『管理ガイド』では、コマンド行から Directory Server および Directory Proxy Server の機能を設定する手順について説明します。Web ベースのインタフェース (Directory Service Control Center) を使用してこれらの機能を設定する方法については、オンラインヘルプで説明しています。
この『管理ガイド』の対象読者は、Directory Server ソフトウェアおよび Directory Proxy Server ソフトウェアの管理者です。
このマニュアルでは、ソフトウェアのインストールについては説明していません。インストールの情報については、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Installation Guide』を参照してください。
古いバージョンの Directory Server または Directory Proxy Server から移行する場合は、サーバーの移行方法について、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Migration Guide』を参照してください。このバージョンの新機能をよく知らない場合は、新機能の概要について、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Evaluation Guide』を参照すると役立ちます。
パート I「Directory Server の管理」では、Directory Server を管理する手順について説明します。
パート II「Directory Proxy Server の管理」では、Directory Proxy Server を管理する手順について説明します。
一貫性を保つために、このマニュアル全体で同じサンプルデータを使用します。これらの値をお使いのシステムに適した値に置き換えてください。
表 P–1 例で使用するデフォルト値
変数 |
例で使用する値 |
---|---|
サフィックス (SUFFIX_DN) |
dc=example,dc=com |
インスタンスのパス (INSTANCE_PATH) |
Directory Server の場合: /local/ds/ Directory Proxy Server の場合: /local/dps/ |
ホスト名 (HOST) |
host1、host2、host3 |
ポート (PORT) |
LDAP: root のデフォルト: 389。root 以外のデフォルト: 1389 SSL のデフォルト: root のデフォルト: 636。root 以外のデフォルト: 1636 |
この Directory Server Enterprise Edition マニュアルセットでは、Sun Java System Directory Server Enterprise Edition を使用してディレクトリサービスを評価、設計、配備、および管理する方法について説明します。Directory Server Enterprise Edition 用のクライアントアプリケーションを開発する方法も示します。Directory Server Enterprise Edition のマニュアルセットの英語版は http://docs.sun.com/coll/1224.4 から入手できます。また、一部のマニュアルは、翻訳されており、http://docs.sun.com/coll/1757.1 から入手できます。
Directory Server Enterprise Edition について理解を深めるには、次の表に示すドキュメントを順番に参照してください。
表 P–2 Directory Server Enterprise Edition マニュアル
マニュアルタイトル |
内容 |
---|---|
『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 リリースノート』 |
既知の問題を含め、Directory Server Enterprise Edition についての最新情報を提供しています。 |
『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 7.0 Documentation Center』 |
マニュアルセットの主な領域へのリンクを提供しています。 |
『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Evaluation Guide 』 |
このリリースの重要な機能を紹介します。これらの機能の仕組みや提供される利点を、単独システムに実装可能な架空の配備のコンテキストに沿って例示します。 |
『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 配備計画ガイド』 |
Directory Server Enterprise Edition をベースとする、可用性と拡張性に優れたディレクトリサービスを計画および設計する方法について説明します。配備の計画および設計の基本的な概念および原則を提示します。ソリューションのライフサイクルについて検討し、Directory Server Enterprise Edition ベースのソリューションを計画するために使用する概略レベルのサンプルおよび戦略を提供します。 |
『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Installation Guide 』 |
Directory Server Enterprise Edition ソフトウェアのインストール方法について説明します。インストールするコンポーネントを選択する方法、インストール後にそれらのコンポーネントを設定する方法、および設定したコンポーネントが正しく機能することを検証する方法を示します。 Directory Editor のインストール手順については、http://docs.sun.com/coll/DirEdit_05q1 を参照してください。 Directory Editor をインストールする前に、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 リリースノート』にある、Directory Editor についての情報を必ずお読みください。 |
