SunVTS 3.0 テストリファレンスマニュアル

第 20 章 M64 ビデオボードテスト (m64test)

m64test テストは、以下のサブテストを実行することによって PCI ベースの M64 ビデオボードを検査します。

m64test のオプション

デフォルトでは、Frame Buffer Locking を除くすべてのテストオプションが有効になっています。

図 20-1 m64test のオプションメニュー

Graphic

表 20-1 m64test のオプション

オプション 

説明 

Video Memory 

8、16、32、64 ビットと 64 バイト (ブロック) モードで M64 ビデオボードのオンスクリーンビデオメモリー (画面で確認できるメモリー部分) をテストします。このテストは、オンスクリーンビデオメモリーの各バイトに、書き込みと読み取りを行う 2 つのパスから構成されます。最初のパスでは、ランダムデータまたはコマンド行で指定されたデータを使用します。2 回目のパスでは、最初のパスで使用されたデータの 1 の補数を使用して、オンスクリーンビデオメモリーの各ビットがゼロ (電気的にはロー状態) と 1 (電気的にはハイ状態) でテストされるようにします。 

RAMDAC 

RAMDAC テストは、3 つの段階から構成されます。 

最初の段階では、単純な書き込みと読み取りパターンを使用して、RAMDAC CLUT (カラールックアップテーブル) の CLUT に不良なビットがないかどうかをテストされます。 

データパターンは以下のとおりです。 

  • ランダムデータ

  • 最初のデータパターンとして使用されたランダムデータの補数

  • データパターン 0101

  • データパターン 10101

第 2 段階では、4 種類のデータパターンを描いて、数秒ほど画面に表示したままにします。各パターンとともにシグニチャーがとられ、既知の正常なボードの対応するパターンで取得されたシグニチャーと比較されます。これにより、RAMDAC 内のすべてのデータパスが正しく機能していることが確認されます。 

4 種類のデータパターンは以下のとおりです。 

  • 赤のランプで画面の左上にカーソル

  • 青のランプで画面の右上にカーソル

  • 緑のランプで画面の左下にカーソル

  • グレーのランプで画面の右下にカーソル

第 3 段階では、300 回の割り込みを行って垂直帰線割り込みをテストします。 

Accelerator Port 

すべてのデータパス (ソース: 固定カラー、ホストデータ、blit、固定パターン) と算術論理演算装置 (ALU)、カラー比較装置、基本式 (宛先: 線分、長方形)、モノクロ - カラー拡張ロジックをテストします。使用できるデータパスと ALU 関数、カラー比較関数を組み合わせて基本式が描かれ、データの組み合わせごとにシグニチャーをとって、既知の正常なボードの対応するデータの組み合わせで取得されたシグニチャーと比較されます。 

Frame Buffer Locking 

M64 がコンソールデバイスでない場合は、このオプションを無効に設定します。M64 がコンソールデバイスの場合は、デフォルトで有効になります。M64 がコンソールデバイスでない場合は、デフォルトで無効になります。 

m64test のテストモード

グラフィックテストの性格上、グラフィックテスト中にフレームバッファーを読み書きすると、ユーザーの作業の障害になることがあります。このテストは、機能テスト (Functional Test) モードでのみ使用することができます。

表 20-2 m64test のテストモード

テストモード 

説明 

機能テスト 

M64 ビデオボードを検査します。 

m64test のコマンド行構文

/opt/SUNWvts/bin/m64test 標準引数 -o dev=デバイス名, S=サブテスト番号,F=サブテストのループ回数,B=テストのループ回数,L=disable,P=テストパターン

表 20-3 m64test のコマンド行構文

引数 

説明 

dev=デバイス名

テストするデバイスの相対パス名 (/dev/fbs を指し示す) を指定します。デフォルトは m640 です。

S=サブテスト番号

実行するサブテストのテスト番号を指定します。以下から選択してください。サブテスト番号を加算することによって、複数のサブテストを実行することができます。たとえば、n=0x00003 では、テスト 00001 とテスト 00002 の両方が実行されます。 

n=0x00005 では、テスト 0x00001 と 0x000004 の両方が実行されます。先行ゼロは必要ありません。 

n - 0x00001 VRAM

n - 0x00002 RAMDAC

n - 0x00004 アクセラレータポートテスト (描画パイプライン)

