Sun Java Enterprise System 5 Update 1 技術の概要

システムコンポーネントに適用される層によるアーキテクチャー

図 2–3 で示したように、Java ES インフラストラクチャーサービスコンポーネントは、分散型ソフトウェアソリューションの基盤となるインフラストラクチャーサポートを提供します。それらのソリューションの一部には、Sun Java Communications Suite コンポーネントおよび一部の Java ES コンポーネントが提供するアプリケーションレベルサービスが含まれます。それらのソリューションは、論理層の設計方法を使用します。

たとえば、Messaging Server が提供する電子メール通信サービスは、いくつかの論理的に区別された Messaging Server 設定を使用して実装されます。これらの異なる設定はそれぞれ、一連の異なるサービスを提供します。メッセージングソリューションを設計するときには、これらの異なる設定は、次の図に示すように別々の論理層に存在する個々のコンポーネントとして表されます。図中のコンポーネント間を結ぶ線は対話を表しています。


注 –

次の図は、完全な論理アーキテクチャーを表しているわけではありません。図を簡略化するために、多くの Java ES コンポーネントが省略されています。


図 2–5 Messaging Server: 層によるアーキテクチャーの例

4 つの論理層に分散している Messaging Server コンポーネントを示す図。


注 –

コミュニケーションコンポーネントは Java ES の一部ではありませんが、多くの場合 Java ES コンポーネントとともに配備され Java ES アーキテクチャー内で使用されます。これらのコミュニケーションコンポーネントは Sun Java Communications Suite の一部であり、このマニュアルでは例示のためにのみ参照されています。


Messaging Server 機能を論理的に異なる層に分けることにより、Messaging Server の論理的に区別された設定を物理環境内の異なるコンピュータに配備できます。物理的に分離すると、サービス品質の要件 (「次元 3: サービスの品質」を参照) を柔軟に満たすことができます。たとえば、インスタンスごとに異なる可用性ソリューションを提供したり、Messaging Server 機能ごとに異なるセキュリティーを実装できます。