『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Migration Guide 』 |
Directory Server、Directory Proxy Server、および Identity Synchronization for Windows の以前のバージョンから移行する手順を示します。 |
『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 管理ガイド』 |
Directory Server Enterprise Edition をコマンド行から管理するための手順を示します。 Directory Service Control Center (DSCC) を使用して Directory Server Enterprise Edition を管理する際のヒントおよび手順については、DSCC のオンラインヘルプを参照してください。 Directory Editor の管理手順については、http://docs.sun.com/coll/DirEdit_05q1 を参照してください。 Identity Synchronization for Windows のインストールと設定については、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Installation Guide』のパート II「Installing Identity Synchronization for Windows」を参照してください。 |
『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Developer’s Guide 』 |
Directory Server Enterprise Edition の一部として提供されるツールおよび API を利用して、ディレクトリクライアントアプリケーションを開発する方法を示します。 |
『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Reference 』 |
Directory Server Enterprise Edition の技術および概念の基礎を紹介します。コンポーネント、アーキテクチャー、プロセス、および機能について説明しています。開発者 API への参照も示しています。 |
『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Man Page Reference 』 |
Directory Server Enterprise Edition を通じて利用可能なコマンド行ツール、スキーマオブジェクト、およびその他の公開インタフェースについて説明しています。このドキュメントの個別の節を、オンラインマニュアルページとしてインストールすることができます。 |
『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Troubleshooting Guide 』 |
さまざまなツールを使用して問題の範囲を特定し、データを収集し、問題部分の障害追跡を行う手順について説明しています。 |
『Sun Java System Identity Synchronization for Windows 6.0 Deployment Planning Guide 』 |
Identity Synchronization for Windows の計画と配備に関する一般的なガイドラインやベストプラクティスを示しています。 |
SLAMD 分散負荷生成エンジンは、ネットワークベースのアプリケーションに負荷をかけてテストし、そのパフォーマンスを分析するために設計された JavaTM アプリケーションです。SLAMD は当初 Sun Microsystems, Inc. によって、LDAP ディレクトリサーバーのパフォーマンスをベンチマークおよび分析する目的で開発されました。SLAMD は、OSI が承認したオープンソースライセンスである Sun Public License のもとでオープンソースアプリケーションとして公開されています。SLAMD についての情報を入手するには、http://www.slamd.com/ を参照してください。SLAMD は java.net プロジェクトとしても公開されています。https://slamd.dev.java.net/ を参照してください。
Java Naming and Directory Interface (JNDI) 技術は、LDAP および DSML v2 を利用した、Java アプリケーションからのディレクトリサーバーへのアクセスをサポートします。JNDI の詳細については、http://java.sun.com/products/jndi/ を参照してください。『JNDI チュートリアル』には、JNDI の使用方法についての詳しい説明およびサンプルを収録しています。このチュートリアルは http://java.sun.com/products/jndi/tutorial/ から入手できます。
Directory Server Enterprise Edition はスタンドアロン製品として、Sun Java Enterprise System のコンポーネントとして、Sun Java Identity Management Suite のような Sun 製品のスイートの一部として、または Sun のその他のソフトウェア製品のアドオンパッケージとしてライセンスを与えることができます。Java Enterprise System は、ネットワークまたはインターネット環境で分散配備されるエンタープライズアプリケーションをサポートするソフトウェアインフラストラクチャーです。Directory Server Enterprise Edition が Java Enterprise System のコンポーネントとしてライセンスされる場合、http://docs.sun.com/coll/1286.3 から入手可能なシステムマニュアルに目を通してください。
Identity Synchronization for Windows は Message Queue を制限されたライセンスで使用します。Message Queue のマニュアルは http://docs.sun.com/coll/1661.1 から入手できます。
Identity Synchronization for Windows は、Microsoft Windows のパスワードポリシーを管理するための製品です。
