Solaris 共通デスクトップ環境 上級ユーザ及びシステム管理者ガイド

特殊ネットワーク・アプリケーション構成

この節では、次のようなアプリケーションを実行するためにシステムを構成する方法について説明します。

リモート実行ホストの指定

典型的なアプリケーション・サーバ構成では、アクション定義はアプリケーション実行可能ファイルと同じシステムにあります。しかし、アクションは他のシステムにあるコマンドを実行するために書き込むことができます。この構成では、アプリケーションが入っているシステムは「実行ホスト」と呼びます。

アクション定義は、セッション・サーバまたはセッション・サーバにアクションとデータ型のサービスを提供するシステムに置くことができます。このシステムを「データベース・サーバ」または「データベース・ホスト」と呼びます。

アクション定義は、コマンド (EXEC_STRING) を実行する位置を指定するために EXEC_HOST フィールドを使用します。たとえば次のアクション定義は、ホスト名が SysDDD であるシステムで xload クライアントが実行されるように指定します。

ACTION XloadSysDDD
 {	
 	TYPE			COMMAND
 	EXEC_HOST		SysDDD
 	EXEC_STRING		/usr/bin/X11/xload -label SysDDD
 }

EXEC_HOST フィールドが 2 つ以上のホスト名を指定する場合、デスクトップはアクションを実行できるホストを見つけるまで順番に各ホストで EXEC_STRING を実行しようとします。たとえば、次の EXEC_HOST フィールドはアクションが最初に SysDDD、失敗した場合は SysEEEEXEC_STRING を実行するように指定しています。

EXEC_HOST				SysDDD,SYSEEE

EXEC_HOST フィールドがアクション用に設定されていない場合、デフォルト値は %DatabaseHost% になります。%DatabaseHost% の値はデータ検索パスから取得されます。

たとえば、データベース検索パスは /etc/dt/config/Xsession.d/0010.dtpaths に次の行を追加することによって変更されたとします。

DTSPSYSDATABASEHOSTS=SysAAA:,/net/SysBBB/etc/dt/appconfig/types/C  

SysAAA は、ホスト修飾子構文を使用して指定されます。つまり SysAAA: になります。検索パスのこの要素を使用して見つけられるアクション定義は、データベース・ホストを SysAAA に設定します。しかし、検索パスの /net/SysBBB... 部分を使用して見つけられるアクションは、構文にはホスト修飾子が含まれていないのでデータベース・ホストにローカル・システムを設定します。

リモート実行ホストを構成するには

  1. デスクトップが必要とするオペレーティング・システムのネットワーク構成を提供します。

    詳細は、「デスクトップ用の基本オペレーティング・システムのネットワーキング構成」を参照してください。

  2. サーバに対して必要な一般デスクトップ構成を提供します。

    詳細は、「デスクトップのクライアントとサーバを構成するには」を参照してください。

  3. アプリケーションをローカル実行のために適切な方法で確実にインストールし構成します。

アクション定義が入っているシステムを構成するには

  1. デスクトップが必要とするオペレーティング・システム・ネットワーク構成を提供します。

    詳細は、「デスクトップ用の基本オペレーティング・システムのネットワーキング構成」を参照してください。

  2. サーバに対して必要な一般デスクトップ構成を提供します。

    詳細は、「デスクトップのクライアントとサーバを構成するには」を参照してください。

  3. アクション定義とアプリケーション・グループを作成しインストールします。

    詳細は、「リモート・システムでアプリケーションを実行するアクションの作成」「一般アプリケーション・グループの作成と管理」を参照してください。

セッション・サーバを構成するには

  1. デスクトップが必要とするオペレーティング・システム・ネットワーク構成を提供します。

    詳細は、「デスクトップ用の基本オペレーティング・システムのネットワーキング構成」を参照してください。

  2. クライアントに対して必要な一般デスクトップ構成を提供します。

    詳細は、「デスクトップのクライアントとサーバを構成するには」を参照してください。

  3. データベース・ホストを組み込むためにアクション検索パスを変更します。

    詳細は、「データベース (アクションとデータ型) 検索パス」を参照してください。

  4. 実行ホストを組み込むためにアプリケーション検索パスを変更します。

    詳細は、「アプリケーション検索パス」を参照してください。

アプリケーションをローカルに実行

標準アプリケーション・サーバ構成は、アプリケーション・サーバでアプリケーションを実行します。リモート・システムにアプリケーションをインストールし、セッション・サーバでローカルに実行する方が望ましいこともあります。

図 7-6 マウント・ポイントでの実行

Graphic

アプリケーション・サーバを構成するには

特別な構成は必要ありません。

セッション・サーバを構成するには

    アプリケーション検索パスを変更します。アプリケーションへのローカル絶対パスを使用します。

たとえば、sysAAA に登録されたアプリケーションを見つけるには、次の変数定義を使用します。

DTSPSYSAPPHOSTS=/net/SysAAA/etc/dt/appconfig/appmanager/C

セッション・サーバは、app-defaults、メッセージ・カタログ、共有ライブラリなどのアプリケーションの構成ファイルにアクセスできなければなりません。