストーラが Control+C キーの入力を受け付けないため、端末が使用不能になります。 

回避方法: ありません。

6479247 

配備後にインスタンスを再起動すると、トークンパスワードの入力ダイアログボックスが表示される。この動作はほかのプラットフォームでは見られない。

回避方法: ありません。

6432106 

Web Server のアップグレード後に Sun Java System Portal Server の検索機能が例外をスローする。

Web Server を Java ES 4 から Java ES 5 にアップグレードすると、Portal Server の検索機能が例外をスローします。 

回避方法:


注 –

既存の libdb-3.3.dll および libdb_java-3.3.dll ライブラリファイルを、Web Server の非公開ディレクトリの外部のどこか適切な場所に移動します。Portal Server ライブラリを適切な場所に格納したら、そのパスを次のコマンドの <libdb-3.3.dll path>:<libdb_java-3.3.dll path> に指定する必要があります。


Windows プラットフォームの場合、次の手順を実行します。 

  1. libdb-3.3.dll および libdb_java-3.3.dll ファイルを、Web Server 6.1 の lib ディレクトリから適切な場所にコピーします。


    注意 – 注意 –

    lib ディレクトリなど、Web Server 7.0 の非公開ディレクトリにライブラリファイルをコピーしないでください。


  2. portal_libraries ディレクトリを作成します。

  3. ライブラリファイル libdb-3.3.dll および libdb_java-3.3.dllportal_libraries にコピーします。

  4. wadm コマンドを使って、ライブラリファイルの場所を Web Server に通知します。

  5. 現在のネイティブライブラリパスの設定を取得します。

    get-jvm-prop -user=admin --config=hostname native-library-path-prefix

  6. この出力を保存します。

  7. コピーした libdb-3.3.dll および libdb_java-3.3.dll のパスを既存のネイティブライブラリパスに付加します。

    set-jvm-prop --config=hostname native-library-path-prefix=<existing native library-path>:</portal-libraries-path>

    portal-libraries-path は、手順 1 で libdb-3.3.dll および libdb_java-3.3.dll ファイルをコピーした場所です。

    get-jvm-prop コマンドの結果や出力が得られない場合は、native-library-path-prefix パラメータを設定します。

    native-library-path-prefix=</portal-libraries-path>


    注 –

    native-library-path-prefix パラメータの区切り文字には「;」を使用します。

    native-library-path-prefix=<existing native libarary path>;<portal-libraries-path>

    Windows 以外のプラットフォームの場合、次のように「:」を native-library-path-prefix パラメータの区切り文字として使用します。

    native-library-path-prefix=<existing native libarary path>:<portal-libraries-path>


  8. 変更した設定を配備します。

    deploy-config [--user=admin-user] config-name

6425144 

クラスパスにセミコロン (;) が含まれていると、wadm がクラスパスを正しく更新しない。

wadm.bat ファイルを使用してクラスパスを設定する場合、クラスパスにセミコロンが含まれていると、server.xml ファイル内でフルクラスパスが更新されません。セミコロン (;) の前のパスだけが更新されます。

回避方法: 次に示す回避方法のどれか 1 つを選択してください。

  • セミコロンの前にエスケープ文字 (\) を使用します。

  • wadm を単一モードで使用します。

6364924 

あるノードを複数の管理サーバーに登録すると、これにより設定の衝突が発生する可能性がある。

ある 1 つのノードを、最初の管理サーバーへの登録を取り消すことなしに 2 番目の管理サーバーにも登録できます。ただし、このように登録すると、ノードはどちらの管理サーバーへもアクセスできなくなります。 

回避方法:

登録のたびに管理ノードを再起動します。その管理ノードは、登録先として最後に使用した管理サーバーに対して使用可能になります。 

6379125 

wadm が、ノードへの接続を許可し、証明書を表示したあと、「HTTP 400 Error」をスローする。

Web Server ノードは、管理サーバーと同じ URI に登録された、管理サーバーと同じ JMX コネクタを使用します。証明書が SSL ハンドシェークの一部としてスローされますが、実行がまだノードに到達していません。Web Server では、クライアント、管理サーバーのどちらからの接続なのか判別できません。 

