Solaris 7 ご使用にあたって (SPARC 版)

第 3 章 更新情報 (1998 年 10 月 30 日)

この章では、印刷マニュアル『Solaris 7 ご使用にあたって (SPARC 版)』(PartNo: 805-4233-10) の作成後に明らかになった、1998 年 10 月 30 日現在で最新のバグ情報と注意事項について説明します。

Solaris 7 インストールの注意事項とバグ情報

Solaris Web Start 1.0 インストールに関する注意事項とバグ情報

一部のロケールで追加のパッケージをインストールする必要がある (バグ ID:4177642)

Solaris Web Start 1.0 を使用して、表 3-1 に示すロケールを選択してデスクトップ製品をインストールした場合、次のパッケージがインストールされません。これらのパッケージを追加する必要があります。

該当するロケールは、次のとおりです。

表 3-1
 ロケール 使用国名
da デンマーク
nl オランダ
nl_BE ベルギー
fi フィンランド
fr_CA カナダ
fr_BE ベルギー
fr_CH スイス
de_CH スイス
no ノルウェー (ブークモール)
pt ポルトガル
pt_BR ブラジル
en_IE アイルランド
en_NZ ニュージーランド
de_AT オーストリア
ru ロシア
ru.koi8-r ロシア
cz チェコ
hu ハンガリー
et エストニア
pl ポーランド
el ギリシア
tr トルコ
lv ラトヴィア
lt リトアニア
sq_AL アルバニア
sk_SK スロヴァキア
sl_SI スロヴェニア
hr_HR クロアチア
nr ボスニア
ro_RO ルーマニア
sr_SP セルビア
bg_BG ブルガリア
mk_MK マケドニア
no_NY ノルウェー (ニーノシク)
ar エジプト
he イスラエル
fr.UTF-8 フランス
(UTF-8) de.UTF-8 ドイツ
(UTF-8) it.UTF-8 イタリア
(UTF-8) es.UTF-8 スペイン
(UTF-8) sv.UTF-8 スウェーデン
(UTF-8) fr_BE.ISO8859-15 フランス (ユーロ)
el.sun_eu_greek  ギリシア (ユーロ)
nl_BE.ISO8859-15 ベルギー (ユーロ)
nl.ISO8859-15 オランダ (ユーロ)
pt.ISO8859-15 ポルトガル (ユーロ)
de_AT.ISO8859-15 ドイツ (ユーロ)
en_IE.ISO8859-15 アイルランド (ユーロ)
da.ISO8859-15 デンマーク (ユーロ)
fi.ISO8859-15 フィンランド (ユーロ)

パッケージの追加方法については、pkgadd のマニュアルページを参照してください。

Solaris 7 実行時の注意事項とバグ情報

CDE に関する注意事項とバグ情報

Solaris 7 オペレーティング環境での Motif プログラムのコンパイルについて (バグ ID:4172061)

Solaris 7 オペレーティング環境で Motif プログラムをコンパイルする時に、Solaris 2.5 または Solaris 2.6 オペレーティング環境でコンパイルした Motif API を使用している共有ライブラリにリンクすると、コアダンプが発生します。これは、Solaris 2.5 または Solaris 2.6 オペレーティング環境でコンパイルされた共有ライブラリは Motif 1.2 を使用しており、Solaris 7 オペレーティング環境でコンパイルされたプログラムは Motif 2.1 を使用しているためです。これはバイナリ互換の問題ではないので、Solaris 2.4、2.5、2.5.1、2.6 オペレーティング環境でコンパイルしたアプリケーションは、Solaris 7 オペレーティング環境で問題なく動作します。

回避方法 : Solaris 2.6 オペレーティングシステム上の /usr/dt/include/ ディレクトリにある、Solaris 2.6 Motif ヘッダーファイルディレクトリ Xm を、/tmp ディレクトリにコピーしてから、次のいずれかの方法を行なってください。

方法 1 :


cc m.c -I/usr/openwin/include -I/usr/dt/include -lXm -lXt -lX11 
通常上記のようになっている Motif コンパイル行を、次のように修正してください。

cc m.c -I/usr/openwin/include -I/tmp -I/usr/dt/include 
/usr/lib/libXm.so.3 -lXt -lX11

方法 2 :

  1. /usr/dt/lib/libXm.so.3 ファイルを /tmp ディレクトリにコピーします。

  2. /tmp ディレクトリで ln -s libXm.so.3 libXm.so コマンドを実行します。

  3. 次のような Motif コンパイル行を使用します。


    cc m.c -I/usr/openwin/include -I/tmp -I/usr/dt/include 
    -L/tmp -lXm -lXt -lX11

