Solaris 共通デスクトップ環境 Motif への移行

プログラミングモデル

API は異なりますが、XView と Motif はユーザインタフェースのプログラミングに関して、次のように同じオブジェクト指向方法論に基づきます。

すべての関数呼び出しを一方の API から他方へ変換しなければならない場合でも、XView から Motif に移植されるプログラムの構造全体はそのまま保持できます。

共通タイプのユーザインタフェースオブジェクト

XView と Motif は、共通タイプのユーザインタフェースオブジェクトをサポートするユーザインタフェースツールキットです。ただし XView では、1 つの XView オブジェクトと同等の効果を生むために、これらのオブジェクトの多くは複数の Motif ウィジェットを必要とする上位に実装されます。

表 5-3 は、XView の共通オブジェクトの基本マッピングと、対応する Solaris Motif ウィジェットを示します。

表 5-3 共通オブジェクトの基本マッピング

XView のパッケージ

対応する Solaris Motif ウィジェット 

ベース・フレーム 

XmTopLevelShell + XmMainWindow

コマンド・フレーム 

XmDialogShell + XmBulletinBoard

確認 

XmDialogShell + XmMessageBox (メッセージダイアログ)

キャンバス 

XmScrolledWindow + XmDrawingArea

パネル 

XmBulletinBoard または XmForm

パネル・ボタン 

XmPushButton

メニュー・ボタン 

DtMenuButton (OpenWindows 環境ではアクセスできない)

アブリビエイト・メニュー・ボタン 

XmRowColumn (オプションメニュー)

チェックボックス 

XmRowColumn + XmToggleButtons (チェックボックス)

排他的選択肢 

XmRowColumn + XmToggleButtons (ラジオボックス)

スクローリング・リスト 

XmScrolledWindow + XmList

メッセージ 

XmLabel

スライダ 

XmScale

テキストフィールド 

XmTextField

数値テキストフィールド 

DtSpinBox (OpenWindows 環境ではアクセスできない)

テキスト・サブウィンドウ 

XmScrolledWindow + XmText (スクロールテキスト)

TTY サブウィンドウ 

XmScrolledWindow + XmTermPane

DtTerm (OpenWindows 環境ではアクセスできない)

スクロールバー 

XmScrollBar

ポップアップ・メニュー 

XmMenuShell + XmRowColumn (ポップアップメニュー)

プルダウン・メニュー 

XmMenuShell + XmRowColumn (プルダウンメニュー)

プルライト・メニュー 

XmMenuShell + XmRowColumn (プルダウンメニュー)

ファイルチューザ 

XmDialogShell + XmFileSelectionBox