OPEN LOOK ユーザインタフェースと Solaris Motif は多くの機能がほぼ同じですが、実装には重要な違いがあります。最も重要な違いは次のとおりです。
ティアオフメニュー
入力フォーカスインジケータ
ウィジェットクラス (スライダとゲージに対してスケールなど)
二次 (secondary) テキストセレクション
その他にも、次の重要な違いがあります。
キーボードの割り当て
各ウィンドウに関連付けられたウィンドウマネージャコントロール
国際化
マウスボタンの動作
この節の残りの部分では、これらの機能について説明します。
Solaris Motif では、OPEN LOOK ユーザインタフェースの「ピンでとめられたメニュー」の代わりにティアオフメニューを使用します。メニュー最上部の破線を選択すると、そのメニューをそのままの状態で表示しておくことができます。
OPEN LOOK の二次テキストセレクションは、Motif のクイック転送機構とほぼ同じです。
もっとも重要な実装上の違いの 1 つは、ウィンドウコントロールに関するものです。Motif ユーザがタイトルバーの左上隅の「ウィンドウ」メニューボタンを押すか、OPEN LOOK ユーザがウィンドウのバックグラウンドのどこか (ヘッダなど) で「メニュー」ボタンを押すとメニューが表示されます。この 2 つの GUI に基づくオプションによってキーの違いが生じます。
Motif の「ウィンドウ」メニューでは、「復元」、「移動」、「サイズ」、「アイコン化」、「最大表示」、「奥へ」、「閉じる」を選択できます。OPEN LOOK の「ヘルプウィンドウ」メニューでは、「クローズ」、「フルサイズ」、「プロパティ」、「後ろへ」、「再表示」、「終了」を選択できます。この 2 つのリストは根本的には同じですが、その効果には大きな違いがあります。
OPEN LOOK ユーザインタフェースでは、「クローズ」オプションを選択するとウィンドウが最小化 (アイコン化) され、「終了」を選択するとアプリケーションが終了します。
Motif では、「アイコン化」オプションを選択するとウィンドウがアイコン化され、「閉じる」オプションを選択するとアプリケーションが終了します。OPEN LOOK ユーザインタフェースに慣れたユーザの多くは、ウィンドウを閉じてアイコン化するときに Motif プログラム自体を終了してしまうことがあるので注意してください。
マウスボタンの構造はどちらの仕様でもよく似ていますが、混乱を招く可能性のある重要な違いがあります。
表 5-1 は、OPEN LOOK の 3 つのマウスボタンのデフォルトの左から右へのマッピングを示します。
表 5-1 OPEN LOOK のマウスボタン
ボタン |
機能 |
---|---|
セレクト |
オブジェクトを指定するか、オブジェクトとコントロールを操作してドラッグする |
アジャスト |
選択したオブジェクトの数を増減させる |
メニュー |
ポインタ位置または指定したオブジェクトに関連付けられたメニューを表示する |
表 5-2 は Motif の 3 つのマウスボタンの割り当てを示します。OPEN LOOKと同様に、デフォルトは左マウスボタンから始まります。
表 5-2 Motif のマウスボタン
ボタン |
機能 |
---|---|
BSelect |
位置カーソルを選択、起動、設定、またはドラッグする |
BTransfer |
要素を移動してコピーし、転送内容をドラッグ&ドロップする。OPEN LOOK の「アジャスト」ボタンとしてカスタマイズできる。 |
BMenu |
メニューを表示する |