Windows Server 2003 のパスワードポリシーについての情報は、Microsoft TechNet Web サイトで公開されています。
Microsoft 証明書サービスのエンタープライズルート認証局に関する情報は、Microsoft サポートオンライン Web サイトで公開されています。
Microsoft システムでの LDAP over SSL の設定に関する情報は、Microsoft サポートオンライン Web サイトで公開されています。
Directory Server Enterprise Edition では、お客様による再配布が可能なファイルは提供されません。
この節では、マニュアルで使用するデフォルトのパスについて説明し、オペレーティングシステムや配備タイプによって異なるコマンドの場所を示します。
次の表では、このドキュメントで使用するデフォルトのパスについて説明します。インストールされているファイルの詳細な説明については、次の製品マニュアルを参照してください。
プレースホルダ |
説明 |
デフォルト値 |
---|---|---|
install-path |
Directory Server Enterprise Edition ソフトウェアのベースインストールディレクトリを表します。 ソフトウェアは、このベース install-path の下位のディレクトリにインストールされます。たとえば、Directory Server ソフトウェアは install-path/ds6/ にインストールされます。 |
dsee_deploy(1M) を使用して ZIP 形式の配布からインストールするとき、デフォルトの install-path は現在のディレクトリです。install-path は、dsee_deploy コマンドの -i オプションを使用して設定できます。 Java Enterprise System インストーラを使用する場合など、ネイティブパッケージ配布からインストールする場合、デフォルトの install-path は次のいずれかの場所になります。
|
instance-path |
Directory Server または Directory Proxy Server のインスタンスのフルパスを表します。 このマニュアルでは、Directory Server には /local/ds/ を、Directory Proxy Server には /local/dps/ を使用します。 |
デフォルトのパスはありません。ただしインスタンスのパスは、常にローカルファイルシステム上に存在します。 推奨されるディレクトリは以下のとおりです。 /var (Solaris システム) /global (Sun Cluster を使用する場合) |
serverroot |
インストールごとに異なります。Directory Server では、serverroot の概念が存在しなくなったことに注意してください。 |
|
isw-hostname |
インストールごとに異なります |
|
/path/to/cert8.db |
Identity Synchronization for Windows におけるクライアントの証明書データベースのデフォルトのパスおよびファイル名を表します |
current-working-dir/cert8.db |
serverroot/isw-hostname/logs/ |
システムマネージャー、各コネクタ、および Central Logger のログを Identity Synchronization for Windows がローカルに保存する場所のデフォルトパスを表します |
インストールごとに異なります |
serverroot/isw-hostname/logs/central/ |
インストールごとに異なります |
以下の表は、Directory Server Enterprise Edition のマニュアルで使用されるコマンドの場所の一覧です。これらの各コマンドの詳細については、それぞれのマニュアルページを参照してください。
表 P–4 コマンドの場所
コマンド |
Java ES ネイティブパッケージ配布 |
ZIP 形式の配布 |
---|---|---|
cacaoadm |
Solaris - /usr/sbin/cacaoadm |
Solaris - install-path/dsee6/cacao_2/usr/sbin/cacaoadm |
Red Hat - /opt/sun/cacao/bin/cacaoadm |
Red Hat、HP-UX - install-path/dsee6/cacao_2/cacao/bin/cacaoadm |
|
Windows - install-path\share\cacao_2\bin\cacaoadm.bat |
Windows - install-path\dsee6\cacao_2\bin\cacaoadm.bat |
|
certutil |
Solaris - /usr/sfw/bin/certutil |
install-path/dsee6/bin/certutil |
Red Hat - /opt/sun/private/bin/certutil |
||
install-path/dps6/bin/dpadm |
install-path/dps6/bin/dpadm |
|
install-path/dps6/bin/dpconf |
install-path/dps6/bin/dpconf |
|
install-path/ds6/bin/dsadm |
install-path/ds6/bin/dsadm |
|
install-path/dscc6/bin/dsccmon |
install-path/dscc6/bin/dsccmon |
|
install-path/dscc6/bin/dsccreg |
install-path/dscc6/bin/dsccreg |
|
install-path/dscc6/bin/dsccsetup |
install-path/dscc6/bin/dsccsetup |
|
install-path/ds6/bin/dsconf |
install-path/ds6/bin/dsconf |
|
提供されていません |
install-path/dsee6/bin/dsee_deploy |
|
install-path/ds6/bin/dsmig |