サブテスト番号の論理和をとることによって、複数のテストを選択することができます。 

たとえば、n = 0x00005 は、VRAM テストと描画パイプラインテストを意味します。 

16 進数の前には 0x を付ける必要があります。10 進数で指定することもできます。 

F=サブテストのループ回数

各サブテストを繰り返す回数を指定します。デフォルトは 1 回です。 

B=テストのループ回数

テストループを繰り返す回数を指定します。この回数繰り返されると、テストはパスしたことになります。デフォルトは 1 回です。 

L=disable

フレームバッファーロックを無効にします。M64 がコンソールでない場合、あるいはサーバーがテスト中の M64 上で動作していない場合は、ロックを無効にしてください。 

P=テストパターン

テストパターン番号を指定します。デフォルトは、ランダムパターンを示す r です。0 (0x0000000)3 (0x3333333)5 (0x5555555)9 (0x9999999) を指定することもできます。


注 -

64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。


m64test のエラーメッセージ

m64btest が返すエラーは個別的ではないため、障害の原因となった構成要素を特定することはできません。エラーの内容に関係なく、M64 ビデオボード一式を交換することになります。表 20-4 に、m64test のエラーメッセージと考えられる原因と対処方法を示します。

表 20-4 m64test のエラーメッセージ

 

エラーメッセージ 

考えられる原因 

対処方法 

6000

Out of memory

システムエラー 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6002

文字列 error: Misaligned raster.

ソフトウェアエラー 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6003

Unable to open 文字列.

デバイスが存在しません。 

デバイスが存在するか調べてください。 

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

アクセス権の制限 

デバイスのアクセス権を調べてください。 

6004

ioctl(2) Error in loading the Frame Buffer structure fbtype.

ドライバに対する IOCTL コールの失敗 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6005

ioctl(2) Error in loading the Original Color Map Values.

ドライバに対する IOCTL コールの失敗 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6006

ioctl(2) Error in Setting the Cursor Values.

ドライバに対する IOCTL コールの失敗 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6007

ioctl(2) Error in loading the GXInfo Structure fbtype.

ドライバに対する IOCTL コールの失敗 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6008

文字列 (1-byte access) error: x/y (データ) Expected 0x%02x, Actual 0x%0 2x, Xor 0x%02x.

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6009

文字列 (2-byte access) error:

x/y (データ,データ) Expected 0x%04x, Actual 0x%0 4x, Xor 0x%04x.

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6010

文字列 (4-byte access) error: x/y (データ,データ) Expected 0x%08x, Actual 0x%0 8x, Xor 0x%08x.

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6011

文字列 (8-byte access) error: x/y (データ,データ) Expected 0x%08x, Actual 0x%0 8x, Xor 0x%08x.

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6012

文字列 (64-byte access) error: x/y (データ,データ) Expected 0x%08x, Actual 0x% 08x, Xor 0x%08x.

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6013

Error in Allocating Memory mmap call Failure.

システムエラー 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6014

Error in DeAllocating Memory unmap call Failure.

システムエラー 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6015

ioctl(2) failed trying to turn on M64 video.

ドライバに対する IOCTL コールの失敗 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6016

iioctl(2) failed trying to post CLUT..

ドライバに対する IOCTL コールの失敗. 

デバイスを交換してください。 

 

r.購入先に問い合わせてください。 

デバイスの障害 

 

6017

ioctl(2) failed trying to read CLUT.

ドライバに対する IOCTL コールの失敗 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6018

Miscompare found in Red channel of CLUT entry データ. Expected 0x%02x, Ob served 0x%02x, XOR 0x%02x.