4793938 

ディレクトリインデックスの代わりに、ユーザーとパスワードの入力ダイアログが表示される。

デフォルトでは、ユーザーが認証されないかぎり、Web Server 7.0 はディレクトリインデックスを送信しません。あるディレクトリにアクセスしようとすると、ユーザー名とパスワードの入力を求められます。これは、Web Server 7.0 のデフォルトのアクセス制御リスト (ACL) が、認証済みユーザーだけにリストアクセス権を許可するためです。 

回避方法:

管理コンソールの使用または default.acl ファイルの編集によって、認証されていないユーザーにリストアクセス権を許可できます。リストアクセス権を許可する方法の詳細については、『Sun Java System Web Server 7.0 管理ガイド』を参照してください。

ローカリゼーション

次の表に、Web Server 7.0 のローカライズされたバージョンにおける既知の問題の一覧を示します。

表 1–7 ローカリゼーションの問題

バグ ID 

説明 

6497092 

Windows のメニューがローカライズされない

「スタート」->「Sun Microsystems」->「Web Server 7.0」->「Start/Stop Admin Server」のメニューは、Windows ではローカライズされません。 

回避方法: ありません。

6483354 

特定の状況下でファイルハンドルが webservd プロセスによって解放されない。

  1. ログイン URL 経由で Web Server の管理コンソールにアクセスします。

  2. 管理ページの「構成」タブを選択します。

  3. 設定リンクを選択してから、「仮想サーバー」リンクを選択します。

  4. 「クライアント言語のネゴシエーションを行う」を有効に設定し、「zh-CN」など、使用する言語を入力します。

  5. 「保存」をクリックします。

  6. Web Server を、管理コンソールの「配備保留中」リンクをクリックして再起動するか、手動で再起動します。

  7. Internet Explorer で http://yourmachine/xyz など、存在しない URL を入力します。

    Internet Explorer 6 に「page not found」エラーが表示されます。

期待される結果: 「page not found」エラーではなく「Not found」ページが、Internet Explorer に正しく表示されるはずです。

6442101 

英語以外のロケールでオンラインヘルプの検索ができない。

回避方法: ありません。

6431022 

すべてのロケールのオンラインヘルプで「検索のヒント」リンク用のファイルが見つからない。

  1. 管理者として管理コンソールにログインします。

  2. オンラインヘルプウィンドウを開きます。

  3. ナビゲータフレームで「検索」タブをクリックします。

  4. 「検索のヒント」リンクをクリックします。

    Not found」メッセージが表示されます。

  5. 回避方法: ありません。

6419884 

検索用のすべてのローカリゼーションオンラインヘルプが見つからない。

この問題は、zh_CN ブラウザで発生します。検索ページでヘルプリンクをクリックすると、ブラウザに「Not Found」エラーが表示されます。

回避方法:

http:///search/help/zh/basic-search.html の代わりに http:///search/help/zh_CN/basic-search.html を参照してください。

6412711 

ローカライズされた管理 GUI で、「構成は正常に配備されました」メッセージの一部が Internet Explorer に正しく表示されない。

回避方法: ありません。

6385933 

構成の作成後、Web Server 7 で複数バイトの名前が文字化けする

  1. 「構成」タブをクリックします。

  2. 「コピー」または「新規」を選択します。

  3. 「新規構成名」フィールドに複数バイト文字列を入力し、その他の情報を入力します。

    「完了」ボタンをクリックすると、入力した名前が文字列 ??? と置き換わった構成を含むリストが表示されます。インスタンスを再起動できません。

回避方法: ありません。

6492144 

Windows で、パスワード入力時に CLI インストーラが Control+C キーの入力を処理しない。

インストーラが Control+C キーの入力を受け付けないため、端末が使用不能になります。 

6494089 

管理サーバーノードにローカライズされていない文字列が表示される。

  • Web Server の管理コンソールに管理者としてログインします。

  • 「ノード」タブを選択します。「This is the Administration Server Node」など、ローカライズされていない文字列が表示されます。

