標準のシステムリセットプロトコルでは、NVRAM 変数の diag-switch? が true に設定されないかぎり、ファームウェア診断は完全に省略されます。diag-switch? のデフォルト値は false です。
Ultra 450 システムで ASR 機能を使用するためには、すべてのリセット処理でファームウェア診断 (POST/OBDiag) を実行できるようにしてください。diag-switch? を単純に true に変更する方法は副作用を伴うため (『OpenBoot 3.x コマンド・リファレンスマニュアル』を参照)、Ultra 450 の OBP には、POST/OBDiag と自動的に連動するリセット処理を選択するための diag-trigger という新しい NVRAM 変数が用意されています。以下の表に、diag-trigger 変数の設定と機能を示します。
diag-switch? が true に設定されていないかぎり、diag-trigger の効果はありません。
設定 |
機能 |
---|---|
power-reset(デフォルト) |
電源投入によるリセットに対してのみ診断を実行します。 |
error-reset |
電源投入によるリセット、致命的なハードウェアエラー、ウォッチドッグリセット処理の発生時にのみ診断を実行します。 |
soft-reset |
UNIX の init 6 や reboot コマンドによって発生するリセットなど、すべてのリセット (XIR リセットは除く) で診断を実行します。 |
none |
リセット処理による診断の自動起動を無効にします。この場合でも、電源投入時に Stop キーを押しながら d キーを押すか、正面パネルのキースイッチを「診断」位置にして電源を入れることによって、手動で診断を起動することができます。 |
以下の例のように diag-trigger 変数を設定すると、XIR リセットを除くすべてのリセットで POST および OpenBoot 診断が起動されます。
ok setenv diag-switch? true ok setenv diag-trigger soft-reset