プログラミングユーティリティ

SCCS ファイルの管理

履歴ファイルおよびすべての一時 SCCS ファイルは、SCCS サブディレクトリに保存されます。標準のファイル保護機構に加えて、SCCS では、特定のリリースを凍結したり、リリースへのアクセスを特定のユーザーに制限できます (詳細は、sccs admin(1) を参照してください)。SCCS 以外のユーティリティによる修正を禁止するため、通常は履歴ファイルのアクセス権は 444 (すべてのユーザーに対して読み取り専用) に設定されます。通常、履歴ファイルは編集しないでください。

履歴ファイルへのリンクは 1 つだけにする必要があります。SCCS ユーティリティは、修正用のコピー (x. ファイル) を変更してそのコピーの名前を変更することによって、履歴ファイルを更新します。

エラーメッセージを解釈する : sccs help

help サブコマンドは、SCCS のエラーメッセージおよびユーティリティに関する情報を表示します。

help では、引数として SCCS ユーティリティ名または SCCS のエラーメッセージのコード (括弧で示されます) を指定する必要があります。ディレクトリ /usr/ccs/lib/help には、help が表示するさまざまなメッセージが含まれているファイルがあります。

履歴ファイルのデフォルト値を変更する : sccs admin

admin コマンドを使用して、多数のパラメータ、特にフラグを設定できます。フラグは、-f オプションを使用して追加できます。

たとえば、以下のコマンドは、d フラグの値を 1 に設定します。

$ sccs admin -f d1 program.c

このフラグは、以下のコマンドを使用して削除できます。

$ sccs admin -d d program.c

最も便利なフラグを以下に示します。

b

sccs edit-b オプションを使用して、分岐を作成することができます (「分岐」を参照してください)。

dSID

sccs get または sccs edit で使用されるデフォルトの SID です。これがリリース番号の場合は、特定のリリースだけにバージョンが制限されます。

i

ID キーワードがファイルに含まれていない場合に、エラーを表示します。これは、ID キーワードがないバージョン、または誤って ID キーワードが展開されているバージョンをチェックインすることを防ぐのに便利です。

y

%Y% という ID キーワードがこのフラグの値に置き換えられます。

-tfile

file で指定したファイルに含まれるテキストを、s. ファイルにコメントとして保存します。マニュアルや設計と実装について説明するドキュメントなどを指定します。-t オプションを使用すると、s. ファイルを他のユーザーに渡す場合に、ドキュメントも確実に渡すことができます。file を省略すると、コメントは省略されます。コメントを表示するには、prt -t を使用します。

sccs admin コマンドは、ファイルに対して何度でも安全に使用できます。admin を使用する際に、現在のバージョンを取り出す必要はありません。

履歴ファイルの妥当性検査

val サブコマンドを使用すると、履歴ファイルに関する検査を行うことができます。val は、以下の状態になっていないかどうかを常に検査します。

val-r オプションを使用すると、指定した SID が存在するかどうかを調べます。

履歴ファイルの復元

他のユーザーによる編集が原因で、履歴ファイル自体が破壊されることがあります。ファイルには検査合計 (チェックサム) が含まれるため、破壊されたファイルを読み込むたびにエラーが表示されます。検査合計を修正するには、以下のコマンドを使用します。

$ sccs admin -z program.c

注 -

履歴ファイルが破壊されていると SCCS で表示されたときは、検査合計が正しくないということよりも重大な障害を示している場合があります。履歴ファイルを修正する前に、現在の変更内容を保存してください。