6385933 

構成を作成したあとで、複数バイトの名前が文字化けする。

  1. 「構成」タブをクリックします。

  2. 「コピー」または「新規」を選択します。

  3. 「新規構成名」フィールドに複数バイト文字列を入力し、画面内のその他の情報を入力します。

  4. 「完了」ボタンをクリックします。

    設定のリストが表示されますが、ここには入力した名前の代わりに文字列 ??? が表示されます。インスタンスを再起動できません。

6316881 

req.getHeader() でヘッダー内の複数バイト文字を取得できない。

request.getHeader() の呼び出し時に、文字が正しく解析されません。

5046634 

Web Server 7.0 には use-responseCT-for-headers に相当する機能がない。

6503931 

schema.properties ファイルがローカライズされていない。

管理サーバーによって SchemaValidationExceptions がスローされると、schema.properties ファイルから例外メッセージが読み取られます。このファイルはローカライズされていません。

6507819 

Windows 上で、特定の状況下でファイルハンドルが webservd プロセスによって解放されない。

  1. ログイン URL 経由で Web Server の管理コンソールにアクセスします。

  2. 管理ページの「構成」タブを選択します。

  3. 設定リンクを選択してから、「仮想サーバー」リンクを選択します。

  4. 「クライアント言語のネゴシエーションを行う」を有効に設定し、「zh-CN」など、使用する言語を入力します。

  5. 「保存」ボタンをクリックします。

  6. Web Server を、管理コンソールの「配備保留中」リンクをクリックして再起動するか、手動で再起動します。

  7. Internet Explorer で http://yourmachine/xyz など、存在しない URL を入力します。Internet Explorer 6 に「page not found」が表示されます。

期待される結果: 「page not found」エラーではなく「Not found」ページが、Internet Explorer に正しく表示されるはずです。 

6507819 

ローカライズされたバージョンの Web Server のオンラインヘルプのコンテンツが、英語版と一部異なっている。

日本語版のオンラインヘルプには、管理コンソールの次の画面に対するオンラインヘルプコンテンツがありません。 

  • アクセスログ設定の編集

  • サーバーログ設定の編集

  • ログファイルのアーカイブ

  • ログローテーションの設定

6508299 

英語以外のロケールで、Web Server のオンラインヘルプの左パネルに、検索結果が文字化けして表示される。

オンラインヘルプの「検索」タブを使っていくつかのコンテンツを検索すると、検索結果ページ内に化け文字が表示されます。 

6494089 

管理サーバーノードにローカライズされていない文字列が表示される。

  • Web Server の管理コンソールに管理者としてログインします。

  • 「ノード」タブを選択します。

    「This is the Administration Server Node」など、ローカライズされていない文字列が表示されます。

6502036 

ヘルプウィンドウの左側のパネルに「Application Error」というメッセージが表示される。

問題の報告とフィードバックの方法

Sun Java System Web Server 7.0 の使用にあたって問題が発生した場合は、次のいずれかの方法で Sun のカスタマサポートにお問い合わせください。

最善の問題解決のため、サポートに連絡する際には次の情報をご用意ください。

コメントをお寄せください

Sun では、マニュアルの改善に努めており、お客様のご意見、ご提案をお待ちしております。Sun へのご意見は、次の場所にある「コメントの送信」リンクを使用してお送りください。 http://docs.sun.com/

ご意見をお送りいただく場合は、マニュアルの Part No. やタイトル名などの識別情報もあわせてご記入ください。

その他の情報

Sun Java Systems の有用な情報は、次の場所から入手できます。

Sun 製品資料の検索

Sun 製品資料の検索には docs.sun.com Web サイトだけでなくお好みの検索エンジンも使用することができ、その場合は検索フィールドに次の構文を入力します。

<serach-term> site:docs.sun.com

たとえば、「broker」を検索するには、次のように入力します。

broker site:docs.sun.com

検索に java.sun.com、www.sun.com、developers.sun.com などほかの Sun Web サイトも含めるには、「docs.sun.com」の代わりに「sun.com」を検索フィールドに入力します。