日本語入力システムの概要とセットアップ

第 3 章 ATOK8 セットアップとファイル

この章では、ATOK8 を使用する際に必要な使用環境のセットアップと、ATOK8 のファイル構成について説明します。


注 -

この章で説明する設定や操作は、すべて一般ユーザーで作業してください。


3.1 使用環境のセットアップ

複数の日本語入力システムのインストールがされている場合、ウィンドウシステムのデフォルトの日本語入力システムは、次の優先順位で決まります。

  1. Wnn6

  2. ATOK8

  3. cs00

たとえば、Wnn6 と ATOK8 がインストールされている場合、Wnn6 がデフォルトの日本語入力システムになります。

ATOK8 以外の日本語入力システムを使用するように設定されている状態で、ATOK8 を使用するには、ワークスペースメニューから「ATOK8 に設定...」 [実際には、「ATOK8 に設定...」を選択すると、atok8setup コマンドが実行されます。atok8setup コマンドの詳細は、atok8setup(1) のマニュアルページを参照してください。] を選択し、一度ログアウトしてから、再度ログインします。

「ATOK8 に設定...」の位置は、図 3-1 または、図 3-2 を参考にしてください。

図 3-1 Solaris CDE で日本語入力システムを切り替える

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図 3-2 日本語 OpenWindows で日本語入力システムを切り替える

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3.1.1 その他の環境設定

次の環境変数の設定が必要です。

3.2 ファイル構成

3.2.1 ATOK8 のパッケージ構成

ATOK8 をウィンドウシステム上で利用するには、ウィンドウシステムのパッケージに加え、JSat8xw パッケージが必要です。JSat8xw [エンドユーザークラスタ以上のクラスタを選んでインストールする場合は、標準でインストールされます。] パッケージ は表 3-1 のファイルで構成されています。

表 3-1 JSat8xw パッケージの内容 - 1
/usr/openwin/bin/
atok8 日本語入力サーバー本体
atok8dicm 辞書メンテナンスコマンド
atok8migd ATOK7 辞書移行コマンド
atok8setup セットアップスクリプト
usr/openwin/lib/locale/ja/app-befaults/
Atok8 app-defaultsファイル
/usr/openwin/lib/locale/ja/atok8/
atok8.ucf デフォルトの環境設定ファイル
atok8.ucf.like7 環境設定ファイル ATOK7 (Solaris 用) に似たキーバインドを好むユーザー用
atok8.dic 基本辞書マスター
atok8tkj.dic 単漢字辞書マスター
atok8you.dic 空辞書マスター

次の表 3-2 にあるファイルはユーザーが直接実行したり、参照したりすることはありません。


注意 - 注意 -

ファイル名やパス名は将来変更される場合があります。


表 3-2 JSat8xw パッケージのファイル - 2
/usr/openwin/lib/locale/ja/atok8/ 
atok8conftool 環境設定ツールのバイナリファイル
atok8dictool 辞書メンテナンスツールのバイナリファイル
atok8wordreg 単語登録ウィンドウのバイナリファイル
/usr/openwin/lib/locale/ja/atok8/keymap/ 
default  キーマップファイル
/usr/openwin/lib/locale/ja/LC_MESSAGES/ 
JS_ATOK8_CONFTOOL.cat  環境設定ツール用メッセージカタログ
JS_ATOK8_SETUP.mo セットアップスクリプト用メッセージオブジェクト
/usr/openwin/lib/locale/ja/help/ 
atok8.hlp  ヘルプファイル
atok8conftool.hlp  環境設定ツール用ヘルプファイル
atok8dictool.hlp  辞書メンテナンスツール用ヘルプファイル
/usr/openwin/lib/locale/ja/imsscript/
S549atok8  atok8 自動起動用シェルスクリプト (ja ロケール用)
/usr/openwin/lib/locale/ja_JP.PCK/ imsscript/
S549atok8  atok8 自動起動用シェルスクリプト (ja_JP.PCK ロケール用)
/usr/openwin/lib/locale/ja_JP.UTF-8/immsscript/ 
S549atok8 atok8 自動起動用シェルスクリプト (ja_JP.UTF-8 ロケール 用)
/usr/openwin/lib/locale/ja/udcscript/ 
ATOK8_udcregister 外字ツール単語登録支援機能用シェルスクリプト

3.2.2 ATOK8 使用時に作成または更新されるファイルとディレクトリ

次のファイルは、ATOK8 を初めて起動したときに /usr/openwin/lib/locale/ja/atok8 の下の同名のファイルから自動的にコピーされます。

表 3-3 ユーザーのホームディレクトリ下の ATOK8 関連ファイル
$HOME/.atok8/ 
atok8.ucf  ユーザー用環境ファイル
atok8.dic  ユーザー用辞書
atok8tkj.dic  ユーザー用単漢字辞書
atok8you.dic  ユーザーカスタマイズ用空辞書

3.2.3 ATOK8 の自動起動設定時に作成または更新されるファイル

次のファイルは、ATOK8 の自動起動設定時に作成または更新されます。

表 3-4 ユーザーのホームディレクトリ下の ATOK8 関連ファイル
$HOME/ 
.openwin-init  日本語 OpenWindows 起動ファイル
.dtprofile Solaris CDE 起動時に使用する個人環境設定用スクリプトファイル