メールシステムの管理

メールアドレス

「メールアドレス」には、受信者の名前と、メールメッセージが配信されるシステムが含まれます。

ネームサービスを使用しない小さなメールシステムを管理する場合、メールのアドレス指定は簡単です。つまり、ログイン名がユーザーを一意に識別します。

ただし、複数のメールボックスと、複数のドメインを持つ複数のメールシステムを管理する場合、または外部に UUCP (またはその他の) メール接続がある場合は、メールアドレス指定はもっと複雑になります。メールアドレスには「経路依存型」と「経路非依存型」があり、2 つの混用も可能です。経路依存のアドレス指定は、古い仕様に基づいており、ほとんどの場合は必要なく、また望ましくありません。

経路に依存しないアドレス指定

経路に依存しないアドレス指定では、電子メールメッセージの発信者は、受信者の名前と最終の宛先アドレスを指定する必要があります。経路に依存しないアドレスは通常インターネットのような高速ネットワークで使用されます。さらに、新しい UUCP 接続はドメイン形式の名前を頻繁に使用します。経路に依存しないアドレスは次のようなフォーマットになります。


user@host.domain

UUCP 接続は次のアドレスフォーマットで使用できます。


host.domain!user

コンピュータのドメイン階層命名方式が普及したため、経路に依存しないアドレスがより一般的になってきました。実際、以下に示すように、最も一般的な経路に依存しないアドレスはホスト名を省略し、電子メールメッセージの最終宛先の識別をドメインネームサービスにまかせています。


user@domain 

ルートに依存しないアドレスでは、まず @ 記号を検索し、ドメイン階層を右 (最上位) から左 (@ 記号の右側にある最も固有なアドレス) へと読み取ります。

経路依存のアドレス指定

経路依存のアドレス指定では、電子メールメッセージの発信者が、ローカルアドレス (通常はユーザー名) とその最終の宛先、および最終の宛先に到達するためにメッセージが通らなければならない経路を指定する必要があります。経路依存のアドレスは、UUCP ネットワーク上では一般的に使用され、フォーマットは次のとおりです。


path!host!user

電子メールアドレスの一部に感嘆符がある場合は、常に経路のすべて (またはその一部) が発信者によって指定されています。経路依存のアドレスは常に左から右に読みます。

この場合、電子メールアドレスは、次のようになります。


venus!acme!sierra!ignatz

これは、ignatz というユーザーに送信されたメールは、venus というシステムにまず送られ、それに引き続いて、acmesierra に転送されることを示しています (これはあくまでも実在する経路ではないので注意してください)。 4 つのメールハンドラのいずれかが機能しないときは、メッセージは遅れるか、配信できないとして戻されます。

uucp メールプログラムを通してメールが送信される場合、アドレス指定は経路依存に制限されません。uucp メールプログラムによっては、経路に依存しないアドレス指定も処理します。