共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド

成功または失敗

ユーザは、ドラッグ&ドロップ操作が成功したのか、失敗したのかを知る必要があります。ドロップの成功または失敗を表示するには、遷移効果を使用します。

遷移効果にはメルト スナップ・バックの 2 つの種類があります。メルト 効果は、ユーザがドラッグ・アイコンを有効なドロップ領域にドロップしたときに使用されます。この効果では、ドラッグ・アイコンがドロップ領域に溶けこむように見えます。ドラッグ・アイコンは消え、出力先のアプリケーションに応じた何らかの表示に置き換えられます。ドラッグ・アイコンをフロントパネル上の [印刷マネージャ] コントロールにドロップすると、メルト効果だけが表示されます。ドラッグ・アイコンを [ファイルマネージャ] コントロールにドロップすると、メルト効果が表示された後に、ファイル・マネージャにアイコンが表示されます。

スナップ・バック効果は、ドロップが失敗したときに使用されます。ドロップが失敗するのは、ドロップ領域が無効である場合と、データ転送が失敗した場合の 2 つです。ユーザがドラッグ・アイコンを、無効ポインタ・ドラッグ・アイコンを表示している無効なドロップ領域の上にドロップすると、ドラッグ・アイコンはソース・アプリケーションにスナップ・バックします。

ドロップが行われると、ソースと出力先のアプリケーションは、データを転送しなくてはなりません。データ転送が失敗した場合に、出力先アプリケーションは 2 つの処理を行わなくてはなりません。まず、ドロップ項目がソース・アプリケーションにスナップ・バックされるように、ドロップが失敗したことを API に通知する必要があります。次に、ドロップが失敗した理由と、ユーザがこの状況を修正するにはどうすればいいのかをはっきりと知らせるエラー通知をユーザに表示しなければなりません。

遷移効果は、即座には行われないことがあります。アイコンは、転送が終了するまで、ドロップされた場所に表示されます。この間に、アプリケーションはカーソルをビジー状態にしておかなければなりません。転送が完了するまで、ユーザはそのアイコンを移動したり、選択することはできません。ビジー・カーソルは、ユーザに、転送の実行中であることを知らせます。

推奨 

ea: 

ドラッグによって実行できるコピー、移動、またはリンク操作をサポートするコレクションでは、ドラッグ操作中にユーザに表示するフィードバックが、単一のオブジェクトが操作されているのか、複数のオブジェクトが操作されているのかを表示する。− 238 ページ

必須 

eb: 

転送に成功すると、データはドロップ領域に格納され、アプリケーションが使用した転送アイコンはすべて削除される。− 238 ページ

必須 

ec: 

アプリケーションがドラッグ&ドロップの完了時にデータを削除する場合には、ドラッグ&ドロップ転送が成功して完了した場合にのみ削除を行う。− 238 ページ

必須 

ed: 

転送が失敗した後、データはドラッグのソースに残り、ドロップ領域には格納されない。アプリケーションが使用した転送アイコンは、すべて削除される。− 238 ページ

推奨 

ee: 

ユーザがアプリケーションのウィンドウ内の不適当なドロップ領域にオブジェクトをドロップした場合、アプリケーションはスナップ・バック効果の表示処理に参加し、ドロップが実行できなかった理由を示すエラー・ダイアログ・ボックスを表示する。− 238 ページ

必須 

6-17: 

アプリケーションに、ドラッグ&ドロップのヘルプ・ダイアログ・ボックスを用意する場合は、実行中のドラッグ&ドロップ操作を取り消すための [取消し] ボタンを格納する。− 239 ページ