この節では、デフォルト以外のレプリケーションマネージャーを設定する方法とデフォルトのレプリケーションマネージャーパスワードを設定する方法を説明します。
レプリケーションマネージャーは、サプライヤがレプリケーション更新を送信する場合に、コンシューマサーバーにバインドするために使用するユーザーです。更新を受け取るサフィックスを持つすべてのサーバーでは、少なくとも 1 つのレプリケーションマネージャーエントリが必要です。
Directory Server にはデフォルトのレプリケーションマネージャーエントリがあり、特に単純なレプリケーション事例の場合に、すべてのサーバーで使用できます。cn=replication manager,cn=replication,cn=config。レプリケーションメカニズムは、このユーザーを使用してコンシューマレプリカを自動的に設定するので、レプリカを簡単に配備できます。
複雑なレプリケーション事例の場合は、レプリケートされたサフィックスごとに異なるパスワードを持つ複数のレプリケーションマネージャーが必要になることがあります。既存のデフォルトのレプリケーションマネージャーを 1 つまたは複数の新しいレプリケーションマネージャーで置き換えることができます。
レプリケーションマネージャーエントリの DN とパスワードを使用して、バインドを実行したり、サーバー上で処理を行うことはできません。レプリケーションマネージャーはレプリケーションメカニズムでのみ使用します。他の用途では、レプリカの再初期化が必要になることがあります。
ディレクトリマネージャーをレプリケーションマネージャーとして使用することはできません。cn=admin,cn=Administrators,cn=config エントリは、他の管理作業でも使用するため、管理者グループのこのユーザーまたは他のすべてのユーザーもレプリケーションマネージャーとして使用できません。
各コンシューマのレプリケーションマネージャーを選択したら、選択または作成したレプリケーションマネージャーの DN を覚えておきます。この DN とそのパスワードは、あとからこのコンシューマのサプライヤとの間でレプリケーションアグリーメントを作成するときに必要です。
このタスクは DSCC を使用して実行することができます。詳細については、「Directory Service Control Center のインタフェース」および DSCC オンラインヘルプを参照してください。
すべてのコンシューマ (ターゲット) のレプリカサフィックスに対して、新しいレプリケーションマネージャーとパスワードを作成します。
$ ldapmodify -a -h host -p port -D cn=admin,cn=Administrators,cn=config -w - Enter bind password: dn:"cn=new-replication-manager,cn=replication,cn=config" objectclass: top objectclass: person userpassword:password sn:new-replication-manager |
次に例を示します。
$ ldapmodify -a -h host1 -p 1389 -D cn=admin,cn=Administrators,cn=config -w - Enter bind password: dn:"cn=ReplicationManager3,cn=replication,cn=config" objectclass: top objectclass: person userpassword:secret sn:ReplicationManager3 |
すべてのコンシューマ (ターゲット) のレプリカサフィックスに対して、レプリケーションマネージャーバインド DN を設定します。
$ dsconf set-suffix-prop -h host -p port suffix-DN \ repl-manager-bind-dn:"cn=new-replication-manager,cn=replication,cn=config" |
次に例を示します。
$ dsconf set-suffix-prop -h host1 -p 1389 dc=example,dc=com \ repl-manager-bind-dn:"cn=ReplicationManager3,cn=replication,cn=config" |
すべてのサプライヤ (ソース) のレプリカサフィックスに作成したすべてのレプリケーションアグリーメントに、レプリケーションマネージャーバインド DN を設定します。
新しいレプリケーションマネージャーパスワードを設定する一時ファイルを作成します。
このファイルが一度読み取られ、パスワードは将来使用するために格納されます。
$ echo password > password-file |
更新の実行時に、レプリケーションメカニズムで使用するレプリケーションマネージャーバインド DN とパスワードを設定します。
$ dsconf set-repl-agmt-prop -h host -p port suffix-DN host:port \ auth-bind-dn:"cn=new-replication-manager,cn=replication,cn=config" \ auth-pwd-file:password-file |
次に例を示します。
$ dsconf set-repl-agmt-prop -h host2 -p 1389 dc=example,dc=com host1:1389 \ auth-bind-dn:"cn=ReplicationManager3,cn=replication,cn=config" \ auth-pwd-file:pwd.txt |
一時パスワードファイルを削除します。
$ rm password-file |
レプリケーションマネージャーパスワードを設定するための一時ファイルを作成します。
このファイルが一度読み取られ、パスワードは将来使用するために格納されます。
$ echo password > password-file |
レプリケーショントポロジのすべてのコンシューマ (ターゲット) サーバーに、レプリケーションマネージャーバインドパスワードを設定します。
$ dsconf set-server-prop -h host -p port def-repl-manager-pwd-file:password-file |
次に例を示します。
$ dsconf set-server-prop -h host1 -p 1389 def-repl-manager-pwd-file:pwd.txt |
一時パスワードファイルを削除します。
$ rm password-file |