共通デスクトップ環境 プログラマ概要

ワークスペース・マネージャ

共通デスクトップ環境のワークスペース・マネージャは、複数のワークスペースをサポートします。各ワークスペースは仮想画面です。ウィンドウは 1 つのワークスペース、すべてのワークスペース、個々のワークスペースの任意の組合せのいずれにも配置できます。ワークスペースに対しては、ユーザによる動的な追加、削除、名前の変更ができます。

ワークスペース・マネージャ API は、ウィンドウが存在するワークスペースを知るのに必要な、またはウィンドウのワークスペースへの配置方法をコントロールするのに必要なアプリケーションの関数を提供します。さらに、現在のワークスペースがどれであるかなど、ワークスペース全体の状態の変更内容をアプリケーションが監視できるようにします。

共通デスクトップ環境では、デスクトップで実行するアプリケーションはワークスペース・マネージャ API の使用が必ずしも必要なわけではありません。ワークスペース・マネージャを知らなくても、ほとんどのデスクトップ・アプリケーションが予想したとおりに実行されます。特に、アプリケーションが 1 つのメイン・トップレベル・ウィンドウだけを持ち、ICCCM 1.1 および Motif 1.2 に従う場合は、デスクトップで実行するアプリケーションの共通デスクトップ環境ワークスペース・マネージャと統合する必要はありません。

ただし、複数のトップ・レベル・ウィンドウを持つ複雑なアプリケーションは、アプリケーションの状態を正しく保存および復元するために、セッション・マネージャ API と共にワークスペース・マネージャ API を使用する必要があります。ワークスペース・マネージャ API により、アプリケーションはそれぞれのウィンドウが入っているワークスペースを見つけることができます。また、セッションが再開したときに正しいワークスペースにウィンドウを表示することもできます。

ワークスペース・マネージャ API は次の作業を行います。

すべてのワークスペース・マネージャ API 関数は接頭辞 DtWsm を共用します。

ライブラリおよびヘッダ・ファイル

デスクトップ・サービス・ライブラリ libDtSvc は、ワークスペース・マネージャなど多くのデスクトップ API へのアクセスを提供します。ワークスペース・マネージャ API へアクセスするには、Dt/Dt.h および Dt/Wsm.h ヘッダ・ファイルを取り込んでください。


注 -

アプリケーションが任意のワークスペース・マネージャ API を使用する場合は、DtInitialize() または DtAppInitialize() のいずれかを呼び出して libDtSvc ライブラリを初期化してください。詳細は、DtInitialize(3)または DtAppInitialize(3) のマニュアル・ページを参照してください。


デモ・プログラム

ワークスペース・マネージャのデモは、/usr/dt/examples/dtwsm にあります。デモの詳細は、README ファイルを参照してください。

関連マニュアル

ワークスペース・マネージャの詳細は、関連するマニュアル・ページと『Solaris 共通デスクトップ環境 プログラマーズ・ガイド』を参照してください。