ネームサービスは、ユーザー、マシン、およびアプリケーションがネットワーク上で互いに通信するために必要な情報を 1 つの場所にまとめて格納します。この情報には、マシン (ホスト) の名前とアドレス、ユーザー名、パスワード、アクセス権、グループメンバーシップ、プリンタなどがあります。集中型のネームサービスがなければ、各マシンがこの情報のコピーを個別に維持しなければなりません。ネームサービスの情報はファイル、マップ、またはデータベーステーブルに格納できます。すべてのデータを集中化すれば、管理が容易になります。
Solaris OS では、次のネームサービスをサポートします。
DNS (ドメインネームシステム)
/etc ファイル (UNIX® オリジナルのネームシステム)
NIS (ネットワーク情報サービス)
NIS+ (ネットワーク情報サービスプラス)
LDAP (Lightweight Directory Access Protocol)
ただし、Sun の戦略的な方向性は、LDAP ベースのネームサービスへの移行です。
LDAP ネームサービスには、ほかのネームサービスにない次の利点があります。
アプリケーション固有のデータベースを置き換えることによって情報を統合し、管理が必要なデータベースの数を減らすことができる
複数の異なるネームサービス間でデータを共有できる
データの集中リポジトリを提供する
マスターサーバーとレプリカの間で、より頻繁なデータ同期が可能になる
マルチプラットフォームおよびマルチベンダー互換
LDAP ネームサービスには、次の制限があります。
Solaris 8 よりも前のクライアントはサポートされていません。
LDAP ネームサービスの設定と管理はほかに比べて複雑であり、慎重な計画が必要です。
同じクライアントマシン上で NIS クライアントとネイティブ LDAP クライアントが共存できません。
Solaris OS は、LDAP ディレクトリサーバーに加えて、Sun Java System Directory Server との組み合わせで LDAP ネームサービスをサポートします。Sun Java System Directory Server の使用も推奨されていますが、必須ではありません。