共通デスクトップ環境 プログラマ概要

ドラッグ&ドロップ

共通デスクトップ環境は、 Motif 1.2 ドラッグ&ドロップ API の一番上のレイア上にドラッグ&ドロップ API を提供し、デスクトップにおいて便利で一貫した相互運用可能なドラッグ&ドロップ API をサポートします。共通デスクトップ環境ドラッグ&ドロップ API により、開発者はドラッグ&ドロップを容易に実現できます。ドラッグ&ドロップがあれば、ユーザはディスプレイ上でグラブしたり、ドラッグしたり、他のオブジェクトにドロップしてオブジェクトの場所の変更やデータ転送を行い、直接画面上でオブジェクトを処理できます。

Motif 1.2 ドラッグ&ドロップはローレベルの機能を提供し、共通デスクトップ環境ドラッグ&ドロップはこれらの機能のポリシーを取り込んでいます。

共通デスクトップ環境ドラッグ&ドロップは、API と、Motif ドラッグ&ドロップへのインタフェースを単純化するプロトコルから成ります。これはバッファ転送プロトコルやドラッグ・カーソルの形状などのポリシーを実現します。共通デスクトップ環境ドラッグ&ドロップ API を組み込みポリシーと共に使用して、一貫した相互運用性を保証してください。共通デスクトップ環境ドラッグ&ドロップ・ポリシーは、テキスト転送およびファイル名転送用の標準 Motif 1.2 ドラッグ&ドロップ・プロトコルと互換性があります。

共通デスクトップ環境ドラッグ&ドロップは、データを転送するのに X 選択機能を使用します。適切なターゲットはすでに存在し、X コンソーシアムに登録されています。2 つのデスクトップ・アプリケーションは、テキスト、ファイル名、データの転送プロトコルによってデータを転送します。

既存のドラッグ&ドロップのための Motif 1.2 API は柔軟性があり、したがって熟練していない開発者には使用するのが幾分難しいところがあります。共通デスクトップ環境ドラッグ&ドロップ API は、API を単純で簡単に使用できるよういくつかの便利な機能を提供しています。

ライブラリおよびヘッダ・ファイル

デスクトップ・サービス・ライブラリ libDtSvc は、ドラッグ&ドロップも含めたあらゆるデスクトップ API へのアクセスを提供します。ドラッグ&ドロップ API をアクセスするには、Dt/Dt.h および Dt/Dnd.h ヘッダ・ファイルを取り込んでください。


注 -

アプリケーションが任意のドラッグ&ドロップ API を使用している場合、まず DtInitialize() または DtAppInitialize() を呼び出して libDtSvc ライブラリを初期化してください。詳細は、DtInitialize(3) または DtAppInitialize(3) のマニュアル・ページを参照してください。


デモ・プログラム

ドラッグ&ドロップのデモは /usr/dt/examples/dtdnd にあります。詳細は README ファイルを参照してください。

関連マニュアル

共通デスクトップ環境ドラッグ&ドロップの詳細は、関連するマニュアル・ページと『Solaris 共通デスクトップ環境 プログラマーズ・ガイド』を参照してください。