論理ドメインはすべて同じですが、論理ドメインに対して指定する役割に基づいてそれぞれ区別できます。論理ドメインが実行できる役割は、次のとおりです。
制御ドメイン。このドメインでは、Logical Domains Manager が実行されます。ほかの論理ドメインを作成および管理したり、ほかのドメインに仮想リソースを割り当てたりすることができます。制御ドメインは、サーバーごとに 1 つだけ存在できます。制御ドメインは、Logical Domains ソフトウェアをインストールすると最初に作成されるドメインです。制御ドメインの名前は primary です。
サービスドメイン。サービスドメインは、仮想スイッチ、仮想コンソール端末集配信装置、仮想ディスクサーバーなどの仮想デバイスサービスをほかのドメインに提供します。どのドメインも、サービスドメインとして構成できます。
I/O ドメイン。I/O ドメインは、PCI EXPRESS® コントローラのネットワークカードなど、物理 I/O デバイスに対する直接の所有権と直接のアクセス権を持っています。I/O ドメインは、仮想デバイスの形式で、ほかのドメインと物理デバイスを共有するためにサービスドメインとして使用されることがよくあります。制御ドメインは I/O ドメインであり、サービスドメインとしても使用できます。設定できる I/O ドメインの数は、プラットフォームによって異なります。たとえば、Sun SPARC Enterprise® Server T5440 を使用している場合は、最大 4 つの I/O ドメインを設定できます。
ゲストドメイン。ゲストドメインは、I/O ドメイン以外のドメインで、1 つ以上のサービスドメインによって提供される仮想デバイスサービスを使用します。ゲストドメインは、物理 I/O デバイスを持っておらず、仮想ディスクや仮想ネットワークインタフェースなどの仮想 I/O デバイスのみを持ちます。
Logical Domains Manager は、Logical Domains でまだ構成されていない既存のシステムにインストールできます。この場合、OS の現在のインスタンスが制御ドメインになります。また、このシステムは、唯一のドメインとして制御ドメインを持つ Logical Domains システムとして構成されます。制御ドメインを構成したあと、システム全体をもっとも効率的に利用できるように、アプリケーションの負荷をほかのドメイン間で分散できます。これを行うには、ドメインを追加し、制御ドメインから新しいドメインにアプリケーションを移動します。