プログラミングユーティリティ

デルタとバージョン

バージョンをチェックインすると、SCCS は、チェックインしたテキストと直前のバージョンとの、行ごとの相違だけを記録します。この相違をデルタと呼びます。edit または get により取り出されるバージョンは、それまでにチェックインされたデルタから構成されます。

「デルタ」と「バージョン」は、しばしば同義語として使用されます。ただし、これらの意味は正確には同一ではありません。選択したデルタを省略したバージョンを取り出すこともできます (「取り出したバージョンからデルタを削除する」を参照してください)。

SID

SCCS のデルタ ID (SID) は、特定のデータを示すための番号です。SID は、ドット (.) で区切った 2 つの番号で構成されます。最初のデルタの SID は、デフォルトでは 1.1 です。SID の最初の部分はリリース番号、2 番目の部分はレベル番号です。デルタをチェックインすると、レベル番号が自動的に 1 つずつ増えます。リリース番号は、必要に応じて増やすことができます。SCCS は、この他に分岐デルタ用の 2 つのフィールドも認識します (分岐デルタについては 「分岐」を参照してください)。

厳密には、SID はデルタそのものを示しますが、デルタとそれ以前のバージョンから構築したバージョンのことを「デルタ」という場合もあります。

ID キーワード

SCCS は、ソースファイル中の特定のキーワードを認識して展開します。このキーワードを使用して、チェックインするバージョンのテキストにそのバージョン固有の情報 (SID など) を含めることができます。編集を行うファイルをチェックアウトするときに、ID キーワードは以下のようになります。

%C%

ここで、C は大文字です。ファイルをチェックインする際に、SCCS はキーワードを対応する情報に置換します。たとえば、%I% は、現在のバージョンの SID に展開されます。

ID キーワードは、一般的にはコメントまたは文字列の定義中に含めます。少なくとも 1 つの ID キーワードがソースファイルに含まれていない場合は、SCCS は以下のような診断を出力します。

No Id Keywords (cm7)

ID キーワードについての詳細は、「ID キーワードを使用してバージョン固有情報を組み込む」を参照してください。