Solaris 移行ガイド

Solaris 共通デスクトップ環境について

1993 年 3 月、サン・マイクロシステムズ社、Hewlett-Packard Company、IBM (International Business Machines Corp.) および Novell, Inc. の各社は UNIX ベースの主要ワークステーションとデスクトップコンピュータに一貫性のある見た目と使い心地を提供するグラフィカルユーザインタフェースの開発協定を発表しました。 CDE の開発に向けて、エンドユーザとアプリケーション開発者にとって UNIX をよりいっそう使いやすいものにするという目標が当初から設定されました。

この共同開発の結果生まれたのが共通デスクトップ環境 (CDE) です。CDE は Solaris 7 環境にパッケージングされた 2 つのデスクトップのうちの 1 つです (もう 1 つは OpenWindows デスクトップ)。いずれ、CDE はサン・マイクロシステムズ社、Hewlett-Packard、IBM、Novell、さらに UNIX ワークステーション市場の多くの企業にとって標準のデスクトップになるでしょう。 サン・マイクロシステムズ社は Solaris 7 において、CDE の旧バージョンにない新しいデスクトップ機能で CDE を拡張しました。新機能のいくつかについては、この章で後述しています。

Solaris CDE には、デスクトップサーバ、セッションマネージャ、ウィンドウマネージャ (Hewlett-Packard の Visual User Environment に基づくもの)、および多数のデスクトップユーティリティが組み込まれています。

Solaris CDE の使用法については、『Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

開発者、エンドユーザ、および CDE

CDE は主要 UNIX プラットフォームに一貫性のあるコンピューティング環境を提供するため、エンドユーザは異機種間を容易に移動できます。また、規格合致しているサン・マイクロシステムズ社、Hewlett-Packard、IBM、Novel の各プラットフォーム向けにプログラミングインタフェースの標準セットを 1 つ提供することによって、CDE はアプリケーション開発を容易にします。 1 つの API を使うため、開発者は CDE に準拠したシステム間で一貫した表示形式と動作を備えたアプリケーションを作成することができます。

CDE 開発環境は X11R5 サーバをベースとしており、OSF/Motif 1.2 仕様に基づく見た目と使い心地を備えたアプリケーションが作成できます。