rtvctest は、SunVideo(TM) SBus カードの機能を検査します。SunVideo は、ビデオ入力をリアルタイムに取り込んで圧縮し、標準の Ethernet ネットワークを介してリアルタイムのビデオ会議を行うことを可能にする技術です。
rtvctest は、customtest として提供されています。SunVTS ユーザーインタフェースにテストを表示するには、以下の作業を行う必要があります。
SunVideo の bin ディレクトリにある、.customtest_OtherDevices ファイルをエディタで開きます。
SunVideo というラベルから始まる行のコメント指定を外します。
rtvctest は、元々 SunDiag(TM) 用に作成されたものです。テストのメッセージは、SunVTS コンソールの SunVTS INFO メッセージラッパー内に表示されます。
rtvctest は、OtherDevices グループに属しており、機能テスト (Functional Test) モードでだけ実行することができます。
rtvctest は、PROMCheck、Memory、Jalapeno、CL4000 の 4 つのサブテストから構成されます。PROMCheck サブテストは、SunVideo カードの PROM を検査します。Memory テストは、CL4000 圧縮エンジンの 2MB のメモリーや Jalapeno 特定用途向け IC (ASIC) のメモリーなどの、カード上のすべてのメモリーを検査します。また、 Jalapeno サブテストは、SBus と A/D 変換チップ、CL400 圧縮エンジン間のインタフェース論理回路を検査し、CL4000 サブテストは、圧縮エンジンの ASIC が A/D 変換チップからのデジタルビデオデータを圧縮し、そのデータを Jalapeno ASIC を介して SBus に送信できるかどうかを調べます。
rtvctest は、49 個のテストモジュールから構成されています。表 28-1 は、それらのモジュールとテスト処理順番号の対応を示しています。
表 28-1 rtvctest のテストモジュール| 
 SunVideo の検査モジュール名  | 
 テスト処理順番号  | 
|---|---|
| 
 RTVC SUNDIAG 起動  | 
 0  | 
| 
 RTVC 検査合計  | 
 1  | 
| 
 RTVC Jalapeno SMEM  | 
 2  | 
| 
 RTVC CL4000 DMEM  | 
 3  | 
| 
 RTVC Jalapeno SBus 割り込みマスク  | 
 4  | 
| 
 RTVC CL4000 割り込みマスク  | 
 5  | 
| 
 RTVC DVMA 制御レジスタ  | 
 6  | 
| 
 RTVC DVMA 転送サイズカウンタ  | 
 7  | 
| 
 RTVC DVMA メモリアドレスカウンタ  | 
 8  | 
| 
 RTVC DVMA 仮想メモリアドレスカウンタ  | 
 9  | 
| 
 RTVC DVMA スレーブ SBus 再実行レジスタ  | 
 10  | 
| 
 RTVC IIC 制御レジスタ  | 
 11  | 
| 
 RTVC IIC データレジスタ  | 
 12  | 
| 
 RTVC ビデオ DMA 制御レジスタ  | 
 13  | 
| 
 RTVC ビデオ DMA 転送サイズカウンタ  | 
 14  | 
| 
 RTVC ビデオ DMA メモリアドレスカウンタ  | 
 15  | 
| 
 RTVC ユーザー割り込み 0  | 
 16  | 
| 
 RTVC ユーザー割り込み 1  | 
 17  | 
| 
 RTVC ユーザー割り込み 2  | 
 18  | 
| 
 RTVC ユーザー割り込み 3  | 
 19  | 
| 
 RTVC ビデオ制御および状態レジスタ  | 
 20  | 
| 
 RTVC ビデオ制御フィールド線割り込み 1  | 
 21  | 
| 
 RTVC ビデオ制御フィールド線割り込み 2  | 
 22  | 
| 
 RTVC ビデオスキャン線マスクレジスタ  | 
 23  | 
| 
 RTVC ビデオ入力形式の種類  | 
 25  | 
| 
 RTVC ビデオ水平ロック  | 
 26  | 
| 
 RTVC ビデオ偶数奇数フィールド  | 
 27  | 
| 
 RTVC CL4000 ホスト制御  | 
 28  | 
| 
 RTVC CL4000 ホストロック  | 
 29  | 
| 
 RTVC CL4000 ビデオポート A 制御  | 
 30  | 
| 
 RTVC CL4000 ビデオポート B 制御  | 
 31  | 
| 
 RTVC CL4000 ビデオポート A FIFO  | 
 32  | 
| 
 RTVC CL4000 ビデオポート B FIFO  | 
 33  | 
| 
 RTVC CL4000 アドレスメモリーレジスタ  | 
 34  | 
| 
 RTVC CL4000 命令メモリーアクセスレジスタ  | 
 35  | 
| 
 RTVC タイムスタンプレジスタ  | 
 36  | 
| 
 RTVC CL4000 レジスタメモリー  | 
 37  | 
| 
 RTVC CL4000 スクラッチメモリー  | 
 38  | 
| 
 RTVC CL4000 DMA モード  | 
 39  | 
| 
 RTVC CL4000 モーション予測レジスタ  | 
 40  | 
| 
 RTVC CL4000 PSW  | 
 41  | 
| 
 RTVC CL4000 可変長コーダーレジスタ  | 
