Solaris 移行ガイド

メールの管理

このリリースに組み込まれている sendmail のバージョンは、バージョン 8 と互換性があります。新しいバージョンではセキュリティ上の不備をいくつか修正しており、バージョン 5 を改善した内容も組み込まれています。ネームサービススイッチや NIS+ のサポートなど、標準 BSD リリースの拡張機能もいくつか追加されています。

NIS+ をさらにサポートするために、aliasadm という新しいコマンドが組み込まれています。このコマンドは、NIS+ エイリアスリストの管理に役立ちます。

メールボックススプールディレクトリは、/var/spool/mail から /var/mail に移動しました。新しいディレクトリ /var/mail/:saved が、ロックおよび一時ファイルの作成のために mailx プログラムによって使われます。また、メール構成ファイルはすべて /etc/mail に配置されるようになりました。この新規ディレクトリには aliases ファイルと sendmail.cf ファイルが入っています。

メールボックスロッキング機構が機能拡張されたため、Solaris 7 のクライアントは Solaris 2.x および SunOS 4.x のメールサーバの両方から安全にメールボックスをマウントできます。この拡張機能によって、とくに大規模なサイトでのメールの管理が容易になります。

Solaris 7 では、/usr/ucb/mail に代わって /usr/bin/mailx が使われています。mailx プログラムは、/usr/ucb/mail の SunOS 4.x バージョンと同じように動作するよう機能拡張されました。/usr/ucb/mail ファイルは、現在は /usr/bin/mailx へのシンボリックリンクになっています。

SunOS 4.x では、sendmail.mx と呼ばれるプログラムを DNS サイトで使ってメール交換レコードにアクセスしていました。新規バージョンの sendmail には必要な機能が組み込まれており、/etc/nsswitch.conf を通して構成できます。

メールシステムの管理』に sendmail の管理方法を説明しています。