システム管理に関する注意事項とバグ情報

ネットワーク (nt) audit クラスの監査を実行するとシステム障害が発生する (バグ ID:4172702)

監査を有効にしているときに、ネットワーク監査イベント (nt クラス) を監査対象として選択すると、システム障害が発生します。

回避方法 : 個々のユーザーに対してまたは全ユーザーに対するデフォルトとして監査を有効にする場合に、ネットワーク監査イベント (nt クラス) またはすべての監査イベント (all クラス) を監査対象として指定しないでください。Solaris 7 オペレーティング環境では、これらのクラスは使用できません。個々のユーザーに対する監査は、/etc/security/audit_user ファイルで制御します。このファイルには、username:classes:classes という形式のエントリが含まれています。classes フィールドに all および nt クラスを指定しないでください。たとえば、/etc/security/audit_user ファイル中のエントリを、次のように変更しないでください。


root:lo,nt:no
bill:all:no

デフォルトの監査は、/etc/security/audit_control ファイルで制御します。このファイルには flags:classes という形式のフラグエントリが含まれています。このファイルでも、classes フィールドに all および nt クラスを指定しないでください。たとえば、/etc/security/audit_control ファイル中の flags エントリを、次のように変更しないでください。


dir:/var/audit
flags:nt
minfree:20
naflags:lo

この問題は、Solaris 7 のパッチ 106832 を適用すると解消できます。

セキュリティに関する注意事項とバグ情報

Solaris 7 の praudit および auditreduce が Solaris 2.6 の監査ファイルを処理できない (バグ ID:4167174 および 4168892)

Solaris 7 の監査トレールは、Solaris 2.3、2.4、2.5、2.5.1、2.6 オペレーティング環境で生成された監査トレールと互換性がありません。Solaris 2.3、2.4、2.5、2.5.1、2.6 オペレーティング環境で生成された監査ファイルを、Solaris 7 オペレーティング環境において praudit コマンドおよび auditreduce コマンドを使用して処理することはできません。

回避方法 : 監査トレールの処理は、それが生成されたオペレーティング環境と同じリリースの Solaris 環境で行なってください。この問題は、Solaris 7 のパッチ 106832 を適用すると解消されます。

AnswerBook2 に関する注意事項とバグ情報

AnswerBook2 の印刷機能を利用してマニュアルページを印刷・表示すると文章が重なって出力されることがある (バグ ID:4184935, 4184949)

AnswerBook2 の印刷機能を利用してマニュアルページを印刷または表示した場合、マニュアルページに記述されている文章が重なって出力されることがあります。

回避方法 : ブラウザの印刷機能を利用して印刷してください。文章が重なることなく印刷できます。

なお、AnswerBook2 の印刷機能についての詳細は、AnswerBook2 のオンラインヘルプ「AnswerBook2 を使ったオンライン文書の表示」を参照してください。

マニュアルに関する情報

マニュアル中のバグ情報

OpenBoot PROM boot コマンドの動作 (バグ ID:4181145)

boot コマンド行でファイル名またはその他の引数が指定されている場合、PROM は既存の boot-file または diag-file の設定を無視しますが、このことが Solaris 7 の boot(1m) のマニュアルページに説明されていません。通常 OpenBoot の boot コマンドには、次のような形式で引数を指定します。


ok boot [device-specifier] [arguments] 

デフォルトの boot コマンドには、引数は指定されていません。device-specifierboot コマンド行に指定されている場合、OpenBoot は boot-device または diag-device NVRAM 変数を使用します。boot コマンド行に何も引数が指定されていない場合は、OpenBoot はデフォルトの引数として、boot-file または diag-file NVRAM 変数を使用します。

引数には複数の文字列を指定することができます。引数として指定された文字列はすべて二次ブートシステムに渡され、OpenBoot では解釈されません。boot コマンド行で引数が指定されている場合は、boot-file および diag-file NVRAM 変数は使用されません。NVRAM 変数の内容は、コマンド行引数の内容と組み合わせられません。


注 -

上記の動作は、OpenBoot 2.x または OpenBoot 3.x に基づく大部分のシステムに該当します。ただしプラットフォームによって動作が異なることがあります。


回避方法 :使用する boot コマンドの形式によって boot-file または diag-file が無視される場合があるので、boot-file に依存するような設定をすることは、通常はお勧めできません。

オペレーティングシステムのポリシーを変更するには、policy ファイルを変更します。通常は、システムのタイプ、ハードウェア、ファームウェア、/ (ルート) ファイルシステムに何がインストールされているかに応じて、適切なデフォルトの設定を boot コマンドが選択するようにすることが最もよい方法です。policy ファイルを変更して boot コマンドのポリシーを追加することもできますが、boot-file または diag-file を変更すると、予期しない結果が生じることがあります。