 42  | 
| 
 RTVC CL4000 チャネルメモリーレジスタ  | 
 43  | 
| 
 RTVC CL4000 CPU 制御  | 
 44  | 
| 
 RTVC CL4000 乗算制御  | 
 45  | 
| 
 RTVC CL4000 DMA 割り込み制御  | 
 46  | 
| 
 RTVC CL4000 ブロック転送モード  | 
 47  | 
| 
 RTVC CL4000 アキュミュレータの MSB  | 
 48  | 
| 
 RTVC CL4000 JPC フィールド  | 
 49  | 
| 
 RTVC SUNDIAG 終了  | 
 50  | 

SunVideo カードは、入力ポートにビデオ装置 (カメラ、ビデオディスクプレイヤー、VTRなど) を接続しなくてもテストすることができます。カードにビデオ装置を接続した場合は、ビデオソースの方式と、装置を接続した入力ポートを指定する必要があります。
ビデオソースと入力ポートのいずれか一方を指定しなかった場合は、エラーが返され、テストは終了します。
テストに使用するビデオソースの方式を選択します。表 28-2 のソースから選択することができます。
表 28-2 rtvctest のソース形式オプション| 
 ビデオソース  | 
 定義  | 
|---|---|
| 
 None  | 
 ビデオソースなし  | 
| 
 NTSC  | 
 NTSC 方式 (米国/日本標準ビデオ方式)  | 
| 
 PAL  | 
 PAL 方式 (ヨーロッパ標準ビデオ方式)  | 
ビデオソースを選択した場合は、SunVideo カードにビデオ装置を接続するために使用する入力ポートを選択します。表 28-3 のポートから選択することができます。
表 28-3 rtvctest のポートオプション| 
 入力ポート  | 
 定義  | 
|---|---|
| 
 None  | 
 入力ポートを使用しない  | 
| 
 CV1  | 
 コンポジットビデオ入力ポート 1 (RCA タイプ)  | 
| 
 CV2  | 
 コンポジットビデオ入力ポート 2 (RCA タイプ)  | 
| 
 SVHS  | 
 S-VHS 入力ポート  | 
/opt/SUNWvts/bin/rtvctest [fmt=none|ntsc|pal] [port=none|cv1|cv2|svhs] dev=rtvc デバイス
表 28-4 rtvctest コマンド行構文
64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。
| 
 エラーメッセージ  | 
 説明  | 
|---|---|
| SunVideo 10 | 
 メッセージ メッセージは、以下のいずれかです。 Missing REQUIRED argument D=rtvc[0..31]  | 
| SunVideo 20 | 
 メッセージ Error # 数値 メッセージは、以下のいずれかです。 ioctl RTVC_CMD_RESET fault ioctl RTVC_CMD_SET_VIDEO fault ioctl RTVC_CMD_GET_VIDEO fault open /dev/rtvc fault close /dev/rtvc fault open /dev/rtvcctl fault close /dev/rtvcctl fault Unknown Jalapeno Version 数値は、以下のいずれかです。 ioctl error module version  | 
| SunVideo 30 | 
 メッセージ 名前 Error # 数値 メッセージは、以下のいずれかです。 memory map fault for memory unmap fault for selected /dev/rtvc and /dev/rtvcc1 not available 名前は、以下のいずれかです。 prom sram buses reset dmem rtvc 数値は、エラー番号です。  | 
| 
 SunVideo 40  | 
 RTVC Fault Detected via module 名前 Physical Address 値 Expected Value 値 Actual Value 値 RTVC Sundiag Module number 数値 Location 位置 Message: メッセージ 名前は、テスト中のモジュールの名前です。 値は、物理アドレスと期待値、実際の値です。 数値は、テストしている SunDiag モジュールです。 位置は、不良部品の U 位置です。 メッセージは、補足メッセージです。  | 
| 
 SunVideo 41  | 
 RTVC Fault Detected via module 名前 名前は、テストしているモジュールの名前です。  | 
| 
 SunVideo 42  | 
 メッセージ 値1 Actual 値2 メッセージは、以下のいずれかです。 Video Format Expected Video Port Expected 値1 は、期待値です。 値2 は、実際の値です。  | 
| 
 SunVideo 50  | 
 メッセージ 数値 メッセージは、以下のいずれかです。 Unknown RTVC CL4000 test module Unknown RTVC Jalapeno test module Unknown RTVC test module Unknown RTVC memory test module Unknown Start Bit 数値は、モジュール番号または開始ビット位置です。  |