ほとんどのディレクトリは、読み取り、検索、または比較を行うために、少なくとも 1 つのサフィックスに匿名でアクセスできるように設定されています。社員が検索できる電話帳のような、企業内の個人情報を収めたディレクトリを管理している場合、そのためのアクセス権の設定が必要になることがあります。これは Example.com 社内のケースであり、「ACI「Anonymous Example.com」」にその例が示されています。
Example.com 社では、ISP として、世界中からアクセス可能な公開電話帳を作成し、契約者全員の連絡先情報を公開することも計画しています。これについては、「ACI「Anonymous World」」で例を示しています。
Example.com 社の社員に Example.com ツリー全体を対象とした読み取り、検索、および比較アクセス権を与えるには、LDIF で次のような文を作成します。
aci: (targetattr !="userPassword")(version 3.0; acl "Anonymous example"; allow (read, search, compare) userdn= "ldap:///anyone") ;) |
この例では、aci を dc=example,dc=com エントリに追加することを仮定しています。userPassword 属性は ACI の対象に含まれていません。
機密属性や表示すべきではない属性は、前の例でパスワード属性を保護しているのと同じように、「(targetattr !="attribute-name ")」の構文を用いて保護してください。
個人契約者サブツリーの読み取りおよび検索アクセス権を世界中に与え、非公開にする契約者の情報へのアクセスを拒否するには、LDIF で次のような文を作成します。
aci: (targetfilter= "(!(unlistedSubscriber=yes))") (targetattr="homePostalAddress || homePhone || mail") (version 3.0; acl "Anonymous World"; allow (read, search) userdn="ldap:///anyone";) |
この例では、ACI を ou=subscribers,dc=example, dc=com エントリに追加することを仮定しています。また、各契約者のエントリには、yes または no の値を持つ unlistedSubscriber 属性が設定されているものとします。非公開契約者は、この属性値に基づいて、ターゲット定義のフィルタによって除外されます。フィルタ定義については、「フィルタを使用したターゲットの設定」を参照してください。