Solaris 7 インストールライブラリ (Intel 版)

言語サポート

Solaris は、複雑なテキストレイアウト言語、IIIMP (Internet Intranet Input Method Protocol)、Sun 以外のフォント、Unicode、および 30 を超える新ロケールまたは拡張ロケールを追加しました。

言語処理の枠組みの拡張

Solaris は、次の 4 つの領域で言語サポートを強化しました。

Unicode サポートの拡張

Sun は、多言語処理において多言語の文字に対応した Unicode ロケールが重要な役割を果たすものと考えています。Solaris は、これまでもオープンな業界標準を強力に後押ししてきました。このリリースでは、Unicode 2.1 のサポートを強化し、6 つの新しい Unicode UTF-8 ロケール (フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、スウェーデン語、ヨーロッパ) を追加しました (ヨーロッパは、省略時の通貨記号としてユーロを返します)。

ユーザーと開発者にとっては、多言語の文字を扱う機能が含まれたことが重要です。たとえば、Solaris 7 では、各 UTF-8 ロケールが強化され、ユーザーは、複数の言語 (たとえば 日本語、タイ語、ロシア語) の文字で構成される文書を入力したり、表示したりできます。必要に応じて、ロケールを変更したり新しいロケールをインストールする必要はありません。ユーザーが入力したり表示したりできる文字には、アラビア語、中国語 (簡体字、繁体字)、日本語、韓国語、ヘブライ語、タイ語、キリル文字、西欧、東欧、北欧の言語で使用される文字、トルコ語、ギリシャ語があります。さらに、GUI で操作できるコードセット変換ツールが含まれており、ユーザーデータをさまざまなコードセットに変換することができます。

複雑なテキストのサポート

Solaris 7 は、アラビア語、ヘブライ語、タイ語などの複雑なテキストレイアウト言語のサポートを統合しました。これらの言語は、双方向テキスト、複合テキスト、およびコンテキストに応じたテキストを処理するために特殊なテキスト前処理を必要とします。開発者は、新しいテキスト処理および印刷サポートを利用して、各市場に合わせたアプリケーションを作成することができます。

Internet Intranet Input Method Protocol のサポート

Solaris 7 は、Internet Intranet Input Method Protocol (IIIMP) を実装しています。これにより、Solaris で提供する入力方式を、Java アプリケーション、および非 X Window System アプリケーションから利用できるようになります。IIIMP は、非 X Window System アプリケーション (Java アプリケーションとアプレットを含む) に対して、どのように動作するのかを定義します。そして、ネットワークコンピュータや JavaStationsTM などの軽量クライアントを使用し、またサーバー上での入力方式を利用したいユーザーに、プラットフォームに依存しない入力方式の枠組みを提供します。

フォント管理の拡張

Solaris 7 では、新しい Desktop Font Downloader アプリケーションによって、そのフォントサポートも強化しています。これにより、ユーザーは、Sun 以外の PostScript Type 1 および TrueType フォントを Solaris 環境で簡単に使用して管理できます。

ロケールサポートの拡張

ユーザー環境の適切なサポートは、Sun にとって重要です。今回のリリースで、Solaris ソフトウェアは、ユーザーの要求に柔軟に応じるため、30 を超えるロケールに対する拡張機能を提供しています。これには、1999 年 1 月に実施される予定の新通貨「ユーロ」のサポートも含まれます。

通貨「ユーロ」のサポート

1997 年、欧州連合 (EU) は、統一通貨「ユーロ」に合意しました。1999 年 1 月に、EU 加盟国のうち 11 ヶ国のすべての外国為替、銀行、および金融産業が、各国通貨の使用をユーロに切り替えます。

この切り替えを見越して、Solaris 7 は、16 の新しいユーザーロケールでユーロ通貨のサポートを追加しました。これについては、次の表で説明します。これらのロケールでユーロ通貨を示す記号の入力方式は、EU によるユーロ記号入力推奨に関する短期提案に準拠しています。これらのオプションロケールは、ユーロを使用する必要がある開発者とユーザーを対象としています。下方互換性のため、従来の通貨記号も引き続き使用できます。

新しいユーザーロケール

Solaris ソフトウェアは、すでにほとんどの西ヨーロッパロケールをサポートしていますが、今回のリリースでは、東ヨーロッパ、タイ、および中近東にまでサポートを拡張しました。次の表は、Solaris 7 の新しいユーザーロケール、および更新されたユーザーロケールを示しています。

表 3-1 新しいユーザーロケールと更新されたユーザーロケール

地域 

ロケール名 

ISO コードセット 

説明 

アルバニア 

sq_AL

8859-2 

ボスニア 

nr

8859-2 

ブルガリア 

bg_BG

8859-5 

クロアチア 

hr_HR

8859-2 

エストニア 

et

8859-15 

デフォルトのコードセットが ISO 8859-1 から ISO 8859-15 に変更 

フィンランド 

sufi に変更

ISO 標準に準拠するよう変更 

フランス 

fr.UTF-8

UTF-8 

 

ドイツ 

de.UTF-8

UTF-8 

イスラエル 

he

8859-8 

 

イタリア 

it.UTF-8

UTF-8 

 

ラトビア 

lt

8859-13 

デフォルトのコードセットが ISO 8859-13 から ISO 8859-4 に変更 

リトアニア 

lv

8859-13 

デフォルトのコードセットが ISO 8859-13 から ISO 8859-4 に変更 

マケドニア 

mk_MK

8859-5 

 

ノルウェー 

no_NY

8859-1 

 

ルーマニア 

ro_RO

8859-2 

 

ロシア 

ru

KOI-8 

デフォルトコードセットが、ISO 8859-5 から KOI-8 に変更。ISO 8859-5 ベースのロシア語ロケールは、ru により利用可能。新しいロケールは、ru.KOI8-R

サウジアラビア 

ar

8859-6 

セルビア 

sr_SP

8859-5 

 

スロバキア 

sk_SK

8859-2 

 

スロベニア 

sl_SI

8859-2 

 

スペイン 

es.UTF-8

UTF-8 

 

スウェーデン 

sv.UTF-8

UTF-8 

 

タイ 

th_TH

TIS 620-2533 

 

グレートブリテン 

en_UKen_GB に変更

 

ISO 規格に準拠するよう変更 

表 3-2 ユーロ通貨をサポートする新しいユーザーロケール

地域 

ロケール名 

ISO コードセット 

オーストリア 

de_AT.ISO8859-15

8859-15 

ベルギー 

fr_BE.ISO8859-15

8859-15 

デンマーク 

da.ISO8859-15

8859-15 

フィンランド 

fi.ISO8859-15

8859-15 

フランス 

fr.ISO8859-15

8859-15 

ドイツ 

de.ISO8859-15

8859-15 

ギリシャ 

el.sun_eu_greek

8859-7 (変更) 

アイルランド 

en_IE.ISO8859-15

8859-15 

イタリア 

it.ISO8859-15

8859-15 

オランダ 

nl.ISO8859-15

8859-15 

ポルトガル 

pt.ISO8859-15

8859-15 

スペイン 

es.ISO8859-15

8859-15 

スウェーデン 

sv.ISO8859-15

8859-15 

グレートブリテン 

en_GB.ISO8859-15

8859-15 

ヨーロッパ 

en_EU.ISO8859-15

8859-15