RAMDAC の障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6019

Miscompare found in Green channel of CLUT entry データ. Expected 0x%02x, Observed 0x%02x, XOR 0x%02x.

RAMDAC の障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6020

Miscompare found in Blue channel of CLUT entry データ. Expected 0x%02x, O served 0x%02x, XOR 0x%02x.

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

RAMDAC の障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6021

RAMDAC test screen CRC signature error message. Monitor type データ, Cursor Position データ, Expected Signature 0x, Actual Signature 0x

デバイスの障害 

購入先に問い合わせてください。 

6022

sysinfo(2) failed getting hostname.

システムアクセス権が必要です。 

スーパーユーザーでアクセスしてください。 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6023

Can't acquire console semaphore

システムエラー 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6024

Cannot gain control of mouse:文字列

システムエラー 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6025

Cannot gain control of keyboard:文字列

システムエラー 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6026

Already grabbed by another client

 

他の似たような処理を停止させてみてください。 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6027

grabbed at invalid time

システムエラー 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6028

grab window is not viewable

 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6029

pointer/keyboard is frozen

 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6030

Unknown cause

 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6031

ioctl(2) failed trying to get current video mode.

ドライバに対する IOCTL コールの失敗 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6032

ioctl(2) failed trying to set current video mode.

ドライバに対する IOCTL コールの失敗 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6033

ioctl(2) failed trying to get M64 system info.

ドライバに対する IOCTL コールの失敗 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6034

mmap(2) failed:文字列.

システムエラー 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6035

munmap(2) failed:文字列.

システムエラー 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6036

close(2) failed:文字列.

システムエラー 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6045

Can't access X Windows

ホストからアクセス拒否されました。 

xhost(1) を実行してください。

X サーバーが動作していない場合は、X サーバーを実行してください。 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

システムエラー 

xhost(1) を実行してください。

X サーバーが動作していない場合は、X サーバーを実行してください。 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

X サーバーが動作していません。 

xhost(1) を実行してください。

X サーバーが動作していない場合は、X サーバーを実行してください。 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6046

wait(2) failed:文字列

システムエラー 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6047

signal(2) failed:文字列

システムエラー 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6048

ioctl(2) Error in vertical retrace test.

ドライバに対する IOCTL コールの失敗 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

購入先に問い合わせてください。 

6049

Can't open display

ホストからアクセス拒否されました。 

xhost(1) を実行してください。

X サーバーが動作していない場合は、X サーバーを実行してください。 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

システムエラー 

xhost(1) を実行してください。

X サーバーが動作していない場合は、X サーバーを実行してください。 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

X サーバーが動作していません。 

xhost(1) を実行してください。

X サーバーが動作していない場合は、X サーバーを実行してください。 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6050

m64 open file failed Could not open the signature file 文字列:文字列

ファイルに対するアクセス権がないか、ファイルが存在しません。 

ファイルのアクセス権を調べてください。 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6051

m64 FTRUNCATE failed in checker.

Accelerator could not extend or truncate the signature file.

ディスク空間の不足 

不要なファイルを削除することによって、必要な空間を確保してください。 

エラーががなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6052

m64 close failed in checker.

Accelerator could not close signature file.

システムエラー 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6053

m64 check error in checker

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

エラーががなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6054

m64 ROP test failed

デバイスの障害 

デバイスを交換してください。 

エラーががなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6055

m64 IOCTL fails FBIOPUTCMAP

Error while putting color map.

システムエラーデバイスの障害 

ソフトウェアが正しくインストールされているか確認してください。 

デバイスを交換してください。 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6056

m64 IOCTL fail FBIOGETCMAP.

Error while getting color map.

IOCTL call to deriver failure

デバイスの障害 

ソフトウェアが正しくインストールされているか確認してください。 

デバイスを交換してください。 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。 

6057

Internal error Mon XLATOR

Internal error occurred while translating monitor type to index into signature file

モニタータイプが変更されています。 

エラーがなくならない場合は、購入先に問い合わせてください。