このマニュアル NIS+ への移行 では、ネットワーク情報サービス (NIS) のネームサービスを実行するサイトを、ネットワーク情報サービスプラス (NIS+) のネームサービスを実行するサイトに変換する方法を説明します。このマニュアルは、SolarisTM 7 システムおよびネットワーク管理マニュアルセットの一部です。
このマニュアル NIS+ への移行 は、NIS から NIS+ へ移行したいと考えているシステム管理者とネットワーク管理者を対象としています。NIS+ の初期設定と構成については、『Solaris ネーミングの設定と構成』を参照してください。NIS+ のカスタマイズと詳しい管理方法については、『Solaris ネーミングの管理』を参照してください。
このマニュアルでは、NIS+ に関連するネットワーク概念について紹介しますが、ネットワークの基礎や Solaris 環境が提供する管理ツールについては説明していません。ネットワークの管理については、読者がすでに管理ツールの使用方法を知っていて、使いやすいツールも選択していると仮定しています。
このマニュアルは、次の 6 つの章から構成されています。
第 1 章「概要」では、NIS と NIS+ の機能の違いと、推奨する移行方法の概要を説明します。
第 2 章「NIS+ 名前空間の設計」では、NIS+ の名前空間を設計する方法を説明します。
第 3 章「NIS+ セキュリティ方法の選択」では、NIS+ のセキュリティ機能と、この機能が管理と移行の計画に与える影響について説明します。
第 4 章「NIS 互換モードの使用方法」では、NIS クライアントと NIS+ クライアントを同時に使用する方法と、NIS+ サーバーを NIS 互換モードで使用する方法を説明します。
第 5 章「移行の準備」では、実際に移行を始める前に必要な作業を示します。
第 6 章「移行の実行」では、NIS から NIS+ への移行を実行するために必要なステップを示します。
NIS+ および DNS の詳細については、次のマニュアルを参考にしてください。
『Solaris ネーミングの設定と構成』- NIS+ 名前空間の計画、設定、および構成を行う方法について説明しています。
『Solaris ネーミングの管理』 - NIS+ 名前空間の運用を管理する方法、およびそのセキュリティレベルを変更する方法について説明しています。
SunDocsTM プログラムでは、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. (以降、SunTM とします) の 250 冊以上のマニュアルを扱っています。このプログラムを利用して、マニュアルのセットまたは個々のマニュアルをご注文いただけます。
マニュアルのリストと注文方法については、米国 SunExpressTM, Inc. のインターネットホームページ http://www.sun.com/sunexpress にあるカタログセクションを参照してください。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P-1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、またはコード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力とは区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、または強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
¥ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を越える場合、バックスラッシュは継続を示します。 |
sun% grep `^#define ¥ XV_VERSION_STRING' |
ただし AnswerBook2TM では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の場合、filename は省略してもよいことを示します。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が適宜、併記されています。
「x86」という用語は、一般に Intel 8086 ファミリに属するマイクロプロセッサを意味します。これには、Pentium、Pentium Pro の各プロセッサ、および AMD と Cyrix が提供する互換マイクロプロセッサチップが含まれます。このマニュアルでは、このプラットフォームのアーキテクチャ全体を指すときに「x86」という用語を使用し、製品名では「Intel 版」という表記で統一しています。