install-path/ds6/bin/dsmig |
|
install-path/ds6/bin/entrycmp |
install-path/ds6/bin/entrycmp |
|
install-path/ds6/bin/fildif |
install-path/ds6/bin/fildif |
|
提供されていません |
zip 形式の配布を解凍したディレクトリにあります |
|
install-path/ds6/bin/insync |
install-path/ds6/bin/insync |
|
install-path/ds6/bin/ns-accountstatus |
install-path/ds6/bin/ns-accountstatus |
|
install-path/ds6/bin/ns-activate |
install-path/ds6/bin/ns-activate |
|
install-path/ds6/bin/ns-inactivate |
install-path/ds6/bin/ns-inactivate |
|
install-path/ds6/bin/repldisc |
install-path/ds6/bin/repldisc |
|
install-path/ds6/bin/schema_push |
install-path/ds6/bin/schema_push |
|
smcwebserver |
Solaris、Linux - /usr/sbin/smcwebserver |
このコマンドは、ネイティブのパッケージディストリビューションを使用してインストールされる DSCC にのみ関係します。 |
Windows - install-path\share\webconsole\bin\smcwebserver |
||
wcadmin |
Solaris、Linux - /usr/sbin/wcadmin |
このコマンドは、ネイティブのパッケージディストリビューションを使用してインストールされる DSCC にのみ関係します。 |
Windows - install-path\share\webconsole\bin\wcadmin |
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P–5 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
|
---|---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 machine_name% you have mail. |
|
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
machine_name% su Password: |
|
aabbcc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
|
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャー・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
|
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
|
\ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
|
コード例は次のように表示されます。
C シェル
machine_name% command y|n [filename] |
C シェルのスーパーユーザー
machine_name# command y|n [filename] |
Bourne シェルおよび Korn シェル
$ command y|n [filename] |
Bourne シェルおよび Korn シェルのスーパーユーザー
# command y|n [filename] |
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
次の表は、デフォルトのシステムプロンプトとスーパーユーザープロンプトを示しています。
表 P–6 シェルプロンプト
シェル |
プロンプト |
---|---|
UNIX および Linux システムの C シェル |
machine_name% |
UNIX および Linux システムの C シェルのスーパーユーザー |
machine_name# |
UNIX および Linux システムの Bourne シェルおよび Korn シェル |
$ |
UNIX および Linux システムの Bourne シェルおよび Korn シェルのスーパーユーザー |
# |
Microsoft Windows のコマンド行 |
C:\ |
次の表に、このマニュアルで使用する記号の表記規則を示します。
表 P–7 記号の規則
記号 |
説明 |
例 |
意味 |
---|---|---|---|
[ ] |
省略可能な引数やコマンドオプションが含まれます。 |
ls [-l] |
-l オプションは必須ではありません。 |
{ | } |
必須のコマンドオプションの選択肢を囲みます。 |
-d {y|n} |
-d オプションには y 引数か n 引数のいずれかを使用する必要があります。 |
${ } |
変数参照を示します。 |
${com.sun.javaRoot} |
com.sun.javaRoot 変数の値を参照します。 |
- |
同時に押すキーを示します。 |
Control-A |
Control キーを押しながら A キーを押します。 |
+ |
順番に押すキーを示します。 |
Ctrl + A + N |
Control キーを押してから放し、それに続くキーを押します。 |
-> |
グラフィカルユーザーインタフェースでのメニュー項目の選択順序を示します。 |
「ファイル」->「新規」->「テンプレート」 |
「ファイル」メニューから「新規」を選択します。「新規」サブメニューから「テンプレート」を選択します。 |
Sun のサービス |
URL |
内容 |
---|---|---|
マニュアル |
PDF 文書および HTML 文書をダウンロードできます。 |
|
サポートおよびトレーニング |
技術サポート、パッチのダウンロード、および Sun のトレーニングコース情報を提供します。 |