ONC+ 開発ガイド

はじめに

このマニュアルでは、遠隔手続き呼び出し (RPC) と、米国 SunSoftTM, Inc. (以下、「サン・ソフト」とします) が開発した ONC+TM 分散サービスに含まれるネットワークネームサービスである NIS+ のためのプログラミングインタフェースについて説明します。

このマニュアルで説明するインタフェースは SunOSTM と SolarisTM とで共通であるため、ここでは SunOS と Solaris とは同じ意味で使用しています。Solaris 2.5 は サン・ソフト の分散コンピューティングオペレーティング環境です。これは、SunOS リリース 5.5 に ONC+ 技術、OpenWindowsTM、ToolTalkTM、DeskSetTM、OPEN LOOK、およびその他のユーティリティを統合したものです。

このマニュアルで説明するユーティリティ (オプションのユーティリティも含む)、ライブラリ関数は、すべて最新の Solaris 用のものです。Solaris は、サン・ソフトで開発したシステムソフトウェアです。旧バージョンの Solaris システムソフトウェア上でユーティリティやライブラリ関数をご使用になると、その動作が異なる場合があります。

対象読者

このマニュアルは、単独のコンピュータ用アプリケーションをネットワークに対応する分散アプリケーションに変換するユーザー、または分散アプリケーションの開発と実装を行うユーザーを対象にしています。

このマニュアルでは、基本的なプログラミングの能力と、C 言語および UNIX オペレーティングシステムの使用経験を前提としています。ネットワーク対応のプログラミングの経験があれば役に立ちますが、必須ではありません。

内容の紹介

Part 1-入門

第 1 章「ONC+ 入門」では、ONC+ 分散コンピューティングプラットフォームとサービスについて詳しく紹介します。

Part 2-遠隔手続き呼び出し (RPC)

第 2 章「TI-RPC 入門」では TI-RPC を紹介します。

第 3 章「rpcgen プログラミングガイド」では、rpcgen ツールを使用してクライアントとサーバーのスタブを作成する方法を説明します。

第 4 章「RPC プログラマインタフェース」では、プログラミング環境での RPC の使用方法について説明します。

Part 3-NIS+ アプリケーションプログラミングインタフェース

第 5 章「NIS+ プログラミングガイド」では、NIS+ アプリケーションプログラミングインタフェースについて説明します。

付録

付録 A 「XDR テクニカルノート」 では、データのフォーマットと型変換のために XDR を使用する方法を説明します。

付録 B 「RPC プロトコルおよび言語の仕様」 では、RPC 用プロトコルについて、構文と制限事項を説明します。

付録 C 「XDR プロトコル仕様」 では、XDR プロトコルと言語について説明します。

付録 D 「RPC サンプルプログラム」 では、このマニュアルで使用するサンプルプログラムの一部について、全リストを収録します。

付録 E 「portmap ユーティリティ」 では、portmap ユーティリティとその機能を説明します。付録 E 「portmap ユーティリティ」 は、SunOS の旧バージョンで作成したアプリケーションを現バージョンで使用するときに参照してください。

付録 F 「SAF を使用したポートモニタプログラムの作成」 では、アプリケーション開発の参考として、SAF を使用するポートモニタプログラムの作成方法を示します。

関連マニュアル

次のオンライン AnswerBookTM 製品はネットワークプログラミングについて説明しています。

サン・ソフト の NFSTM 分散コンピューティングファイルシステムについては、以下を参照してください。

以下の一般図書と記事には、ネットワークプログラミングについての詳しい説明があります。

マニュアルの注文方法

SunDocsTM プログラムでは、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. (以降、SunTM とします) の 250 冊以上のマニュアルを扱っています。このプログラムを利用して、マニュアルのセットまたは個々のマニュアルをご注文いただけます。

マニュアルのリストと注文方法については、米国 SunExpressTM, Inc. のインターネットホームページ http://www.sun.com/sunexpress にあるカタログセクションを参照してください。

表記上の規則

このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。

表 P-1 表記上の規則

字体または記号 

意味 

例 

AaBbCc123

コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、またはコード例を示します。 

.login ファイルを編集します。

ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。

system%

AaBbCc123

ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力とは区別して示します。 

system% su

password:

AaBbCc123

変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 

ファイルを削除するには、rm filename と入力します。

『 』 

参照する書名を示します。 

『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 

「 」 

参照する章、節、ボタンやメニュー名、または強調する単語を示します。 

第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 

この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 

¥ 

枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を越える場合、バックスラッシュは継続を示します。 

sun%  grep `^#define ¥
 XV_VERSION_STRING'

ただし AnswerBook2TM では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。

コード例は次のように表示されます。

[ ] は省略可能な項目を示します。上記の場合、filename は省略してもよいことを示します。

| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。

キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。

ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-DControl キーを押したまま D キーを押すことを意味します。

一般規則